
バリューとは、お金に換えたときの額、どれだけ役に立つかという度合い、そして人が何を正しいと信じているかという価値観までを指す言葉であり、英英辞典はこれを十を超える語義に分けて立てています。
英語の value をそのままカタカナにした語で、Oxford Learner’s Dictionaries は語源を古フランス語の valoir「価値がある」の女性形過去分詞とし、さらにラテン語の valere へさかのぼるとしました。
この記事では、バリューの意味を英英辞典の語義ごとに切り分け、割安を言う good value、企業の価値観を指す複数形の values、数学の値、色の明暗、動詞の二つの使い方、派生語、発音までを整理します。
根拠にしたのは Cambridge Dictionary・Oxford Learner’s Dictionaries・Wiktionary の記述だけです。
バリューとは何か(結論)
バリューとは、あるものがどれだけの値打ちを持つかを言う言葉です。
Cambridge Dictionary が最初に置く定義は「the amount of money that can be received for something(あるものと引き換えに受け取れるお金の額)」。
同辞典はこの語義に MONEY の札を付け、レベルは B1 としました。
例文は「彼女は持っていた値打ちのあるものを、すでに全部売ってしまっていた」と「その賞金はいくらですか」の二つ。
三つめに「ポンドの価値が昨日ほかのヨーロッパ通貨に対して下がった」という例文も並びました。
つまり芯にあるのは、お金に換算したときの額という感覚。
ただし辞書はそこで止まらず、役に立つ度合い、人が何を正しいと信じているか、数学の値までを同じ見出しの下に立てています。
「割安」に当たる語義も辞書にはあり、そちらは値段と釣り合うかどうかを言う別の語義として立てられました。
バリューの語義は辞書ごとにいくつもある
Cambridge Dictionary の value の項には、名詞と動詞を合わせて十六の語義が並びます。
付いている札は MONEY・IMPORTANCE・NUMBER・ART の四種類。
いちばん数が多いのは IMPORTANCE で、重要さ・値打ち・有用さ・信条がここにまとまっています。
Oxford Learner’s Dictionaries は名詞に五つ、動詞に二つの語義を立てました。
名詞の五つは、お金に換えた値打ち、値段と比べたときの良さ、役に立つ・重要であるという性質、善悪と大切さについての信念、文字や記号が表す量という並びです。
Wiktionary は名詞に十、動詞に三つの語義を置きました。
名詞のほうには音楽・美術・数学と物理の札が付いた語義が含まれ、古語扱いの語義まで入っています。
三辞典を重ねて見えてくるのは、バリューが「お金」「有用さ」「信条」「数値」の四本柱で立っていること。
バリューの語源はラテン語 valere(価値がある)
Oxford Learner’s Dictionaries の語源欄は、value を中英語に入った語としています。
そこからさかのぼる先は古フランス語。
古フランス語の動詞 valoir「価値がある」の、女性形過去分詞だと記されました。
その valoir のもとになったのが、ラテン語の valere です。
つまり value は、動詞の過去分詞がそのまま名詞になった形。
直訳すれば「価値があるとされたもの」ということになります。
バリューの語源をさらにさかのぼる
Wiktionary は、中英語の綴りとして valew と value の二つを挙げています。
その前が古フランス語の value で、ここまでは Oxford と同じ道筋。
Wiktionary はラテン語を valeō、valēre の形で示し、その語義を「強くある、価値がある」と二つ書きました。
さらに古イタリック祖語の *walēō を経て、印欧祖語の *h₂welh₁- までさかのぼります。
この印欧祖語の語根に与えられた意味は「強くあること」。
値打ちがあることと強くあることが、同じ語根から枝分かれしたわけです。
バリューの語義①お金で受け取れる額
Cambridge Dictionary が MONEY の札で立てた名詞の語義は、「あるものと引き換えに受け取れるお金の額」。
レベルは B1 で、英語を学ぶ早い段階で出てくる語義です。
例文の一つめは of value の形で、「彼女は持っていた値打ちのあるものを、すでに全部売ってしまっていた」。
二つめは value of の形で、「その賞金はいくらですか」。
三つめは value falls の形で、「ポンドの価値が昨日ほかのヨーロッパ通貨に対して下がった」。
同辞典はもう一か所でこの語義を取り上げ、「あるものと引き換えに受け取れるお金の額、お金で測ったときの値打ち」と言い換えました。
そこでは可算の例として「不動産価値の下落」、不可算の例として「ドルの価値が昨日マルクと円に対して下がった」が示されています。
Oxford Learner’s Dictionaries も、「お金やほかの財と交換したときに、それがどれだけの値打ちになるか」と定義しました。
値打ちを測られる側である資産そのものを指す語は、アセットとは?意味と語源も同じ英英辞典で調べています。↓

バリューの語義②誰かにとっての重要さ
Cambridge Dictionary は IMPORTANCE の札で、「誰かにとっての、あるものの重要さや値打ち」という語義を立てています。
例文は「彼らにとって、その家のいちばんの値打ちは静かな田舎の立地にあった」。
お金の額ではなく、その人にとっての重みを言う語義。
同じ欄には place a value on、put a value on、set a value on という三つの形が並びました。
その例文は「彼らは見せ方の良さを高く評価することで知られている」です。
高く評価すると言いたいときは、high を挟んで place a high value on という形になります。
Cambridge Dictionary は別の場所で、この語義を「重要さ、値打ち、あるいは利益」とも言い換えました。
その例文は「法廷にカメラを入れることの意義について、彼らは議論した」。
同じ欄には「そのものの値打ちはお金にすればおそらく数ドルだったが、思い出としての値打ちは大きかった」という例文も載っています。
バリューの語義③どれだけ役に立つか
Cambridge Dictionary は「どれだけ役に立つか、どれだけ重要か」という語義も立て、レベルを B1 としました。
例文の一つめは of value の形で、「その写真は計り知れないほどの歴史的価値がある」。
二つめは practical value の形で、「彼の貢献は実際の役にはほとんど、あるいはまったく立たなかった」。
三つめは sentimental value の形で、「そのネックレスには大きな思い出の値打ちがあった」。
sentimental value は、お金では測れない値打ちを言うときの決まった組み合わせ。
Oxford Learner’s Dictionaries はこの語義を「役に立つ、あるいは重要であるという性質」と定義しています。
例文は「定期的な運動の値打ちを、過小評価してはならない」。
Wiktionary も「あるものを望ましく、値打ちのあるものにしている性質」を、名詞の第一の語義に置きました。
バリューの語義④values は価値観・信条
Cambridge Dictionary は B2 のレベルで、人が持っている信念という語義を立てています。
定義は「とくに何が正しく何が間違っているか、人生で何がいちばん大切かについての信念で、その人のふるまいを左右するもの」。
例文として挙がっているのは family values、moral values、traditional values の三つ。
いずれも複数形の values で、単数の value ではありません。
Oxford Learner’s Dictionaries も「何が正しく何が間違っているか、人生で何が大切かについての信念」と定義しました。
例文は「私たちは自分の道徳的な価値観に導かれる必要がある」です。
Wiktionary はこの語義に「しばしば複数形」という注記を付けました。
定義は「人の道徳や道徳観や信念の体系など、価値を置かれ、高く尊ばれているもの」。
価値観という意味で使うときは、辞書が示すとおり複数形の values にします。
バリューの語義⑤数や記号が表す値
Cambridge Dictionary は NUMBER の札で、「ある量を表す数または記号」という語義を立てています。
例文は「モデムの速度は固定値に設定しなければならない」。
もう一つは「数体系は、量を表すために使う値の集まりを定める」という文です。
同辞典は別の場所でも、「文字や記号が表す数または量」と書きました。
Oxford Learner’s Dictionaries の定義は「文字や記号によって表される量」。
例文は「y の値を33とする」で、数学の教科書そのままの言い方です。
Wiktionary は数学と物理の札を付け、「測定・計算・その他の定義によって定まる、任意の明確な数量、またはそれ以外の数学的対象」としました。
バリューの語義⑥色の明暗
Cambridge Dictionary には ART の札が付いた語義もあります。
定義は「ある色の明るさや暗さの度合い、または作品の中での明暗の関係」。
この語義に例文は添えられていません。
Wiktionary も美術の札で、「絵画などの、特定の部分における色の相対的な暗さや明るさ」と書きました。
二つの辞典が同じ語義を立てている以上、色の明暗を指す value には辞書の裏づけがあります。
要点は、ここでの value が色そのものではなく、明るさと暗さの段階を指していること。
バリューの語義⑦音符の長さ
Wiktionary は音楽の札で、「音符の相対的な長さ」という語義を立てています。
音の高さではなく、長さのほうを指す語義。
定義に「相対的な」という語が入っているとおり、ほかの音符と比べたときの長さを言います。
Cambridge Dictionary と Oxford Learner’s Dictionaries には、この音楽の語義が載っていません。
三辞典を並べると、分野別の語義をいちばん細かく拾っているのは Wiktionary だと分かります。
バリューの語義⑧動詞の value は値踏みする
Cambridge Dictionary は動詞の value に MONEY の札を付け、レベルを C2 としました。
定義は「あるものがいくらで売れそうか、判断を下すこと」。
例文は value something at something の形で、「彼はその絵を2000ドルと評価した」。
もう一つは「保険会社から、宝石を鑑定してもらうべきだと言われた」という受け身を使った文です。
同辞典は別の場所で、同じ動詞を「あるものの値打ちを述べること」とも定義しました。
その例文は「その絵は45万ドルと評価された」。
Oxford Learner’s Dictionaries の定義は「あるものが特定の金額の値打ちだと判断すること」。
例文は「その物件は200万ドルを超える額で評価された」です。
Wiktionary は動詞の第一の語義を「価値を定める、または見積もる、値打ちを判断する」としています。
値段をつける側の動作を言うのが、この value です。
バリューの語義⑨動詞の value は大切に思う
Cambridge Dictionary は IMPORTANCE の札で、動詞の value を「あるものを重要だと考えること」と定義し、レベルを B2 としました。
例文は「私はずっと彼女の助言を大切にしてきた」。
同辞典は別の場所で、「あるものを重要で、持つ値打ちがあると考えること」とも書いています。
その例文は「彼の友情は、言葉に尽くせないほど大切だ」。
Oxford Learner’s Dictionaries の定義は「誰かや何かを重要だと思うこと」。
例文は「彼は彼女の助言と支えを大切に思うようになった」です。
Wiktionary は動詞に「高く評価する、重んじる、重要性を置く」と「大切にする、慈しむ」の二つを立てました。
お金の話がまったく入らない、動詞としてのもう一つの顔。
バリューの語義⑩値段に見合う良さ=good value
Cambridge Dictionary のビジネス英語の項には、「値段と比べて、どれだけ良いか、どれだけ役に立つか」という語義があります。
示されている組み合わせは excellent value、good value、poor value の三つ。
例文は「不動産はこれからも常に割のよい買い物であり続けるだろう」。
give value、offer value、provide value という動詞との形も並びました。
その例文は「年に二回以上旅行するなら、年間の旅行保険はきわめて割がよい」です。
さらに value for money の形も載り、「このジャージの上下は大幅に値下げされていて、値段に対して破格だ」という例文が添えられました。
Oxford Learner’s Dictionaries も「値段と比べて、それがどれだけの値打ちを持つか」と定義しています。
挙げられた形は to be good value と to be great value の二つ。
値段を外して品質そのものを言う語は別にあり、クオリティとは?意味と語源も同じ英英辞典で調べています。↓

割安だと言いたいときは value 一語ではなく、good value や value for money という組み合わせを使います。
バリューの語義⑪企業が掲げる core values
Cambridge Dictionary のビジネス英語の項は、信念としての values も立てています。
定義は「人生や仕事などで何が正しく、何が間違っていて、何がいちばん大切かについて人が持つ信念で、そのふるまいを左右するもの」。
例文は「文化と価値観が会社をまとめているのだと、彼は信じていた」。
core values と shared values という組み合わせも示されました。
その例文は「長く続く会社は、中心となる価値観のまとまりの上に築かれている」です。
cultural values、social values、traditional values の三つも同じ欄に並びます。
例文は「その変化は、現場の管理という伝統的な価値観への回帰を示していた」。
企業が掲げるバリューは、辞書の上ではこの複数形 values の語義に当たります。
同じ並びで語られることの多い語は、ミッションとは?意味と語源も同じ英英辞典で調べています。↓

バリューにはまだ辞書が立てる語義がある
Wiktionary は、ここまでに出てこなかった語義もいくつか立てています。
一つは「正確な意味、含み」。
もう一つは複数形で使う語義で、「ある塊や化合物を処理して得られる、値打ちのある成分」という定義です。
その説明には「とくに岩石や砂利などに含まれる貴金属」と添えられました。
古語扱いの語義として、「敬意、重んじること」も載っています。
不可算の語義には「あるものに与えられた重要さの度合い」が立ちました。
さらに「ほかの何かと釣り合う公正な対価と見なされる、お金や品物やサービスの量」という語義も名詞の側に入っています。
辞書が十を超える語義を立てている以上、バリューを一語の日本語で訳し切ろうとしないほうが早い。
バリューが上がる・下がるを英語でどう言うか
Cambridge Dictionary のビジネス英語の項は、「あるものが持つ金額としての値打ち」という語義に、動きを表す形をまとめて示しています。
上がるほうは go up in value、shoot up in value、increase in value の三つ。
例文は「1ベッドルームの物件は71パーセント値上がりした」。
下がるほうは go down in value、drop in value、fall in value の三つです。
例文は「私の投資は値下がりした」。
同じ語義の例文には「この住宅ローンは、物件の評価額の95パーセントまで利用できる」も挙がりました。
Oxford Learner’s Dictionaries も、go up in value、rise in value、increase in value という形を示しています。
前置詞は in で、value はそのうしろに置く形。
バリューは英語でどう言うか
値打ちという意味でバリューを使うなら、英語の value はそのまま当てはまります。
Cambridge Dictionary が MONEY の札で立てた語義がそれに当たり、of value や value of という形で使われました。
ただし割安という意味で使いたいときは、value 一語では足りない。
辞書が例に挙げるのは good value、excellent value、value for money という組み合わせのほうです。
企業が掲げる行動指針としてのバリューも、辞書の上では単数の value ではありません。
Cambridge Dictionary も Oxford Learner’s Dictionaries も、信念の語義には複数形の values を使っています。
core values、shared values、moral values、family values、traditional values が、辞書に並ぶ形。
数学の値を言うときは、Oxford Learner’s Dictionaries の例文「y の値を33とする」のような使い方になります。
動詞としての value は、値踏みするほうと大切に思うほうの二つに分かれました。
バリューを英語にするときは、お金なのか、有用さなのか、信条なのか、数値なのかを先に決めます。
バリューを使った熟語・成句
Wiktionary の派生語の欄には、接頭辞が付いた形がまとめて並びます。
devalue、disvalue、eigenvalue、equivalue、hypervalue、isovalue、metavalue、multivalue の八つ。
続けて nonvalue、pseudovalue、semivalue、subvalue、unvalue、upvalue も挙がっています。
形容詞の形としては valueable と valueful が載りました。
二語以上の組み合わせでは absolute value、net asset value、book value、cash value、capital value が並びます。
会計や金融で使う語としては enterprise value、actual cash value、customs value、diminished value も同じ欄。
理科系の語では calorific value、acid value、C-value、D-value、L-value、R-value が挙がりました。
C-value paradox や aged R-value のように、さらに語を足した形も一覧に入っています。
プログラミングで使う call by value と call-by-value も派生語の一覧の中。
成句としては accept at face value、article of extraordinary value、and nothing of value was lost が載っています。
add value、value trap、entertainment value、characteristic value、call value も同じ並び。
Wiktionary が挙げた同義語は valence の一語だけです。
| 項目 | 辞書の記述 |
|---|---|
| 品詞 | 名詞・動詞(Cambridge・Oxford・Wiktionary) |
| 語義の数 | 十六(Cambridge)/名詞五・動詞二(Oxford)/名詞十・動詞三(Wiktionary) |
| レベル | B1(お金・有用さ)/B2(信条・大切に思う)/C2(値踏みする)=Cambridge |
| 札 | MONEY・IMPORTANCE・NUMBER・ART(Cambridge)/music・arts・mathematics・physics・obsolete(Wiktionary) |
| よく使う形 | of value・value of・place/put/set a value on・good value・value for money・core values・value something at・go up/fall in value |
| 同義語 | valence(Wiktionary) |
| 派生語 | devalue・eigenvalue・multivalue・upvalue・valueable・valueful・absolute value・book value・net asset value |
| 語源 | 古フランス語 valoir「価値がある」の女性形過去分詞/ラテン語 valere・valeō/印欧祖語 *h₂welh₁- |
バリューの英語 value の発音は /ˈvæl.juː/
Cambridge Dictionary はイギリス英語もアメリカ英語も ˈvæl.juː と示しています。
強勢は最初の音節にあり、val のほうを強く読む形。
Wiktionary も容認発音として /ˈvæl.juː/ を挙げ、Cambridge と同じ形を示しました。
ただし valuable は /ˈvæljəbəl/ になると、同じ欄で注意を添えています。
標準南部イギリス英語の表記は /ˈval.jʉw/。
アメリカ英語とカナダ英語は /ˈvæl.ju/ で、最後の母音に長音の記号が付きません。
オーストラリア英語は /ˈvæl.jʉː/、ニュージーランド英語は /ˈvɛl.jʉː/。
スコットランドと北アイルランドは /ˈval.jʉ/、ウェールズは /ˈvalɪʊ/ と分かれました。
つづりに沿った発音表記は văl’ū で、脚韻は æljuː に分類されています。
Wiktionary が音節の区切りを val と ue としているとおり、value は二音節の語。
バリューで間違いやすい点
一つめは、価値観という意味で単数の value を使ってしまうこと。
Cambridge Dictionary も Oxford Learner’s Dictionaries も、この語義の例文はすべて複数形の values です。
二つめは、割安という意味を value 一語で言おうとすること。
辞書が載せるのは good value、excellent value、poor value、value for money という組み合わせのほう。
三つめは、値上がり・値下がりを言うときの前置詞です。
辞書の形は go up in value、fall in value で、使う前置詞は of ではなく in。
四つめは、動詞の value を二つの意味で取り違えること。
値踏みするほうには C2、大切に思うほうには B2 のレベルが付いており、Cambridge はこれを別の語義として立てました。
五つめは、valuable の発音。
Wiktionary は value が /ˈvæl.juː/ でも、valuable は /ˈvæljəbəl/ になると注記しています。
「価値を置く」は place a value on、「いくらと評価する」は value something at で、形がはっきり分かれます。
バリューについてよくある質問
Oxford Learner’s Dictionaries は、中英語に入った語で、古フランス語の動詞 valoir「価値がある」の女性形過去分詞だとしています。
その valoir のもとはラテン語の valere です。
Wiktionary は中英語の綴りとして valew と value を挙げ、ラテン語を valeō「強くある、価値がある」の形で示しました。
さらに古イタリック祖語の *walēō を経て、印欧祖語の *h₂welh₁-「強くある」までさかのぼります。
辞書が信念の語義で使っているのは、複数形の values のほうです。
Cambridge Dictionary のビジネス英語の項は core values と shared values という組み合わせを示し、「長く続く会社は、中心となる価値観のまとまりの上に築かれている」という例文を載せています。
同じ欄には「文化と価値観が会社をまとめているのだと、彼は信じていた」という例文も並びました。
Cambridge Dictionary は「値段と比べてどれだけ良いか」という語義に、excellent value・good value・poor value・value for money という形を挙げています。
例文は「不動産はこれからも常に割のよい買い物であり続けるだろう」。
Oxford Learner’s Dictionaries も to be good value、to be great value という形を示しました。
辞書が載せているのは value 単独ではなく、この組み合わせのほうです。
同じ語の別の語義として、三辞典すべてが立てています。
Cambridge Dictionary は NUMBER の札で「ある量を表す数または記号」と定義しました。
Oxford Learner’s Dictionaries は「文字や記号によって表される量」とし、「y の値を33とする」という例文を添えています。
Wiktionary は数学と物理の札で、「測定・計算・その他の定義によって定まる、任意の明確な数量」としました。
Cambridge Dictionary は二つの語義を立てています。
一つは値踏みするほうで、レベルは C2、例文は「彼はその絵を2000ドルと評価した」という value something at の形。
もう一つは大切に思うほうで、レベルは B2、例文は「私はずっと彼女の助言を大切にしてきた」です。
Wiktionary は後者をさらに「高く評価する」と「大切にする、慈しむ」に分けました。
Cambridge Dictionary はイギリス英語もアメリカ英語も ˈvæl.juː と示しています。
Wiktionary は容認発音を /ˈvæl.juː/、アメリカ英語とカナダ英語を /ˈvæl.ju/ としました。
オーストラリア英語は /ˈvæl.jʉː/、ニュージーランド英語は /ˈvɛl.jʉː/ です。
同じ欄に、valuable は /ˈvæljəbəl/ になるという注記も付いています。
バリューのまとめ
バリューとは、お金に換えたときの額であり、誰かにとっての重要さであり、どれだけ役に立つかという有用さでもある言葉。
語源は古フランス語の動詞 valoir「価値がある」の女性形過去分詞で、さらにラテン語の valere、印欧祖語の *h₂welh₁-「強くある」までさかのぼりました。
Cambridge Dictionary が最初に置く語義は「あるものと引き換えに受け取れるお金の額」。
英語で使うときに押さえておきたいのは、割安を言うなら good value や value for money という組み合わせにすること、価値観を言うなら複数形の values にすることの二つです。
値上がり・値下がりは go up in value と fall in value の形で、前置詞は in。
動詞の value には、いくらと値踏みする C2 の語義と、大切に思う B2 の語義があります。
数学の値、色の明暗、音符の長さという分野別の語義も、辞書はきちんと立てていました。
一語の日本語に押し込めず、お金・有用さ・信条・数値のどれを言いたいのかで形を選ぶのが、この語の扱い方。
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日本語と英語でずれるビジネス用語を、同じ英英辞典で確かめられます

語源・発音記号・例文つき
バリューの参考文献
value の定義・語法・発音・語源は以下の英英辞典と辞書で確認しました。
- Cambridge Dictionary|value(Cambridge University Press 公式辞書)
- Oxford Learner’s Dictionaries|value(Oxford University Press 公式辞書)
- Wiktionary|value(Wiktionary 英語版)
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