
ガイダンスとは、物事のやり方や、仕事・教育・人間関係にまつわる問題への向き合い方について与えられる手助けと助言のことで、英英辞典はこれに加えてミサイルやロケットの進む向きを制御する「誘導」という語義も立てています。
英語の guidance をそのままカタカナにした語で、Wiktionary によれば名詞の guide に -ance が付いてできた16世紀の語。
この記事では、ガイダンスの意味を英英辞典の語義から「助言」「誘導」「業績の見通し」の三方向に切り分け、advice・counsel との関係、数えない名詞としての扱い、一緒に使う動詞・前置詞・形容詞、そして辞書が示す発音までを整理します。
根拠にしたのは Cambridge Dictionary・Oxford Learner’s Dictionaries・Wiktionary の記述だけです。
ガイダンスとは何か(結論)
ガイダンスとは、物事のやり方や問題への対処について、人から与えられる手助けと助言を指す言葉です。
Cambridge Dictionary は guidance を不可算名詞 [ U ] とし、B2 のレベルを付けました。
定義は「help and advice about how to do something or about how to deal with problems connected with your work, education, or personal relationships(物事のやり方や、仕事・教育・人間関係にまつわる問題への対処についての手助けと助言)」。
同辞典の例文は「こうした事柄では、私はいつも父にガイダンスを求めてきた」と careers guidance(職業についての助言)の二つです。
そのうえで同辞典は、二つ目の語義として「ミサイルやロケットの飛行の向きを定める過程」を立てています。
日本語訳の欄の冒頭には、案内・指導・ガイダンスが並んでいます。
ガイダンスの語義は辞書ごとに幅がある
Oxford Learner’s Dictionaries の定義は「help or advice that is given to somebody, especially by somebody older or with more experience(人に与えられる手助けや助言、とくに年上の人や経験のある人からのもの)」。
Cambridge Dictionary の American Dictionary の項は、仕事・教育・人間関係という限定を外し、「物事のやり方や問題への対処についての手助けと助言」とだけ書いています。
Business English の項は語義を二つに分け、一つ目は同じ「手助けと助言」、二つ目は FINANCE(金融)の札の付いた別の語義です。
Wiktionary は三つの語義を立てました。
「導く行為または過程」「ある話題についての助言やカウンセリング」「乗り物やミサイルなどの進路を制御するあらゆる過程や仕組み」の三つ。
同じ guidance でも、どの辞書のどの項を見るかで、示される語義の数と範囲が変わります。
ガイダンスの語源は guide+-ance
Wiktionary の語源欄は、guidance を16世紀の語とし、名詞の guide に -ance が付いてできたと記しています。
同じ欄には、この語が古英語の lādtēowdōm に取って代わったという記述もあります。
翻訳欄でも、古英語の対応語として lādtēowdōm と wīsung の二語が挙がっていました。
古い綴りとして載るのは guidaunce で、obsolete(廃れた)の札付き。
分綴は guid‧ance で、guide の語末の e が落ちた guid に ance が続く形です。
なお Cambridge Dictionary と Oxford Learner’s Dictionaries の項には、語源の記述は見当たりません。
ガイダンスの「助言」の語義
Oxford Learner’s Dictionaries の第一の語義は、guidance (on something) という形で示されています。
例として挙がるのは「授業でビデオをどう使うかについての、教師向けのガイダンス」という句です。
under the guidance of somebody(誰それのガイダンスのもとで)という形の例文は「活動はすべて、経験のある指導員のガイダンスのもとで行われる」。
「そのヘルプラインは、ガイダンスと支えを必要とする若者のために設けられた」という例文もあります。
同辞典はこの語義を Suggestions and advice(提案と助言)のトピックに分類し、see also として marriage guidance を添えました。
誰かが誰かに道筋を示す、という関係がどの例文にも見えるでしょう。
ガイダンスは年上や経験者から与えられる
Oxford Learner’s Dictionaries は定義に「especially by somebody older or with more experience(とくに年上の人や経験のある人から)」と書き添えています。
Cambridge Dictionary の例文にも「彼女はよく両親にガイダンスを求めた」「指導教員の役割は、学生にガイダンスを与えることだ」が並びました。
「先生のガイダンスのもとで、彼女は熟達したピアニストに育った」という例文もあります。
同辞典の類義語欄の例文は「若い人たちは、親や教師が与えるガイダンスをいつもありがたく思うとは限らない」です。
親・教師・指導員と、例文で与える側に立つのは多くが経験のある人です。
経験のある人から学ぶ関係について読むなら、メンターの意味と語源もあわせてどうぞ。↓

ガイダンスはミサイルやロケットの誘導も指す
Cambridge Dictionary の二つ目の語義は「the process of directing the flight of a missile or rocket(ミサイルやロケットの飛行の向きを定める過程)」です。
Oxford Learner’s Dictionaries も二つ目の語義に「電子機器を使ってロケットなどの進む向きを制御する過程」を立てました。
両辞典が同じ例として挙げるのが a missile guidance system(ミサイルの誘導システム)。
Wiktionary はこの語義を「乗り物やミサイルなどの進路を制御するあらゆる過程や仕組み」と広く取り、同義語に direction と navigation を置いています。
Cambridge Dictionary の English Corpus には「新しい仕組みで、進路のガイダンスと動力の補助の両方を簡単に実現できる」という例文もあります。
人に向ければ助言、機械に向ければ誘導、という二つの顔を持つ語です。
ガイダンスは金融では業績の見通しを指す
Cambridge Dictionary の Business English の項は、二つ目の語義に FINANCE(金融)の札を付けています。
定義は「written information that a company gives about its probable financial results for a particular period, before the period has ended(企業がある期間について、その期間が終わる前に出す、見込みの財務結果についての文書の情報)」。
組み合わせとして示されるのは、to provide / give / issue guidance(ガイダンスを出す)と quarterly / full-year guidance(四半期・通期のガイダンス)です。
例文は「四半期の業績のガイダンスを出さない企業は、ほんのわずかしかない」。
助言の語義とは違い、ここでの guidance は企業が自分の数字について出す文書の情報を指しています。
決算や投資の英文で guidance を見かけたら、まずこの語義を当てはめてみるとよいでしょう。
ガイダンスと advice・counsel の違い
Cambridge Dictionary の類義語欄は、advice(助言)の仲間として advice・help・a piece of advice・counsel・guidance・counselling(イギリス英語)を並べています。
counsel の例文は「彼の賢明な助言がなくなるのは寂しい」、counselling の例文は「虐待の被害者には、たいてい専門家のカウンセリングが必要だ」。
Wiktionary も、助言の語義の同義語として advice・counsel・orientation を挙げました。
guidance の定義で目を引くのは、「how to do something(物事のやり方)」と「年上や経験のある人から」が入っている点です。
助言を表す英語は一語ではありません。
人とのやりとりで使う語をもう一つ見るなら、フィードバックの意味と語源も役に立つでしょう。↓

ガイダンスの英語 guidance の発音は /ˈɡaɪ.dəns/
Cambridge Dictionary は、イギリス英語とアメリカ英語のどちらも /ˈɡaɪ.dəns/ と示しています。
同辞典の American Dictionary の項の表記は /ˈɡɑɪ·dəns/ です。
Oxford Learner’s Dictionaries の表記は /ˈɡaɪdns/ で、イギリス英語とアメリカ英語で同じ形。
Wiktionary は IPA を /ˈɡaɪ̯d.(ə̯)n̩s/ とし、別の発音表記として gīd′(ə)ns も載せました。
強勢は、どの辞書でも第一音節の /ˈɡaɪ/ にあります。
「ガイ」を強く、「ダンス」は軽く添える形になるでしょう。
ガイダンスの発音で気をつける点
第二音節の母音は、辞書によって扱いが違います。
Cambridge Dictionary は /ə/ を入れた形、Oxford Learner’s Dictionaries は母音記号を置かない /ˈɡaɪdns/ の形。
Wiktionary は母音をかっこに入れた (ə̯) の形で示しています。
同辞典はさらに地域ごとの形も載せ、オーストラリア英語とニュージーランド英語は /ˈɡɑe̯d.(ə̯)n̩s/、スコットランド英語は /ˈɡʌi̯d.(ə̯)n̩s/ と /ˈɡəi̯d-/ です。
容認発音には /ˈɡʌɪ̯d.(ə̯)n̩s/ という別の形も記されています。
韻は -aɪdəns。
ガイダンスは数えない名詞として載る
Cambridge Dictionary は、英英・American Dictionary・Business English の三つの項すべてで guidance に [ U ] の札を付けています。
Oxford Learner’s Dictionaries の札も [uncountable](不可算)です。
一方で、Cambridge Dictionary が議会の議事録(Hansard)のアーカイブから採った例文には、複数形の guidances が出てきます。
「特定の条件ではグリーンベルトに建ててよいと書いた計画のガイダンスがある」「新しい計画政策のガイダンスは出されていない」「そのガイダンスは、産業に重い費用を課している」がその例です。
どれも、当局が出した文書を一つ一つ数える文脈。
| 項目 | 辞書の記述 |
|---|---|
| 品詞 | 名詞(Cambridge は [ U ]、Oxford は uncountable) |
| レベル | B2(Cambridge)/Oxford 5000 の B2(Oxford) |
| 札 | OPAL W(Oxford)/FINANCE(Business English の二つ目の語義) |
| 古い綴り | guidaunce(Wiktionary では obsolete) |
| 同義語 | advice・counsel・orientation・direction・navigation(Wiktionary) |
| 関連語 | guide・guidance counselor・marriage guidance・parental guidance |
ガイダンスと一緒に使う動詞と前置詞
Cambridge Dictionary の Business English の項は、give / offer / provide guidance (to sb)(人にガイダンスを与える)の形を示し、例文を「そのウェブサイトは、雇用主に向けて雇用法についてのガイダンスを出している」としています。
guidance on sth(何かについてのガイダンス)の例文は「第一章は、今いる人員をいちばんうまく生かす方法についてのガイダンスを与えている」。
Oxford Learner’s Dictionaries のコロケーション欄にも、動詞は give・offer・provide (somebody with)、前置詞は under the guidance of と guidance about が並びました。
「この件は弁護士にガイダンスを求めるべきだと思う」という例文では、seek guidance from(〜にガイダンスを求める)の形が使われています。
Cambridge Dictionary の例文にある look to my father for guidance(父にガイダンスを求める)も、同じ向きの言い方です。
与える側は give・offer・provide、受ける側は seek・look to と覚えておくと整理しやすいでしょう。
ガイダンスと組む形容詞のパターン
Oxford Learner’s Dictionaries のコロケーション欄が挙げる形容詞は clear(はっきりした)・detailed(詳しい)・proper(適切な)です。
同辞典の例文には firm guidance(しっかりしたガイダンス)・helpful guidance(役に立つガイダンス)・general guidance(一般的なガイダンス)・expert guidance(専門家のガイダンス)・divine guidance(神の導き)も出てきます。
Cambridge Dictionary がよく組む語として示すのは additional・adequate・authoritative の三つ。
authoritative guidance の形は、Wiktionary が引く引用文にも出てきました。
practical guidance(実用的なガイダンス)の例文は「その小冊子は、事業の立ち上げ方について実用的なガイダンスを示している」です。
どの形容詞も、ガイダンスの量や質、出どころを絞り込む働きをしています。
ガイダンスを使った複合語と派生語
Cambridge Dictionary の American Dictionary の項は、guidance counselor を「生徒に手助けと助言を与えるために雇われている人」と説明しています。
例文は「その学区は、生徒と向き合うガイダンス・カウンセラーをもう一人必要としている」。
同辞典には careers guidance と marriage guidance も載り、Oxford Learner’s Dictionaries の関連項目には parental guidance と parental guidance under 13 が並びます。
Wiktionary の派生語欄が挙げるのは autoguidance・chemoguidance・command guidance・e-guidance・inertial guidance・misguidance・multiguidance・postguidance・preguidance・space guidance・teleguidance です。
ガイダンスの実例(Cambridge English Corpus)
Cambridge Dictionary は English Corpus から採った例文も並べています。
「特定の方法論がどこまで当てはまるかについては、ガイダンスがほとんどない」はその一つ。
「政府には、専門的な事柄について専門家にガイダンスを求める傾向がよく見られる」という例文もあります。
研究を扱う例文には「公表された研究は、今後の調査をどう進めるかについてガイダンスを与えてくれる」「これらのデータは遺伝子スクリーニングのあいだのガイダンスになる」の二つが並びました。
Wiktionary が引く人間関係における社会正義を扱った本の一節には「権威あるガイダンスがもたらす規律を必要としている」とあります。
ガイダンスで間違いやすい点
一つ目は、助言の意味しかないと思うこと。
英英辞典は、ミサイルやロケットの誘導の語義も立てています。
二つ目は、金融の英文での意味です。
Cambridge Dictionary の Business English の項では、企業が期間の終わる前に出す業績の見込みを guidance と呼んでいます。
三つ目は数え方で、Cambridge と Oxford はどちらも不可算の札を付けました。
複数形の guidances は議事録の例文に出てきますが、辞書の札は不可算のままです。
ガイダンスについてよくある質問
名詞の guide に -ance が付いてできた語です。
Wiktionary の語源欄は、guidance を16世紀の語とし、guide+-ance と記しています。
同じ欄には、古英語の lādtēowdōm に取って代わった語だという記述もあります。
古い綴りとしては guidaunce が載り、obsolete(廃れた)の札が付いています。
Cambridge Dictionary の類義語欄では、guidance は advice の仲間として並んでいます。
Wiktionary も、guidance の助言の語義の同義語に advice・counsel・orientation を挙げています。
guidance の性格は、定義に入っている要素から読み取れます。
Oxford Learner’s Dictionaries は guidance の定義に「とくに年上の人や経験のある人から」と添え、Cambridge Dictionary は「物事のやり方」についての手助けと助言と定義しています。
Cambridge Dictionary は三つの項すべてで [ U ](不可算)の札を付けています。
Oxford Learner’s Dictionaries の札も uncountable です。
ただし Cambridge Dictionary が議会の議事録(Hansard)のアーカイブから採った例文には、複数形の guidances が出てきます。
どれも当局が出した文書を数える文脈です。
企業が出す業績の見込みについての情報を指します。
Cambridge Dictionary の Business English の項は FINANCE の札を付け、「企業がある期間について、その期間が終わる前に出す、見込みの財務結果についての文書の情報」と定義しています。
組み合わせとして quarterly guidance(四半期のガイダンス)と full-year guidance(通期のガイダンス)が挙がっています。
動詞は provide・give・issue を使います。
ガイダンスのまとめ
ガイダンスとは、物事のやり方や問題への対処についての手助けと助言であり、英英辞典はミサイルやロケットの誘導、そして企業が出す業績の見込みという語義も立てています。
語源は名詞の guide に -ance が付いた形で、Wiktionary はこれを16世紀の語としています。
芯にあるのは「導くこと」。
英語で使うときに押さえておきたいのは、強勢が第一音節 /ˈɡaɪ/ にあること、辞書の札は不可算であること、そして give・offer・provide や seek・under the guidance of といった決まった組み合わせの三つです。
読むときは文脈に気をつけ、技術の文書なら誘導、決算の文書なら業績の見込みの意味を当てはめましょう。
\3分で読める/
日本語と英語でずれるビジネス用語を、同じ英英辞典で確かめられます
語源・発音記号・例文つき
ガイダンスの参考文献
guidance の定義・語法・発音・語源は以下の英英辞典と辞書で確認しました。
- Cambridge Dictionary|guidance(Cambridge University Press 公式辞書)
- Oxford Learner’s Dictionaries|guidance(名詞)(Oxford University Press 公式辞書)
- Wiktionary|guidance(Wiktionary 英語版)
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