
シェアとは、誰かと同時に何かを使うこと、分けて相手に渡すこと、同じ気持ちや性質を持つこと、SNSで広めること、会社の持ち分のこと、といった意味を持つ言葉であり、英英辞典はこれを十を超える語義に分けて立てています。
英語の share をそのままカタカナにした語で、Oxford Learner’s Dictionaries は語源を古英語の scearu「分割、何かが分けられうる部分」としました。
この記事では、シェアの意味を英英辞典の語義ごとに切り分け、市場シェアの share of the market、SNSのシェア、株式の shares、成句 share and share alike、そして辞書が示す発音までを整理します。
根拠にしたのは Cambridge Dictionary・Oxford Learner’s Dictionaries・Wiktionary の記述だけです。
シェアとは何か(結論)
シェアとは、ひとかたまりのものを切り分けて、二人以上でそれぞれの部分を持つ、という感覚を芯に持つ言葉です。
Cambridge Dictionary の最初の定義は「to have or use something at the same time as someone else(ほかの誰かと同時に何かを持つ、または使う)」。
同辞典はこの語義にレベルの札 A2 を付けました。
例文は「彼女はおもちゃをとても独り占めしたがるので、分け合うのが苦手だ」「ビルと私は何年も同じオフィスを使っていた」「私は四人の他人と一軒の家に住んでいる」の三つ。
つまり、いちばん最初に来るのは「同時に使う」であって、日本語でまず思い浮かぶ「市場シェア」ではありません。
同辞典はこのあとに、分け与える、作業を分担する、同じ気持ちを持つ、打ち明ける、SNSに出す、という動詞の語義を並べています。
名詞としては、分け前・分担・会社の持ち分・SNSでの共有の回数、という四方向に広がりました。
シェアの語義は辞書ごとにいくつもある
Cambridge Dictionary は、動詞の語義を六つ、名詞の語義を PART・PART OF A BUSINESS・SOCIAL MEDIA という札で分けています。
同辞典の American Dictionary の項は PART と PART OWNERSHIP の二つ、Business English の項は DIVIDE INTO PARTS の札でまとめました。
Oxford Learner’s Dictionaries のほうが語義の数は多く、動詞・名詞・成句・造語成分まで含めて二十近くが並びます。
そのなかには、名詞の「幅の広い曲がった刃」という、日本語のシェアからは想像しにくい語義も入っていました。
Wiktionary はこの語の語源をいちばん細かく追っていて、中英語・古英語・西ゲルマン祖語・ゲルマン祖語・印欧祖語まで五段階でさかのぼりました。
この記事では、辞書が立てた語義を一つずつ順に見ていきます。
シェアの語源は古英語の scearu
Oxford Learner’s Dictionaries の語源欄は、この語を古英語の scearu に置いています。
その意味は「division, part into which something may be divided(分割、何かが分けられうる部分)」。
起源はゲルマン語で、オランダ語の schare、ドイツ語の Schar「troop, multitude(一隊、群れ)」と関係があると記されています。
同じ欄は、shear(刈る、切る)とも関係があるとしました。
ここで一つ、見落とされやすい事実があります。
同辞典は「The verb dates from the late 16th cent.(動詞は16世紀後期にさかのぼる)」と書き添えており、名詞が先で動詞があとだと示しているのです。
つまり share は、はじめに「分けられた部分」という名詞があり、そこから「分ける・分け合う」という動詞が生まれた語でした。
同辞典は語源欄の末尾に、成句 share and share alike も挙げています。
シェアの語源をさらにさかのぼる
Wiktionary は、この語を中英語の schare・schere から説き起こします。
その元は古英語の sċearu で、意味は「a cutting, shaving, a shearing, tonsure, part, division, share(切ること、削ること、刈ること、剃髪、部分、分割、取り分)」。
ここで並ぶ語義を見ると、「分ける」の前に「切る・刈る」があったことが分かります。
さらにさかのぼると、西ゲルマン祖語の *skaru、ゲルマン祖語の *skarō「a division, detachment(分割、分隊)」。
最後は印欧祖語の *(s)ker-「to cut, divide(切る、分ける)」に行き着きます。
同語源の語として、ザーターラント・フリジア語の skar と sker「共有牧草地の持ち分」、オランダ語の schare「財産の持ち分」、ドイツ語の Schar「一団、部隊、集団」、アイスランド語の skor「部門」が挙がっています。
Wiktionary はさらに、shard と shear を比べるよう促し、eschel とは二重語(doublet)の関係にあると記しました。
シェアという語の芯にあるのは「仲良く分け合う」ではなく、刃物でスパッと切り分ける動作だったわけです。
シェアの「同時に使う」の語義
Cambridge Dictionary の第一の語義は「ほかの誰かと同時に何かを持つ、または使う」で、レベルの札は A2。
例文の一つは「Bill and I shared an office for years.(ビルと私は何年も同じオフィスを使っていた)」です。
もう一つは「I share a house with four other people.(私はほかの四人と一軒の家に住んでいる)」。
Oxford Learner’s Dictionaries も同じ定義を立てました。
その例文は「There isn’t an empty table. Would you mind sharing?(空いているテーブルがありません。相席でもかまいませんか)」です。
この share は、目的語を言わずに動詞だけで使えるのが面白いところ。
Cambridge Dictionary の例文にも、目的語のない形があります。
「She’s very possessive about her toys and finds it hard to share.(彼女はおもちゃを独り占めしたがり、分け合うのが苦手だ)」という文。
Cambridge Dictionary の Business English の項には「She shares an office with Anne.(彼女はアンと同じオフィスを使っている)」という他動詞の例も並びます。
シェアの「分け与える」の語義
Cambridge Dictionary の第二の語義は「to divide food, money, goods, etc. and give part of it to someone else」。
日本語にすると「食べ物・お金・品物などを分けて、その一部を誰かに渡す」です。
こちらもレベルの札は A2 です。
例文は「Will you share your sandwich with me?(サンドイッチを分けてくれませんか)」。
もう一つは「Let’s share the sweets (out) among/between everyone.(お菓子をみんなで分けよう)」で、辞書は out をかっこに入れて添えました。
三つ目の「We should share (in) the reward.(報酬は分け合うべきだ)」では、in がかっこ付きで示されています。
Oxford Learner’s Dictionaries は、この方向をさらに二つに割りました。
一つは「to divide something between two or more people(何かを二人以上のあいだで分ける)」。
もう一つは「to give some of what you have to somebody else(自分が持っているものの一部を誰かに渡す)」です。
前者の例文は「We shared the pizza between the four of us.(ピザを四人で分けた)」。
後者の例文は「John had no brothers or sisters and wasn’t used to sharing.(ジョンには兄弟姉妹がおらず、分け合うことに慣れていなかった)」でした。
シェアの「分担する」の語義
Cambridge Dictionary は、作業を分け合う意味の share にレベルの札 B2 を付けています。
定義は「If two or more people share an activity, they each do some of it(二人以上が活動をシェアするとは、それぞれがその一部を行うこと)」。
例文は「Shall we share the driving?(運転を交代でやりませんか)」です。
もう一つは「We shared the preparation for the party between us, so it wasn’t too much work.(パーティーの準備を私たちで分担したので、たいした手間にならなかった)」。
Oxford Learner’s Dictionaries はこれを「to be equally involved in something or responsible for something」と言いかえています。
日本語にすると「何かに等しく関わる、または等しく責任を負う」。
その例文は「Both drivers shared the blame for the accident.(事故の責任は両方の運転者にあった)」。
うれしいものを分けるだけでなく、責任や非難を分け合うのにも share が使われています。
シェアの「同じ気持ちを持つ」の語義
Cambridge Dictionary の B1 の語義は、感情・性質・経験について使う share です。
定義は「二人以上の人や物が感情・性質・経験をシェアするとは、両方またはすべてが同じ感情・性質・経験を持つこと」。
例文は「We share an interest in sailing.(私たちはどちらもヨットに関心がある)」。
二つ目は「All hospitals share some common characteristics.(すべての病院にはいくつか共通した特徴がある)」でした。
三つ目の「I don’t share your views/beliefs.(私はあなたの見解や信念に同意しない)」は、否定で使う形です。
Oxford Learner’s Dictionaries の定義は「to have the same feelings, ideas, experiences, etc. as somebody else(他の誰かと同じ感情・考え・経験などを持つ)」。
例に挙がっているのは「to share a concern/an opinion(懸念や意見を同じくする)」という形でした。
ここでの share は、何かを渡すわけでも減らすわけでもなく、ただ「同じものを持っている」と言っているだけです。
シェアの「打ち明ける」の語義
Cambridge Dictionary が C1 の札を付けたのは、考え・気持ち・アイデアを人に話す意味の share です。
定義は「to tell someone else about your thoughts, feelings, ideas, etc.(自分の考え・気持ち・アイデアなどを誰かに話す)」。
例文は「He’s not very good at sharing his worries.(彼は悩みを打ち明けるのが得意ではない)」。
二つ目は「It’s nice to have someone you can share your problems with.(悩みを打ち明けられる相手がいるのはいいことだ)」でした。
三つ目は「Come on, Bob, share the joke (with us).(ほらボブ、その冗談を教えてよ)」で、with us がかっこに入っています。
Oxford Learner’s Dictionaries の定義は「to tell other people about your ideas, experiences and feelings(自分の考え・経験・気持ちを他の人に話す)」。
例は「to share thoughts/ideas/feelings/memories(考え・アイデア・気持ち・思い出を分かち合う)」という形で示されました。
C1 という札は、この語義が上級の使い方だと辞書が見ていることを示しています。
SNSのシェアの語義
Cambridge Dictionary は、SNSの share を動詞と名詞の両方で立てています。
動詞の定義は「to put something on a social media website so that other people can see it(他の人が見られるように、SNSのサイトに何かを出す)」。
同じ定義には「誰か他の人がサイトに出したものを、他の人にも見せる」という後半が続きます。
例文は「You might even recommend an article to other readers or share it on Facebook.(記事を他の読者にすすめたり、Facebook でシェアしたりすることもあるでしょう)」。
名詞のほうには SOCIAL MEDIA の札が付きました。
定義は「an occasion when someone shares something on a social media website(誰かがSNSのサイトで何かをシェアする、その一回)」。
例文は「Her post has had over a thousand shares on Facebook.(彼女の投稿は Facebook で千回以上シェアされた)」です。
Oxford Learner’s Dictionaries の名詞の定義は「the action of sending on a message on social media for other people to see」。
日本語にすると「他の人に見てもらうために、SNSでメッセージを送り出す行為」です。
その例文は「The campaign has already received 180 000 shares on Facebook.(そのキャンペーンはすでに Facebook で18万回シェアされている)」でした。
シェアを増やす側の人を指す語も、同じ英英辞典で調べています。↓
インフルエンサーとは?意味と語源では、語源が「星から流れ込む力」であることを確かめました。↓

シェアの名詞「分け前」の語義
Cambridge Dictionary は、名詞の share に PART の札を付け、レベルを B2 としました。
定義は「a part of something that has been divided between several people(複数の人のあいだで分けられたものの、一つの部分)」。
例文は「The total bill comes to €80, so our share is €20.(合計は80ユーロなので、私たちの分は20ユーロだ)」です。
二つ目は「We ought to make sure that everyone gets equal shares of the food.(全員が同じ量の食べ物を受け取れるようにすべきだ)」。
三つ目の「His share of the vote rose by 15 percentage points among Hispanics.(彼の得票率はヒスパニック層で15ポイント上がった)」は、割合を言う使い方でした。
同辞典の American Dictionary にも同じ方向の語義があり、例は「The total bill comes to $200, so our share is $40.(合計は200ドルなので、私たちの分は40ドルだ)」。
Business English の項は「The party’s share of the vote fell from 39% to 24%.(その党の得票率は39%から24%に落ちた)」という例を載せています。
Oxford Learner’s Dictionaries の言い方は「one part of something that is divided between two or more people」。
日本語にすると「二人以上のあいだで分けられたものの、一つの部分」でした。
シェアの「果たすべき分担」の語義
Cambridge Dictionary には、同じ PART の札でもう一つ別の名詞の語義があります。
定義は「a part of something that several people are involved in(複数の人が関わっていることの、一つの部分)」で、レベルは B2。
例文は「She’s not doing her share of the work.(彼女は自分の分の仕事をしていない)」です。
もう一つは「We must all accept some share of the responsibility.(私たちは全員、責任の一部を引き受けなければならない)」でした。
Cambridge Dictionary の American Dictionary では、同じ文が fair を足した形で載っています。
「She’s not doing her fair share of the work.(彼女は当然やるべき分の仕事をしていない)」という形。
Oxford Learner’s Dictionaries の定義は「the part that somebody has in a particular activity that involves several people」。
日本語にすると「複数の人が関わる活動のなかで、ある人が担う部分」。
その例文は「We all did our share.(私たちはみな、自分の分をやった)」と短いものでした。
市場シェアを英語でどう言うか
日本語でいちばんよく使われる「市場シェア」は、英語でも share で言えます。
Oxford Learner’s Dictionaries は「one part of something that is divided between two or more people」の語義の例文に、そのままの形を載せました。
「Next year we hope to have a greater share of the market(来年はより大きな市場シェアを得たい)」という文です。
ここで気をつけたいのは、英語では share of the market のように of を伴って「何のシェアか」を言う点。
Cambridge Dictionary の例文も「His share of the vote(彼の得票率)」「The party’s share of the vote(その党の得票率)」と、すべて of でつながっています。
そして辞書の例では、share は a greater share・equal shares のように、大きさを表す語と組んで使われました。
英語の share は「占有率」という抽象語ではなく、分けられた一つの塊という具体のイメージを保ったままです。
市場を切り分けるという発想そのものを扱う語も、同じ英英辞典で調べています。↓
セグメントとは?意味と語源では、カテゴリやターゲットとの違いまで整理しました。↓

株式を意味するシェアの語義
Cambridge Dictionary は、株式を意味する share に PART OF A BUSINESS の札を付け、レベルを C2 としました。
定義は「one of the equal parts that the ownership of a company is divided into, and that can be bought by members of the public」。
日本語にすると「会社の所有権が分けられた等しい部分の一つで、一般の人が買えるもの」です。
例文は「The value of my shares has risen/fallen by eight percent.(私の持ち株の価値は8%上がった/下がった)」です。
二つ目は「We have some shares in Apple.(私たちは Apple の株を少し持っている)」で、前置詞は in でした。
三つ目は「He invests in stocks and shares.(彼は株式に投資している)」。
同辞典の American Dictionary には「She owns 2000 shares of General Electric.(彼女はゼネラル・エレクトリックの株を2000株持っている)」という例があり、こちらの前置詞は of です。
Business English の項には「She buys and sells stocks and shares.(彼女は株を売り買いしている)」という例文があります。
もう一つは「Share prices have gone up for three weeks in a row.(株価は三週連続で上がった)」。
Oxford Learner’s Dictionaries の定義は「any of the units of equal value into which a company is divided that are sold to raise money」。
日本語にすると「資金を集めるために売られる、会社を分けた等価の単位のいずれか」です。
挙がっている例は「to have/hold/own shares(株を持つ)」でした。
会社の持ち分を持つ人を指す語も、同じ英英辞典で調べています。↓
ステークホルダーとは?意味と語源では、株主との違いと範囲をはっきりさせました。↓

シェアの「分相応の量」の語義
Oxford Learner’s Dictionaries には、量の多い少ないを言う名詞の語義もあります。
定義は「an amount of something that is thought to be normal or acceptable for one person or thing(一人の人や一つの物にとって、普通または妥当と考えられる量)」。
例文は「He always eats more than his share.(彼はいつも自分の分より多く食べる)」です。
同辞典はこれを成句の形でも立てています。
定義は「(more than) an amount of something that is considered to be reasonable or acceptable(妥当または受け入れられると考えられる量(を超えた量))」。
その例文は「He has more than his fair share of problems.(彼は人並み以上に問題を抱えている)」。
ここでの fair share は、「公平な取り分」というより「これくらいが普通だろうという量」を指しています。
だから more than his fair share は、良いものにも悪いものにも使える言い方になりました。
シェアの「嫌なことの人並み以上」の語義
Cambridge Dictionary の Business English の項には、悪いことについてだけ使う語義が立っています。
定義は「a lot, or more than enough, of something bad(悪いことが、たくさん、または十分すぎるほど)」。
例文は「We’ve certainly got our share of problems at the moment.(今のところ、私たちも確かに相応の問題を抱えている)」です。
もう一つは「The country’s economy has seen its fair share of difficult times lately.(その国の経済は最近、それなりに苦しい時期を経験してきた)」。
日本語の「シェア」には、この「嫌なことを人並みに引き受ける」という方向がまったくありません。
辞書がわざわざ別の語義として立てたということは、それだけよく使われる形だということでしょう。
シェアの「幅の広い曲がった刃」の語義
Oxford Learner’s Dictionaries の名詞の語義のなかに、一つだけ毛色の違うものがあります。
定義は「the broad curved blade(幅の広い曲がった刃)」。
この語義には例文が付いていません。
分け前でも株式でもなく、ただ刃物の一部を指す使い方が、同じ share という見出しに同居しているわけです。
この語義は、語源の話とつなげるときれいにつながります。
Wiktionary がたどった古英語の sċearu は「切ること、削ること、刈ること」から始まり、印欧祖語の *(s)ker-「切る、分ける」に行き着きました。
刃を指す share と、分け前を指す share は、どちらも「切る」という一つの根から出た兄弟でした。
Oxford Learner’s Dictionaries が語源欄で shear との関係を挙げたのも、同じ筋の話です。
シェアハウス・カーシェアという複合語のシェア
Oxford Learner’s Dictionaries は、share を他の語とくっつけて使う形を、名詞と動詞に分けて立てています。
名詞のほうの定義は「(in nouns) an arrangement to divide something between two or more people, groups, etc.」。
日本語にすると「名詞のなかで使われて、二人以上の人や集団のあいだで何かを分ける取り決め」です。
挙がっている例は「a job-share(二人がそれぞれ週の一部を働いて一つの仕事をこなすこと)」です。
動詞のほうの定義は「(in verbs) using an arrangement in which two or more people or groups use or have the same thing」。
日本語にすると「動詞のなかで使われて、二人以上の人や集団が同じものを使う・持つという取り決めによって」。
例文は「We encourage people to carshare to reduce congestion on the roads.(道路の混雑を減らすため、相乗りをすすめています)」でした。
日本語のカーシェアに対応する英語として、辞書は carshare という一語の動詞を示しています。
また job-share のように、share が後ろに付いて名詞を作る形も辞書に載りました。
シェアを使った熟語・成句
Oxford Learner’s Dictionaries は、share の成句をいくつか立てています。
一つ目は share and share alike です。
定義は「used to say that everyone should share things equally and in a fair way(みんなが物を等しく公平に分け合うべきだと言うときに使う)」。
この成句は、Oxford Learner’s Dictionaries の語源欄の末尾にも名前が挙がっていました。
二つ目は、悩みを人に話すことについての成句です。
定義は「if you talk to somebody about your problems and worries, instead of keeping them to yourself, they seem less serious」。
日本語にすると「自分の問題や心配を抱え込まずに誰かに話すと、それほど深刻には感じられなくなる」。
三つ目は fair share で、「妥当または受け入れられると考えられる量(を超えた量)」という定義。
四つ目は「the largest or best part of something when it is divided(分けられたときの、いちばん大きい部分またはいちばん良い部分)」という成句で、例文は付いていません。
五つ目は「a share of the available money or benefits that you believe you have a right to(自分に権利があると信じている、使えるお金や利益の取り分)」。
その例文は「Scotland is demanding a larger share of the national cake.(スコットランドは国の取り分をもっと大きくするよう求めている)」でした。
シェアと同語源の語・関連する語
Wiktionary は、share と同じ根から出た語をいくつも挙げています。
ザーターラント・フリジア語の skar と sker は「共有牧草地の持ち分」。
オランダ語の schare は「財産の持ち分」で、ドイツ語の Schar は「一団、部隊、集団」という意味です。
アイスランド語の skor は「部門」。
英語のなかでは、shard(かけら)と shear(刈る)を比べるよう Wiktionary が促しています。
また eschel とは二重語の関係にあると記されました。
Oxford Learner’s Dictionaries の語源欄も、オランダ語の schare、ドイツ語の Schar、そして shear との関係を挙げています。
| 項目 | 辞書の記述 |
|---|---|
| 品詞 | 動詞・名詞(Cambridge・Oxford) |
| レベル | A2(同時に使う・分け与える)/B1(同じ気持ちを持つ)/B2(分担する・分け前・分担)/C1(打ち明ける)/C2(株式)=Cambridge |
| 名詞の札 | PART・PART OF A BUSINESS・SOCIAL MEDIA(Cambridge)/PART・PART OWNERSHIP(Cambridge American) |
| 語源 | 古英語 scearu「分割、分けられうる部分」(Oxford)/古英語 sċearu「切ること、刈ること、部分」(Wiktionary) |
| さかのぼる先 | 西ゲルマン祖語 *skaru → ゲルマン祖語 *skarō → 印欧祖語 *(s)ker-「切る、分ける」(Wiktionary) |
| 同語源の語 | schare(オランダ語)・Schar(ドイツ語)・skar/sker(ザーターラント・フリジア語)・skor(アイスランド語)・shear・shard・eschel |
| 成句 | share and share alike/fair share/国の取り分を求める言い方(Oxford) |
| 複合語 | job-share(名詞)・carshare(動詞)(Oxford) |
シェアの英語 share の発音は /ʃeər/
Cambridge Dictionary はイギリス英語を /ʃeər/ と示しています。
アメリカ英語の表記は /ʃer/。
Wiktionary はもっと細かく、容認発音(RP)を /ʃɛə/、標準南部イギリス英語(SSB)を /ʃɛː/ としました。
一般米語(GenAm)は /ʃɛɚ/ で、アメリカ英語の音声ファイルも付いています。
オーストラリア英語は /ʃeː/、ニュージーランド英語は /ʃeə/ と /ʃiə/ の二つ。
スコットランドでは /ʃeɾ/ と /ʃeɹ/、ランカシャーでは /ʃɜː(ɹ)/ と記されました。
インド系の英語については /ʃæ(ɾ)/ と /ʃeɾ/ が挙がっています。
韻は -ɛə(ɹ) で、同音異義語として shear と sheer が示されました。
ただし Wiktionary は、shear と sheer が share と同音になるのは near-square と呼ばれる発音の人に限ると注記しています。
カタカナの「シェア」は二拍ですが、英語の share は一音節である点にも注意。
シェアは英語でどう言うか
日本語のシェアは、大きく三つの場面で使われます。
市場シェア、分け合う、SNSで共有する、の三つ。
この三つはどれも、英英辞典が立てている語義の範囲に収まっています。
市場シェアには Oxford Learner’s Dictionaries の「a greater share of the market」が対応します。
分け合うは Cambridge Dictionary の A2 の二つの語義、SNSの共有は両辞典のSNSの語義が受け持ちました。
つまり、シェアは和製英語ではありません。
ずれているのは、意味そのものではなく、意味の守備範囲の広さのほうでした。
英語の share は、株式(shares)、責任の分担、悩みを打ち明けること、幅の広い曲がった刃まで引き受けています。
日本語のシェアが拾っているのは、辞書が立てた語義のうちの三つほどにすぎません。
逆に言えば、英語で share と言われたときに市場シェアだと決めつけると読み違えます。
シェアで間違いやすい点
一つ目は、share を「分け与える」だけで覚えてしまうことです。
Cambridge Dictionary が最初に置くのは「ほかの誰かと同時に何かを持つ、または使う」で、相手に渡す動きは含まれていません。
share an office も share a house も、誰かに何かをあげているわけではないのです。
二つ目は、shares と複数形にすると株式の意味が強く出ること。
Cambridge Dictionary の例文には「We have some shares in Apple.」「He invests in stocks and shares.」が並びます。
「Share prices have gone up for three weeks in a row.」も同じ方向の例文でした。
三つ目は、前置詞がそろっていないことです。
株式では shares in Apple と shares of General Electric の両方が辞書に載り、取り分では share of the vote のように of が使われました。
share with somebody、share something between/among somebody、share in something という形も、それぞれ別の語義で辞書に示されています。
四つ目は、fair share を「公平な取り分」とだけ訳してしまうこと。
Oxford Learner’s Dictionaries の定義は「妥当または受け入れられると考えられる量」で、その例文は「He has more than his fair share of problems.」という悪いことについての文でした。
シェアについてよくある質問
Oxford Learner’s Dictionaries は、古英語の scearu「分割、何かが分けられうる部分」としています。
起源はゲルマン語で、オランダ語の schare、ドイツ語の Schar「一隊、群れ」、そして shear と関係があると記されています。
Wiktionary はさらに、古英語の sċearu「切ること、刈ること、部分、分割」から、西ゲルマン祖語の *skaru、ゲルマン祖語の *skarō を経て、印欧祖語の *(s)ker-「切る、分ける」までさかのぼっています。
なお Oxford Learner’s Dictionaries は、動詞の share は16世紀後期からだと書き添えました。
言えます。
Oxford Learner’s Dictionaries には「Next year we hope to have a greater share of the market(来年はより大きな市場シェアを得たい)」という例文があります。
ただし英語では of を伴って「何のシェアか」を言うのが普通で、Cambridge Dictionary の例文も share of the vote という形でした。
載っています。
Cambridge Dictionary は動詞に「他の人が見られるようにSNSのサイトに何かを出す」、名詞に SOCIAL MEDIA の札を付けた「誰かがSNSで何かをシェアする、その一回」を立てました。
名詞の例文は「Her post has had over a thousand shares on Facebook.(彼女の投稿は Facebook で千回以上シェアされた)」です。
Oxford Learner’s Dictionaries も「他の人に見てもらうためにSNSでメッセージを送り出す行為」という定義を載せています。
単数の share は、分け前・分担・市場シェア・SNSでの共有の一回など、幅広い語義で使われます。
複数形の shares は、Cambridge Dictionary が C2 の札を付けた株式の語義でよく現れます。
辞書の例文も「The value of my shares has fallen by 8%.」「She owns 2000 shares of General Electric.」と、すべて複数形でした。
Oxford Learner’s Dictionaries は「みんなが物を等しく公平に分け合うべきだと言うときに使う」と定義しています。
同辞典はこの成句を、語源欄の末尾にも挙げました。
定義に例文は付いていません。
Cambridge Dictionary は語義ごとにレベルの札を変えています。
「同時に使う」と「分け与える」は A2、「同じ気持ちを持つ」は B1、「分担する」「分け前」「果たすべき分担」は B2 です。
「打ち明ける」は C1、株式を指す語義は C2 でした。
同じ綴りでも、意味によって難しさがここまで変わります。
シェアのまとめ
シェアとは、誰かと同時に何かを使うことであり、分けて相手に渡すことであり、作業や責任を分担することでもあります。
名詞に回ると、分け前・果たすべき分担・市場シェア・会社の持ち分・SNSでの共有の回数まで引き受けました。
語源は古英語の scearu「分割、何かが分けられうる部分」で、ゲルマン語の起源を持ち、shear と関係があるとされています。
Wiktionary をたどると、古英語 sċearu の「切ること、刈ること」を経て、印欧祖語の *(s)ker-「切る、分ける」に行き着きます。
Cambridge Dictionary が最初に置く語義は「ほかの誰かと同時に何かを持つ、または使う」で、レベルの札は A2。
英語で使うときに押さえておきたいのは、市場シェアは share of the market のように of でつなぐこと、株式は複数形の shares で現れること、悩みを打ち明ける share には C1 の札が付くことの三つです。
fair share は「公平な取り分」ではなく「普通と考えられる量」で、悪いことについても使われる言い方でした。
そして Oxford Learner’s Dictionaries には、幅の広い曲がった刃を指す語義まで残っています。
\3分で読める/
日本語と英語でずれるビジネス用語を、同じ英英辞典で確かめられます

語源・発音記号・例文つき
シェアの参考文献
share の定義・語法・発音・語源は以下の英英辞典と辞書で確認しました。
- Cambridge Dictionary|share(Cambridge University Press 公式辞書)
- Oxford Learner’s Dictionaries|share(Oxford University Press 公式辞書)
- Wiktionary|share(Wiktionary 英語版)
あわせて読みたい記事です。
アセットとは?意味と語源も同じ英英辞典で調べています。↓

コメント