
ミッションとは、人が送り出されて行う重要な公式の仕事であり、自分の務めだと信じて取り組む仕事でもあり、英英辞典はさらにその仕事のために送られた人の集まりまでを同じ語で立てています。
英語の mission をそのままカタカナにした語で、語源はラテン語の missio、その元は mittere「送る」。
この記事では、ミッションの意味を英英辞典の語義から切り分け、「送る」という語源、軍事や宇宙飛行で使うときの語義、会社が掲げる「ミッション」に当たる語義、使命と任務という二つの訳の違い、task や job との違い、そして辞書が示す発音までを整理します。
根拠にしたのは Cambridge Dictionary・Oxford Learner’s Dictionaries・Wiktionary の記述だけです。
ミッションとは何か(結論)
ミッションとは、①人が派遣されて行う重要な公式の仕事、②自分の務めだと信じて取り組む仕事、③そうした仕事のために送られた人の集まりやその拠点、この三つを芯に持つ言葉です。
英語の mission をカタカナにした語で、Cambridge Dictionary は日本語訳として「使命」と「任務」を挙げています。
同辞典の見出しの第一の語義は「重要な仕事で、とくに軍事のもの、誰かがどこかへ送られて行う仕事」。
この語義には C2 のレベルと可算名詞 [ C ] の札が付きました。
例文は「あなたのミッションは、川に架かる橋をすべて壊して敵を孤立させることだ」と、a peace / rescue / fact-finding mission(平和の・救助の・事実調査のミッション)です。
ミッションの語義は辞書ごとに数が違う
Cambridge Dictionary の見出しは、語義を ( JOB )(仕事)と ( PEOPLE )(人々)の二つに分け、JOB の下に二つの語義を立てています。
Oxford Learner’s Dictionaries は「公式の仕事・集団」「キリスト教を教えること」「務め」「軍隊」「宇宙飛行」「task」の見出しの下に、名詞の語義を八つ並べました。
Wiktionary は名詞の語義を十一、動詞の語義を三つ数えています。
同じ一語でも、辞書が細かく分けるか、まとめるかで数はここまで変わるもの。
どの辞書でも、中心にあるのは数えられる可算名詞としての語義です。
| 項目 | 辞書の記述 |
|---|---|
| 品詞 | 名詞(おもに可算 [ C ])/動詞(Wiktionary) |
| 数えない用法 | キリスト教を教える仕事の語義だけ uncountable, countable(Oxford) |
| レベル | C2=派遣される仕事・B2=務めと信じる仕事(Cambridge) |
| トピックの表示 | Space c1・Religion and festivals c2(Oxford) |
| 発音 | /ˈmɪʃ.ən/(Cambridge・Wiktionary)//ˈmɪʃn/(Oxford) |
| 日本語訳 | 使命・任務(Cambridge) |
| 同義語 | vocation(Oxford の「務め」の語義) |
| 関連語 | missionary・message・messenger・missile・missive(Wiktionary) |
ミッションの語源はラテン語 missio と mittere
Oxford Learner’s Dictionaries の語源欄は、この語を16世紀半ばのものとしています。
説明は「ラテン語 missio(n-) から、それは mittere『送る』から来ている」。
同じ欄には、はじめは「聖霊を世に遣わすこと」を表していたという注記も添えられています。
Wiktionary もこの語を、ラテン語 missiō からの学術的な借用としました。
同辞典が示す missiō の意味は「送ること、送り出すこと、派遣すること、解き放つこと、解放、免除、停止」と幅の広いもの。
さらに語根として、印欧祖語の *mey-(変化)を挙げています。
ミッションの語源にある「送る」という芯
英語の mission は、もとをたどれば「送ること」そのものを表すラテン語の名詞にたどり着きます。
Cambridge Dictionary の American Dictionary の項の定義も、「人を送る行為」「送られた人の集まり」と、どちらも send(送る)の語を使った説明。
Wiktionary には、廃れた語義として「解任、勤めからの解放」も残っています。
ラテン語 missiō の意味の一覧にある「解放」と重なる語義です。
Wiktionary が関連語として挙げる語には、message・messenger・missile・missive・missionary が並びました。
同じ一覧には admit と admission、commit と commission、emit と emission、permit、submit、transmit のように、-mit と -mission が組になった語も入っています。
ミッションの「派遣されて行う公式の仕事」の語義
Oxford Learner’s Dictionaries の第一の語義は「人や集団に与えられる重要な公式の仕事で、とくに外国へ送られるときのもの」です。
例文は「彼女は最近、中国への貿易ミッションを率いた」と「トマス・モアは王のための外交ミッションでアントワープを巡った」。
「救助のミッションを始めるには遅すぎた」「彼らはその地域で事実調査のミッションを行った」も、同じ語義の例として載っています。
Cambridge Dictionary の American Dictionary の項は、この語義を「ある場所へ人を送り、特定の仕事をさせる行為で、とくに政府や宗教団体のためのもの、またはその人が送られて行う仕事」と定義しました。
例文は「彼らは中東への秘密の政治的ミッションに送られた」です。
送る行為と、送られた先で行う仕事。
その両方を同じ一語で言えるところに、語源の「送る」が見えています。
ミッションは軍隊の任務も指す
Cambridge Dictionary の第一の語義は、とくに軍事の仕事を挙げています。
Oxford Learner’s Dictionaries も「軍隊」の見出しを別に立て、「兵士や兵士の集団などが行う重要な仕事」と定義しました。
例文は「その飛行隊は偵察のミッションに飛んだ」と「軍は重要な平和維持のミッションを果たしている」。
追加例文には「彼は国防総省が承認した秘密のミッションに送られた」「彼はイギリス上空で合計41回のミッションを飛んだ」「隊長は彼らにミッションの中止を命じた」が並びます。
Cambridge Dictionary の例文にも「パイロットたちは毎回のミッションの後で入念に報告を聞き取られた」「彼らは敵の前線の後方で偵察のミッション中に捕虜になった」があります。
41 missions のように回数で数えられるのは、この語義が可算名詞だからです。
ミッションは宇宙飛行も指す
Oxford Learner’s Dictionaries は「宇宙飛行」の見出しで、ミッションを「宇宙への飛行」と定義しています。
例は a US space mission(米国の宇宙ミッション)と「彼はこの10年でスペースシャトルのミッションに何度か参加した」。
追加例文は「金星への宇宙船のミッションの成功」と「宇宙のミッションで行われた実験」です。
同辞典はこの語義を Space(宇宙)のトピックの c1 に分類し、よく組む動詞に go on・make・abort を挙げました。
組む名詞として出ているのは control で、mission control の形になります。
Cambridge Dictionary の例文にも、米国の宇宙飛行士たちの月へのミッションにちなんでアポロと名付けられた兄弟の話が出てきます。
ミッションの「使命」の語義
Cambridge Dictionary の第二の語義は「自分の務めだと信じて行う仕事」で、B2 の札が付いています。
例文は「私の人生のミッションは、裕福な人に貧しい人の苦しみを教えることだ」。
Oxford Learner’s Dictionaries も「務め」の見出しで「自分の務めだと感じる特定の仕事」と定義し、同義語に vocation を挙げました。
例文は「彼女の人生のミッションは、家を持たない人々と働くことだった」と「私たちは、学生が持てる力を存分に発揮できるよう手助けするというミッションに力を注いでいる」です。
in life と組んで「人生のミッション」と言う形が、両方の辞書の例文に出てきます。
ミッションはビジネスでは組織が目指す成果
Cambridge Dictionary の Business English の項は、WORKPLACE(職場)の札で「会社や組織が計画や行動を通して達成しようとしている成果」と定義しています。
挙がっている組み合わせは core mission・main mission・primary mission。
例文は「ホーム・オーナーシップ・グループの主なミッションは、初めて家を買う人のためにローンを手配することだ」です。
「その慈善団体のミッションは、家を持たない人が仕事を見つける手助けをすることだ」は、mission to do sth の形の例。
同じ項は関連項目に mission statement を挙げ、Oxford Learner’s Dictionaries も「務め」の語義と組む名詞に statement を置きました。
Oxford Learner’s Dictionaries の追加例文にも「そのセンターのミッションは、教師と学生に専門的な教育支援を提供することだ」があります。
ミッションと使命・任務の違い
Cambridge Dictionary が mission の日本語訳として示すのは「使命」と「任務」です。
Wiktionary の訳語欄も、日本語に 任務(にんむ)と 使命(しめい)を挙げています。
Business English の項には「誰かが与えられる重要な仕事」という語義もあり、例文は「営業担当者は、営業部長から割り当てられたミッションを果たさなければならない」。
Wiktionary の第一の語義は「目的や務めを果たす一連の仕事、雇い主が、あるいは自分自身が課した割り当て」で、与えられる向きと自分で引き受ける向きを一つの語義に入れました。
例文の assigned は、割り当てる側の動詞 assign の形です。
ミッションを与える場面の言葉もあわせて見たいときは、アサインとはが手がかりになるでしょう。↓

ミッションは人の集まりや拠点も指す
Cambridge Dictionary の ( PEOPLE ) の語義は「自分の国・組織・宗教について知られていることを、別の国や地域で広める仕事をする人の集まり、またはその人たちの拠点」です。
この語義には [ C , + sing/pl verb ] の札があり、単数の動詞でも複数の動詞でも受けられると示されています。
例文は「東ヨーロッパに貿易ミッションを設けるには、さらに資金が要る」。
Oxford Learner’s Dictionaries は「そうした仕事をする人の集まり、またはその人たちが働く場所」と定義し、例文に「彼はベルリンのイギリスのミッションの長だ」を挙げました。
Business English の項の GOVERNMENT の語義は「公式の仕事をするためにどこかへ送られる人の集まり」で、例文は「国連事務総長が派遣したミッションは、双方が合意に違反していることを突き止めた」。
Wiktionary もこの語義を「何かの務めを果たすために任命された人々」とし、delegation と embassy を言い換えに挙げています。
ミッションはキリスト教を教える仕事も指す
Oxford Learner’s Dictionaries の「キリスト教を教えること」の見出しは、「人々にキリスト教を教える仕事で、とくに外国でのもの、またはその仕事をする人の集まり」と定義しています。
この語義だけは [uncountable, countable] の札で、数えない使い方もできる語義です。
例は「ミッションと改宗に対するガンジーの態度」と「アフリカのカトリックのミッション」。
同辞典は続けて「キリスト教のミッションが使う建物、または建物の集まり」という語義も立てました。
Wiktionary の例文は「アメリカ大陸の多くの都市は、スペインのミッションから発展した」です。
同辞典の訳語欄は、この宗教の語義の日本語訳に 弘道・布教・伝道・宣教 を並べています。
ミッションと task・job・chore・duties の違い
Oxford Learner’s Dictionaries は task・job・chore・duties・mission を、誰かがしなければならない一つの仕事を表す語として並べています。
その説明で、mission は「人や集団に与えられる重要な公式の仕事で、とくに外国へ送られるときのもの」。
task は job より難しく、どう進めるかをよく考える必要がある場合がある、と同辞典は書きました。
chore は家の中などで決まって行う、面倒で退屈な仕事です。
duties は、仕事や公式の役目の一部としてしなければならないことを指します。
task は日本語でもカタカナで使われる語なので、タスクとはと並べて読んでみてください。↓

ミッションの英語 mission の発音は /ˈmɪʃ.ən/
Cambridge Dictionary はイギリス英語もアメリカ英語も /ˈmɪʃ.ən/ と示しています。
Oxford Learner’s Dictionaries の表記は、両方とも /ˈmɪʃn/。
Wiktionary も /ˈmɪʃ.ən/ と表記し、綴りの切れ目を mis・sion としました。
強勢は記号 ˈ が付いた第一音節 /ˈmɪʃ/ にあります。
Oxford Learner’s Dictionaries は二つ目の音節の母音 ə を書かず、/n/ だけで示す表記。
Wiktionary が示す韻は -ɪʃən で、音声は一般アメリカ英語のものが添えられています。
ミッションを使った決まり文句
mission accomplished は、Cambridge Dictionary が「言われたことをやり終えたときに言う言葉」と定義する言い回しです。
例文は「ミッション完了、リストにあったものは全部手に入れたよ」。
Oxford Learner’s Dictionaries も慣用句として載せ、「すべきことをやり遂げたときに使う」と説明しています。
mission impossible は「難しい、あるいは不可能な仕事」で、例文は「多くの人がこの仕事をミッション・インポッシブルだと見ている」です。
a man with a mission・a woman with a mission・a sense of mission も、Oxford Learner’s Dictionaries が「務め」の語義と組む形として挙げた言い回し。
Business English の on a mission to do sth は「何かを成し遂げようと強く決意している人を、しばしばおどけて言う」ときの形で、例文は「彼は部署の環境意識を高めようと燃えている」となっています。
ミッションと一緒に使う英単語
Oxford Learner’s Dictionaries は、公式の仕事の語義と組む形容詞に joint・covert・secret、動詞に carry out・conduct・execute を挙げています。
ミッションの後ろに来る動詞は end in failure・fail・be a success で、後ろに来る名詞は objective・accomplishment。
例文には「彼らのミッションは失敗に終わった」「ミッションをやり遂げるまで戻ってくるな」があります。
Business English の項が示す形は trade mission・humanitarian mission・diplomatic mission です。
その例文は「州議会議員たちは、毎年恒例のエネルギーを主題にしたメキシコへの貿易ミッションを率いる準備をしている」。
Wiktionary の派生語には mission creep・mission-critical・mission statement・rescue mission・space mission・suicide mission・side mission が並びました。
ミッションは動詞やくだけた言い方にもなる
Wiktionary は mission を動詞としても立て、三つの語義を挙げています。
他動詞で「ミッションに送り出す」、自動詞で「宣教の仕事をする、布教する」、他動詞で「大きな努力が要る骨の折れる長い仕事を引き受ける」。
Oxford Learner’s Dictionaries には、イギリス英語のくだけた言い方として「とても難しく、やり終えるのに長くかかる仕事や移動」という語義もあります。
例文は「そこへ行くのはひと苦労だ」で、英語では It’s a mission to get there です。
Wiktionary も口語の語義として「試練、難しくてつらい仕事」を立てました。
「ミッション」を大げさな任務ではなく、手間のかかる用事に使う言い方も英語にはあるわけです。
ミッションについてよくある質問
ラテン語の missio で、その元は mittere「送る」です。
Oxford Learner’s Dictionaries の語源欄は16世紀半ばのものとし、はじめは「聖霊を世に遣わすこと」を表していたと記しています。
Wiktionary はラテン語 missiō からの学術的な借用とし、その意味を「送ること、送り出すこと、派遣すること」などと並べています。
派遣される仕事や送られた人の集まりという語義は、この「送る」と重なっています。
両方の意味があります。
Cambridge Dictionary は日本語訳として「使命」と「任務」の両方を挙げています。
英英辞典が、人がどこかへ送られて行う重要な仕事と、自分の務めだと信じて行う仕事の両方を語義として立てているからです。
Wiktionary の第一の語義も、雇い主が課した割り当てと自分自身が課した割り当ての両方を含めています。
Cambridge Dictionary はイギリス英語もアメリカ英語も /ˈmɪʃ.ən/ と示しています。
Oxford Learner’s Dictionaries の表記は /ˈmɪʃn/ です。
強勢は記号 ˈ が付いた第一音節にあります。
言われたことや、すべきことをやり終えたときに言う決まり文句です。
Cambridge Dictionary の例文は「ミッション完了、リストにあったものは全部手に入れたよ」です。
Oxford Learner’s Dictionaries の例文は「ミッション完了、私たちは家路についた」です。
反対に、難しい、あるいは不可能な仕事は mission impossible と言います。
ミッションのまとめ
ミッションとは、人が送り出されて行う重要な公式の仕事という意味であり、自分の務めだと信じて取り組む仕事という意味であり、そうした仕事のために送られた人の集まりという意味でもあります。
語源はラテン語 missio で、その元は mittere「送る」。
英英辞典はこのほかに、軍隊の任務、宇宙飛行、キリスト教を教える仕事、会社や組織が目指す成果、骨の折れる用事までを同じ語で立てています。
英語で使うときに押さえておきたいのは、強勢が第一音節にあること、多くの語義が可算名詞であること、そして mission accomplished や on a mission to do sth のような決まった形です。
日本語の「使命」と「任務」は、この一語の中にどちらも入っています。
\3分で読める/
仕事で使うカタカナ語を、もう1語たどれます
同じサイトの関連記事
ミッションの参考文献
mission の定義・語法・発音・語源は以下の英英辞典と辞書で確認しました。
- Cambridge Dictionary|mission(Cambridge University Press 公式辞書)
- Oxford Learner’s Dictionaries|mission(名詞)(Oxford University Press 公式辞書)
- Wiktionary|mission(Wiktionary 英語版)
あわせて読みたい記事です。
マイルストーンとはも同じ英英辞典で調べています。↓

コメント