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クライアントとは?意味と語源はラテン語 cliens|customer との違いと英語 client の発音

クライアントとは?意味と語源はラテン語 cliens|customer との違いと英語 client の発音

クライアントとは、専門家や組織からサービスや助言を受ける人という意味であり、英英辞典はこれに加えて「サーバーにつながって情報を受け取るコンピューター」という語義も立てています。

英語の client をそのままカタカナにした語で、語源はラテン語の cliens。

この記事では、クライアントの意味を英英辞典の語義から仕事・お店・法律・コンピューター・古代ローマ・国際関係の六方向に切り分け、cliens からたどる語源、customer・buyer・patron との関係、server との対の関係、そして辞書が示す発音と強勢の位置までを整理します。

根拠にしたのは Cambridge Dictionary・Oxford Learner’s Dictionaries・Wiktionary の記述だけです。

目次

クライアントとは何か(結論)

クライアントとは、①専門家や組織からサービスや助言を受ける人、②サーバーにつながって情報を受け取るコンピューター、この二つを芯にする言葉です。

Cambridge Dictionary は client を可算名詞 [ C ] とし、CUSTOMER(客)と COMPUTER(コンピューター)の二つの見出しに分けて語義を立てました。

一つ目の定義は「a customer or someone who receives services(客、またはサービスを受ける人)」で、B2 の札が付いています。

例文は「ブラック氏は長年この会社のクライアントだ」と「私たちはいつもクライアント一人ひとりに目を配ることを目指している」の二つ。

Wiktionary は日本語のクライアントを、この語からの借用語として挙げています。

クライアントの語義は辞書ごとに幅がある

Oxford Learner’s Dictionaries の第一の語義は「専門職の人や組織のサービスや助言を利用する人」。

例文は「彼女は有名なクライアントを多く抱える名の知れた弁護士だ」です。

Cambridge Dictionary の American Dictionary の項は「サービスを受ける人、とくに弁護士や助言をする人から受ける人」と定義しました。

Wiktionary はさらに広く、客・コンピューター・専門家の依頼人・法律・古代ローマ・国際関係の六つの語義を並べています。

辞書によって語義の数は違いますが、「誰かからサービスを受ける側」という向きはどれにも共通しているでしょう。

クライアントは専門家のサービスを受ける人

Cambridge Dictionary の Business English の項は、COMMERCE(商取引)の札で「組織から専門的なサービスを受ける人」と定義しています。

例文は「当社はクライアントに幅広いサービスを提供しています」。

Oxford Learner’s Dictionaries の例文も、専門職との関係を描くものが中心です。

「クライアントに代わって動くのが私たちの仕事だ」「問題を解く最善の方法をクライアントに助言する」「ソーシャルワーカーは常にクライアントの最善の利益を考えなければならない」と続きます。

弁護士・セラピスト・ソーシャルワーカー・建築家のように、助言や専門の技を渡す側の相手として現れる語です。

クライアントはお店やレストランの客も指す

Cambridge Dictionary の Business English の項には、二つ目の COMMERCE の語義もあります。

定義は「店やレストランなどで商品やサービスを買う客」です。

例文は「そのレストランの昼どきのクライアントは、ほとんどがビジネスパーソンだ」。

Wiktionary の第一の語義も「客、商品やサービスを買う人、または受け取る人」となっています。

英語の client は、専門家の依頼人だけを指す語ではありません。

クライアントの語源はラテン語 cliens

Oxford Learner’s Dictionaries の語源欄は、この語を late Middle English(後期中英語)のものとしています。

説明は「ラテン語 cliens(語幹 client-)から、これは cluens『耳を傾けている』の変形で、cluere『聞く、従う』から来ている」です。

Wiktionary の語源欄は、中英語 client から、アングロ・ノルマン語 clyent と古フランス語 client を経て、ラテン語 cliēns にさかのぼるとしています。

同辞典は cliēns を、ラテン語 clinare「傾く」と同族の語と記しました。

二つの辞典で、ラテン語のどの語と結びつけるかが違う点に注意が必要でしょう。

クライアントの語源が示す守られる人という向き

Oxford Learner’s Dictionaries の語源欄によれば、この語のもとの意味は「別の人の保護と後ろ盾の下にある人」です。

そこから「法律の助言者に守られる人」という意味が生まれた、というのが同辞典の説明です。

Wiktionary は語根として、印欧祖語の *ḱlew- と、「傾く」の意の *ḱley- を挙げました。

Wiktionary が載せる古代ローマの語義も、この「後ろ盾の下にいる人」という向きにつながります。

クライアントの芯は、守り手や助け手に身を預ける側なのです。

クライアントは古代ローマの従属民も指す

Wiktionary は、historical(歴史)の札を付けた語義を立てています。

定義は「古代ローマで、ある氏族(gens)に結びついた従者や付き従う人々」です。

引用は人名についての書物の序文から採られた一節。

「氏族名(nomen)は、その氏族の全員と、そこに結びつく全員のもので、女性・クライアント・解放奴隷も含まれる」という使い方です。

Oxford Learner’s Dictionaries が語源欄に書く「保護と後ろ盾の下にある人」とも重なる語義でしょう。

クライアントは法律では弁護士の依頼人

Wiktionary は legal(法律)の札で、さらに細かい語義を立てています。

定義は「何かの法律問題で代理をさせるために弁護士を雇う人、または専門の助けを求める中で弁護士に秘密を打ち明けただけで、その後は依頼しない人」。

実際に弁護士を雇わなくても、相談して秘密を明かした段階でクライアントに入る、という書き方です。

Cambridge Dictionary の例文にも、法廷の場面が並んでいます。

「弁護人は、自分のクライアントは無罪だと説得力をもって論じた」と「被告側の弁護士は、クライアントへの起訴を取り下げるよう求めた」の二つです。

英語では、法律の場面で「依頼人」として使う例が辞書に多く並びます。

仕事を外に頼む側の言葉としては、アウトソーシングの意味と語源も合わせて読んでおくと整理しやすいでしょう。↓

クライアントはコンピューターの用語でもある

Cambridge Dictionary の COMPUTER の語義は「サーバー(=大きな中央のコンピューター)につながり、そこから情報を受け取るコンピューター」です。

Oxford Learner’s Dictionaries も ( computing ) の札で「サーバーにつながれたコンピューター」と定義し、c2 の札を付けました。

Business English の項は IT の札で、範囲をソフトウェアや機器にまで広げています。

定義は「サーバーにつながり、そこから情報を受け取るコンピューター、またはソフトウェアや機器」。

例文は「このアドレスをメールクライアントに入力してください」で、email client・Windows client・web client の形が示されています。

クライアントとサーバーは対になる語

Wiktionary の computing の語義は「サーバーの役割を持つ別のアプリケーションやシステムが提供するサービスを、求めたり使ったりする役割」です。

同辞典はこの語義の対義語として server を挙げ、See also の欄にも server を置きました。

人の語義でも、コンピューターの語義でも、クライアントは「受ける側」。

渡す側にあたるのが、コンピューターの世界ではサーバーです。

Oxford Learner’s Dictionaries の関連の見出しには、client-server(形容詞)と client-side(形容詞)が並んでいます。

クライアントの種類を表す英単語

Wiktionary は computing の語義の下位語として、多くの種類を挙げています。

fat client・heavy client・hybrid client・lean client・rich client・RTE client・slim client・thick client・thin client・ultra-thin client・Web client・zero client・zombie client です。

Cambridge Dictionary の More meanings 欄にも thin client と mail client が並んでいます。

同辞典の Computer hardware の関連語の一覧には multi-client も入りました。

前に置く語で、どんな種類のクライアントかを言い分ける形です。

クライアントは国際関係で従属国も指す

Wiktionary は international relations(国際関係)の札で、client state の省略としての client を立てています。

引用の一つは1989年の書物『Limits of Soviet Power』からの一節で、「三つ目の前置きは、クライアントと超大国の関係をはっきり扱う」という使い方です。

もう一つは英紙 The Guardian の論説からの引用。

そこではロシアを「中国のクライアント」と呼ぶ文が載っています。

Cambridge Dictionary と Oxford Learner’s Dictionaries も、client state を別の見出し語として挙げました。

項目辞書の記述
品詞名詞(可算 [ C ])
レベルB2(Cambridge)/Oxford 5000 B2/Business b1・Computers c2(Oxford)
札CUSTOMER・COMPUTER(Cambridge)/COMMERCE・IT(Business English)/computing(Oxford)
Wiktionary の語義の札computing・legal・historical・international relations
同義語buyer・customer・patron・purchaser(Wiktionary)
対になる語server(Wiktionary)
関連語clientele・climate・cline(Wiktionary)

クライアントと customer・buyer・patron の関係

Wiktionary は客の語義の同義語として、buyer・customer・patron・purchaser の四つを挙げています。

Cambridge Dictionary の定義そのものも「a customer or someone who receives services」で、customer を使って client を説明しました。

同辞典は client を People who buy things(物を買う人々)のトピックに入れています。

一方で Oxford Learner’s Dictionaries の第一の語義は、専門職の人や組織のサービスや助言を利用する人。

辞書の定義をたどる限り、client は customer と重なりながら、専門家から助言やサービスを受ける場面に寄った語だと読めます。

クライアントの集まりを表す clientele

Wiktionary は客の語義の全体語(Holonyms)として clientele を挙げています。

一人ひとりのクライアントが集まった全体を指す語、という位置づけです。

同辞典はまた、関連語として clientele・climate・cline の三つを並べました。

Oxford Learner’s Dictionaries の近くの語の欄にも clientele(名詞)が出てきます。

語の顔ぶれから、client が一つの語族の中にあることが見えてくるでしょう。

クライアントは、取引の相手を立場で呼び分ける英語の一つです。

関わる相手をひとまとめに言う語としてはステークホルダーの意味と語源があります。↓

クライアントの英語 client の発音は /ˈklaɪ.ənt/

Cambridge Dictionary はイギリス英語もアメリカ英語も /ˈklaɪ.ənt/ と示しています。

Oxford Learner’s Dictionaries の表記は /ˈklaɪənt/ で、こちらも英米で同じです。

Wiktionary は /ˈklaɪ.ənt/ と表記し、分綴を cli-ent としました。

強勢は第一音節 /ˈklaɪ/ にあります。

「クライ」を強く、「アント」を軽く添える形です。

クライアントの発音で気をつける点

American Dictionary の項は、アメリカ英語を /ˈklɑɪ·ənt/ と表記しています。

Business English の項の表記は /klaɪənt/ でした。

辞書の表記では、母音の核は /aɪ/ と /ə/ の二つ。

/ˈklaɪ/ のあとに弱い /ənt/ が続くだけです。

Wiktionary は韻を -aɪənt としています。

語尾の「ト」を強く出さず、/ə/ を弱く短く読むのが辞書の音に近い読み方になります。

クライアントと一緒に使う英単語

Cambridge Dictionary の Business English の項は、組み合わせの型をまとめて示しています。

a client of sb/sth(〜のクライアント)・a corporate/private/individual client(法人・個人のクライアント)・a valued / important / major client(大切な・大口のクライアント)。

さらに a new/ prospective / potential client(新しい・見込みのクライアント)、help / advise / represent a client(クライアントを助ける・助言する・代理する)、client care/service/satisfaction(クライアントへの対応・サービス・満足)が続きます。

Oxford Learner’s Dictionaries の Collocations 欄は、形容詞に big・important・large、動詞に advise・assist・help を挙げました。

前置詞では on behalf of client の形が示されています。

クライアントを含む決まった表現

Wiktionary は client を含む表現をまとめて並べています。

attorney-client privilege・client base・client king・client service・client state・collaborative client・email client・hip-pocket client・client account・solicitor-client privilege です。

Cambridge Dictionary の More meanings 欄には client base・mail client・thin client・client account・client-server・client state・multi-client が並びました。

同辞典がよく組む語として挙げるのは client confidentiality・client satisfaction・corporate client の三つ。

複合語には client-only・client-server・client-side・clientworthy もあります。

クライアントの実例(Cambridge English Corpus)

Cambridge Dictionary は Cambridge English Corpus から採った例文も並べています。

「その建物は、建築家とクライアントのあいだの創造的なやりとりを物語っている」はその一つ。

「どの建築家とも同じく、彼の作品はクライアントと状況に大きく左右された」という例文もあります。

「喜んだクライアントは支払いが早く、また仕事を持ってきてくれる」という、商売の現場を描いた文も載っています。

同辞典はまた、作業療法士や理学療法士が高齢の患者やクライアントに安全に過ごす方法を教える、という例文も挙げました。

クライアントで間違いやすい点

一つ目は、発注元の会社だけを指すと思うこと。

辞書の語義は、弁護士の依頼人・セラピストの相談者・店やレストランの客まで広がっています。

二つ目は、コンピューターの語義を落とすことです。

Cambridge Dictionary・Oxford Learner’s Dictionaries・Wiktionary の三つとも、サーバーとの関係で使う語義を立てています。

三つ目は、強勢の位置。

強勢は /ˈklaɪ/ にあり、語尾の「アント」を強めると辞書の音から離れます。

クライアントについてよくある質問

Q. クライアントの語源は何ですか

ラテン語の cliens です。

Oxford Learner’s Dictionaries の語源欄は後期中英語の語とし、「ラテン語 cliens(語幹 client-)から、cluens『耳を傾けている』の変形で、cluere『聞く、従う』から」と記しています。

Wiktionary は、中英語 client・アングロ・ノルマン語 clyent・古フランス語 client を経てラテン語 cliēns にさかのぼるとし、ラテン語 clinare「傾く」と同族としています。

Oxford Learner’s Dictionaries によれば、この語はもとは別の人の保護と後ろ盾の下にある人を指していました。

Q. クライアントと customer はどう違いますか

辞書は customer を client の同義語として挙げています。

Wiktionary は客の語義の同義語に buyer・customer・patron・purchaser を並べています。

Cambridge Dictionary の定義も「a customer or someone who receives services」です。

一方で Oxford Learner’s Dictionaries の第一の語義は「専門職の人や組織のサービスや助言を利用する人」で、client は専門家から受ける場面に寄った語として定義されています。

Q. クライアントはコンピューターでは何を指しますか

サーバーにつながり、そこから情報を受け取るコンピューターです。

Cambridge Dictionary はこの語義を COMPUTER の見出しで立てています。

Business English の項は、コンピューターだけでなくソフトウェアや機器もこの語義に含めています。

Wiktionary はこの語義の対義語として server を挙げています。

Q. client の複数形や数え方はどうなりますか

Cambridge Dictionary は client を可算名詞 [ C ] としています。

そのため a client・clients のように数えて使います。

辞書の例文にも many famous clients・corporate clients・new clients のように複数形が多く出てきます。

クライアントのまとめ

クライアントとは、専門家や組織からサービスや助言を受ける人という意味であり、店やレストランの客、弁護士の依頼人、サーバーにつながるコンピューターという意味でもあります。

語源はラテン語 cliens で、Oxford Learner’s Dictionaries はもとの意味を「別の人の保護と後ろ盾の下にある人」としています。

芯にあるのは「誰かからサービスを受ける側」という向き。

英語で使うときに押さえておきたいのは、強勢が第一音節 /ˈklaɪ/ にあること、可算名詞で数えて使うこと、そしてコンピューターでは server と対になることの三つです。

読むときに気をつけたいのは場面で、法律の文書なら依頼人、IT の文書ならサーバーにつながる側を言っています。

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日本語と英語でずれるビジネス用語を、同じ英英辞典で確かめられます

語源・発音記号・例文つき

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クライアントの参考文献

client の定義・語法・発音・語源は以下の英英辞典と辞書で確認しました。

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ヒアリングとは?意味と語源も同じ英英辞典で調べています。↓

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