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ベンダーとは?意味と語源はラテン語 venum dare(売り物を与える)|seller との違いと英語 vendor の発音

ベンダーとは?意味と語源はラテン語 venum dare(売り物を与える)|seller との違いと英語 vendor の発音

ベンダーとは、物を売る人や会社という意味であり、英英辞典はこれを「街で売る人」「ある製品を売る会社」「不動産などを売る側(売主)」の三つに分けて立てています。

英語の vendor をそのままカタカナにした語で、語源はラテン語の venum dare、つまり「売り物を与える」という二語の組み合わせ。

この記事では、ベンダーの意味を英英辞典の語義から三方向に切り分け、venum(売り物)+ dare(与える)という語源、IT で software vendor と言うときの語義、法律と不動産で「売主」を指す用法、seller・buyer・purchaser との関係、そして辞書が示す発音と強勢の位置までを整理します。

根拠にしたのは Cambridge Dictionary・Oxford Learner’s Dictionaries・Wiktionary の記述だけです。

目次

ベンダーとは何か(結論)

ベンダーとは、①街や路上で食べ物や新聞などを売る人、②ある製品を売る会社、③家や土地を売る側の人、この三つを指す言葉です。

辞書はこれらを別々の語義として立てています。

Cambridge Dictionary は vendor を可算名詞 [ C ] とし、law(法律)と formal or specialized(硬い言い方、または専門的な言い方)の札を付けました。

定義は「someone who is selling something(何かを売っている人)」。

同辞典の例文は「この数か月、彼女は果物と野菜を売る街頭のベンダーとして働いている」と、「その家のベンダーは今週中に契約書を取り交わしたがっている」の二つです。

ベンダーの語義は辞書ごとに幅がある

American Dictionary の項の定義は「a person or company that sells goods or services(商品やサービスを売る人や会社)」。

例文は「うちの会社は女性服の多くのベンダーと取引している」です。

同じ項は続けて「ベンダーは街で食べ物や品物を売る人も指す」と書き、a hot dog vendor(ホットドッグを売る人)と a street vendor(街頭の売り手)を挙げました。

Business English の項は、語義を札で二つに分けています。

COMMERCE(商取引)の札で「ある特定の製品を売る会社または人」、LAW, PROPERTY(法律・不動産)の札で「何か、とくに不動産を売っている人」。

日本語の「ベンダー」は、このうち商取引の語義にほぼ寄っています。

ベンダーの語源はラテン語 venum dare

Oxford Learner’s Dictionaries の語源欄は、この語を16世紀後半のものとしています。

説明は「アングロ・ノルマン・フランス語の vendour から、フランス語 vendre またはラテン語 vendere『売る』に由来し、それは venum『売り物』+ dare『与える』の変形から来ている」。

Wiktionary はもう一段分解しました。

アングロ・ノルマン語 vendor(古フランス語 vendeor と同語源)からの借用で、さらにさかのぼるとラテン語 venditor「売る人」、その元が vendere「売る、売り物として声を張る、褒めそやす」です。

そして同辞典は、この vendere を venundare・venumdare が縮まった形とし、「もとは二語だった」と明記しています。

ベンダーの語源が示す渡す側という向き

もとの二語が venum dare、つまり venum「売り物、値」+ dare「与える」。

dare のほうは、英語の data(与えられたもの)や donate(寄付する)と同じ系統に連なります。

Wiktionary はこの語の語根を印欧祖語の *deh₃- と記しました。

つまりベンダーの芯は「売り物を手渡す側」です。

買う側ではなく渡す側を指す語だ、という向きが語源の段階で決まっています。

だから英語では、家を売る人も、ソフトウェアを納める会社も、同じ vendor で呼べるのです。

ベンダーの「街で売る人」の語義

Oxford Learner’s Dictionaries の第一の語義は、路上の売り手です。

定義は「物を売る人、たとえば食べ物や新聞など、たいていは屋外の、通りで」。

例文は「宝飾品・革製品・衣類が、どの角でも街頭のベンダーによって売られている」です。

Business English の項の例文「街頭のベンダーが博物館の外でホットドッグを売っている」も同じ語義で、三つの項すべてに street vendor が現れます。

日本語の「ベンダー」で屋台や露店を指すことは、ほとんどありません。

辞書が複数立てた語義が、日本語に入るときに一つだけ残る。

同じことはリテンションの意味と語源でも起きています。↓

ベンダーの「製品を売る会社」の語義

Oxford Learner’s Dictionaries は二つ目の語義に (formal) の札を付け、「ある特定の製品を売る会社」と定義しました。

示されている形は software vendors(ソフトウェアのベンダー)です。

同辞典の追加例文は、取引の現場そのもの。

「ベンダーに連絡して、料金を聞いてください」と「冷凍食品を配送するベンダーの一覧を手に入れてください」です。

相手は会社で、こちらは発注する側という関係が見えてきます。

ベンダーは IT 専用の語ではない

Cambridge Dictionary の Business English の項も、COMMERCE の札で「ある特定の製品を売る会社または人」と定義しています。

例文は「彼らはこの国で最大手の有機乳製品のベンダーである」と software vendors。

同辞典が示す組み合わせは commercial vendor(商用のベンダー)・hardware vendor(ハードウェアのベンダー)・local vendor(地元のベンダー)です。

何を売るかを前に置いて種類を言う形が、この語義の基本の使い方になります。

日本語の IT の現場で使う「ベンダー」はこの語義で、英語でもそのまま通じるでしょう。

ただし英語の vendor は IT 専用語ではありません。

ベンダーは法律と不動産では売主を指す

Oxford Learner’s Dictionaries の三つ目の語義には ( law ) の札が付き、「家などを売っている人」と定義されています。

同辞典はこの語義を Houses and homes(家と住まい)のトピックに分類し、compare seller(seller と比べよ)と添えました。

例文は「土地を競売で売るときのベンダー側の費用は、相対取引で売るときより通常は高くつく」。

Cambridge Dictionary の Business English の項も、LAW, PROPERTY の札で「何か、とくに不動産を売っている人」と定義しています。

その例文は「買主とベンダーは契約の細部について合意する必要がある」で、purchaser(買主)と対になっています。

ベンダーと seller・buyer・purchaser の関係

Cambridge Dictionary は vendor の同義語として seller を挙げ、反対側として buyer(買う人)と purchaser(買主、formal の札つき)を置きました。

Wiktionary が挙げる同義語は merchant(商人)と seller です。

関連語として vend(売る)・vending machine(自動販売機)・vendue(競売)も並んでいます。

Cambridge Dictionary の類義語欄は「物を売る人」として seller・salesperson・salesman・saleswoman・sales assistant(イギリス英語)を並べ、vendor はこの仲間のうち硬くて法律寄りの位置にある語です。

同辞典の SMART Vocabulary の「物を売る人々」の一覧には、agent・auctioneer・retailer・reseller・supplier なども入っています。

英語は取引の相手を立場ごとに呼び分ける。

その感覚は、利害の関わる相手をひとまとめに言うステークホルダーの意味と語源と並べて見ると分かりやすいでしょう。↓

ベンダーの英語 vendor の発音は /ˈven.də(r)/

Cambridge Dictionary はイギリス英語を /ˈven.dər/、アメリカ英語を /ˈven.dɚ/ と示しています。

Oxford Learner’s Dictionaries は /ˈvendə(r)/ と /ˈvendər/。

Wiktionary は容認発音を /ˈvɛn.də/、一般アメリカ英語を /ˈvɛn.dɚ/ と表記しました。

強勢は第一音節 /ˈven/ にあります。

「ベン」を強く、「ダー」を軽く添える形。

カタカナの「ベンダー」は後ろを伸ばして読みがちですが、辞書の表記では後半に強勢はありません。

ベンダーの発音で気をつける点

第二音節は、イギリス英語が /də/、アメリカ英語が /dɚ/。

アメリカ英語では r が響き、イギリス英語では響きません。

teacher や better の語尾と同じ違いです。

Wiktionary は、r を響かせない話し方では Venda と同音になると記しました。

韻は -ɛndə(ɹ) で、calendar や surrender の語尾と同じ響きになります。

なお Business English の項だけは、イギリス英語の表記が /ˈvendɔːr/ です。

ベンダーは自動販売機も指す

Wiktionary は vendor の第二の語義を「a vending machine(自動販売機)」としています。

例文は小説からの一節で、「彼女はコーラの自動販売機を見張る仕事を離れた」という使い方。

同辞典はまた、代替の綴りとして vender を挙げ、dated(古い)の札を付けました。

Cambridge Dictionary の Business English の項も「US also vender」と記しています。

ただし自動販売機の語義は、Cambridge Dictionary と Oxford Learner’s Dictionaries には立っていません。

項目辞書の記述
品詞名詞(可算 [ C ])
別の綴りvender(Wiktionary では dated/Cambridge では US also)
レベルc1(Oxford)
札law・formal or specialized(Cambridge)/COMMERCE・LAW, PROPERTY(Business English)
同義語seller・merchant
対になる語buyer・purchaser(formal)
関連語vend(動詞)/vending machine/vendue

ベンダーと一緒に使う英単語

派生語の多い語でもあります。

Wiktionary は multivendor(複数ベンダーの)・newsvendor(新聞売り)・subvendor(下請けのベンダー)・vendorship・vendorspeak・vendress・ice cream vendor・vendor locator・vendor-agnostic(ベンダーを問わない)・vendor bid を挙げました。

辞書の例文から拾える組み合わせは、何を売るかを前に置く形が中心です。

street vendor・hot dog vendor・software vendors・commercial vendor・hardware vendor・local vendor・newsvendor。

「〜のベンダー」と言うときは of を使います。

例文には the vendor of the house(その家の売主)・many vendors of women’s clothing(女性服の多くのベンダー)が並んでいます。

ベンダーは動詞 vend から生まれた語

Wiktionary は vendor の関連語として vend・vending machine・vendue を挙げています。

vend は「売る」を表す動詞で、vendor はその行為をする側を指す名詞。

同じ語根から作られた vendue は「競売」を意味します。

辞書が派生名詞として並べるのは vendorship・vendress の二つです。

vendorship は売り手であるという立場そのものを指し、vendress は女性の売り手を指す古い形。

一つの語根から動詞・名詞・立場の名詞まで揃っている語族だと分かります。

ベンダーの実例は学術の文章にも多い

Cambridge Dictionary は English Corpus から採った例文も並べています。

「伝統的な買い物では、買い手は店を訪ねてベンダーと直接やりとりする」はその一つ。

「人は商品・サービス・見込みのあるベンダー・事業の相手を探す」という例文もあります。

農産物市場についての例文は「成り立つ農産物市場には、客を引きつけるだけの農家のベンダーが必要だ」です。

路上の売り手についても「これらの場所に共通するのは、街頭のベンダーたちの声がそこにあることだ」と記されています。

学術の文章でも、日常の売り手から取引相手まで同じ語で呼ばれているのです。

ベンダーと組む形容詞のパターン

Cambridge Dictionary は vendor とよく組む語として commercial・hardware・local の三つを挙げています。

commercial vendor の例文は「どの商業団体も適合を証明しないので、商用のベンダーは自社製品に合う試験方法を作れてしまう」。

hardware vendor の例文は「複数の OS の版、ハードウェアのベンダーの接続層、ハードウェアの構成、ネットワークの能力で試す必要がある」です。

local vendor の例文は「彼はそれから地元のベンダーから食べ物を買い、70人ほどの子どもに食べさせた」。

どれも「どんなベンダーか」を形容詞一語で絞る形になっています。

この形を覚えておくと、英語の資料で vendor が出てきたときに種類をすぐつかめるでしょう。

ベンダーで間違いやすい点

一つ目は、強勢の位置です。

強勢は /ˈven/ にあり、カタカナのつもりで語尾を伸ばして強めると辞書の音から離れます。

二つ目は、IT 専用の語だと思うこと。

Oxford Learner’s Dictionaries の第一の語義は路上の売り手で、追加例文は冷凍食品の配送業者です。

三つ目は、買う側に使ってしまうこと。

買う側は buyer か purchaser で、Cambridge Dictionary はこの二語を vendor の対として挙げています。

ベンダーについてよくある質問

Q. ベンダーの語源は何ですか

ラテン語の venum dare、つまり「売り物を与える」です。

Oxford Learner’s Dictionaries の語源欄は16世紀後半のものとし、「アングロ・ノルマン・フランス語の vendour から、フランス語 vendre またはラテン語 vendere『売る』に由来し、それは venum『売り物』+ dare『与える』の変形から」と記しています。

Wiktionary はさらに、ラテン語 venditor「売る人」をさかのぼった vendere を venundare・venumdare の縮約形とし、「もとは二語だった」と明記しています。

その二語が venum dare です。

venum は「売り物、値」、dare は「与える」を表します。

Q. ベンダーと seller はどう違いますか

辞書は seller を vendor の同義語として挙げています。

Cambridge Dictionary は vendor の Synonym 欄に seller を置き、Oxford Learner’s Dictionaries は法律の語義に compare seller と添えています。

違いは語の硬さです。

Cambridge Dictionary は vendor の見出しの語義に law・formal or specialized の札を付けています。

同辞典の類義語欄では、seller・salesperson・salesman・saleswoman・sales assistant が「物を売る人」として並び、vendor はその中で硬く法律寄りの位置にあります。

Q. software vendor は英語として自然ですか

辞書がそのまま例として載せている形です。

Oxford Learner’s Dictionaries は二つ目の語義「ある特定の製品を売る会社」の例に software vendors を挙げています。

Cambridge Dictionary の Business English の項も、COMMERCE の札の語義の例に software vendors を置いています。

同じ形で hardware vendor・commercial vendor・local vendor も辞書の組み合わせ欄に出てきます。

Q. vendor は自動販売機の意味にもなりますか

Wiktionary は第二の語義として a vending machine を立てています。

例文は小説からの一節で、「彼女はコーラの自動販売機を見張る仕事を離れた」という使い方です。

関連語として vending machine そのものも挙がっています。

ただし Cambridge Dictionary と Oxford Learner’s Dictionaries には、この語義は立っていません。

ベンダーのまとめ

ベンダーとは、街で物を売る人という意味であり、ある製品を売る会社という意味であり、家や土地を売る側の人という意味でもあります。

語源はラテン語 venum dare で、venum(売り物)+ dare(与える)の二語が縮まって vendere になり、そこから venditor「売る人」が生まれました。

芯にあるのは「売り物を手渡す側」という向き。

英語で使うときに押さえておきたいのは、強勢が第一音節 /ˈven/ にあること、「〜のベンダー」は of でつなぐこと、そして買う側ではなく売る側を指すことの三つです。

読むときに気をつけたいのは語の硬さで、契約や不動産の文書に出てきたら、それは「売主」を言っています。

\3分で読める/

日本語と英語でずれるビジネス用語を、同じ英英辞典で確かめられます

語源・発音記号・例文つき

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ベンダーの参考文献

vendor の定義・語法・発音・語源は以下の英英辞典と辞書で確認しました。

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アセットとは?意味と語源も同じ英英辞典で調べています。↓

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