
フィージビリティとは、あることが作れる・できる・成し遂げられる見込みがあること、またそれが理にかなっていることを指す言葉です。英語の feasibility をそのままカタカナにした語で、形容詞 feasible に名詞をつくる接尾辞 -ity が付いた形です。語源をたどるとラテン語 facere「する、作る」に行き着きます。
この記事では、フィージビリティの意味を英英辞典の語義から整理し、ラテン語 facere(する、作る)までさかのぼる語源、よく使われる feasibility study という形、practicability・viability との関係、形容詞 feasible の使い方と文型、辞書が示す発音とレベル、そして反意語の作り方までを確認します。Cambridge Dictionary・Oxford Learner’s Dictionaries・Wiktionary の記述だけを根拠にしています。
フィージビリティとは何か(結論)
フィージビリティとは、あることが作れる・行える・成し遂げられる可能性があること、またはそれが理にかなっていることを指す言葉です。辞書はこの語を一つの語義にまとめていて、Cambridge Dictionary は「何かが作られうる、行われうる、あるいは成し遂げられうる可能性。または理にかなっていること」と定義しています。
同辞典はこの語に [ U ]、つまり数えられない名詞の表示を付け、feasibility of(〜のフィージビリティ)という形を示しています。例文は「私たちはそこに商業施設を建てる実現可能性を検討している」です。
Oxford Learner’s Dictionaries の定義は「可能であり、成し遂げられそうであるという性質」で、同義語として practicability(実行可能性)を挙げています。[uncountable] の表示と c2 のレベルが付き、Success(成功)のトピックに分類されています。
同辞典の例文は二つです。「提案されている新空港についての実現可能性調査」、そして「私はその計画の実現可能性を疑っている」です。調査の名前として使われる形と、疑う対象として使われる形が並んでいます。
Wiktionary の定義は「feasible であること、possible であることの状態」で、反意語として nonfeasibility を挙げています。同義語は realizability(実現可能性)です。
押さえておきたいのは、この語が「できるかどうか」だけを言っているのではないという点です。Cambridge Dictionary の定義には「or is reasonable(または理にかなっている)」が入っています。技術的に可能でも筋が通らないなら、フィージビリティがあるとは言えないということです。
フィージビリティの語源はラテン語 facere「する、作る」
Oxford Learner’s Dictionaries の語源欄は、元の形容詞 feasible についてこう記しています。「中期英語後期。古フランス語 faisible から。fais- は faire『する、作る』の語幹で、ラテン語 facere に由来する」。つまりこの語の芯にあるのは「する」という動詞です。
Wiktionary の feasibility の項は「中期英語 faisible から、アングロ・ノルマン語 fesable + 英語の接尾辞 -ity」と記しています。feasible の項では「アングロ・ノルマン語 fesable から、ラテン語 facere、古フランス語 fesable、faisable(できる)から、fere、faire(する)+ -able」と、もう少し細かく分けています。
組み立てを整理すると、faire(する)+ -able(できる)= feasible(できる)、さらに -ity(〜であること)が付いて feasibility(できるということ)になります。二段重ねの接尾辞です。
ラテン語 facere は、英語のなかに数多くの語を残しています。fact(事実=なされたこと)・factory(工場=作る場所)・effect(効果)・perfect(完全な=し終えた)などが同じ系統です。フィージビリティはこの大きな語族の一員ということになります。
ここで押さえておきたいのは、この語が「可能」を言うときの切り口です。possible(可能)は「ありうる」という状態を言う語ですが、feasible は「実際に手を動かしてできる」という発想から来ています。だから計画や工事の話に使われやすいわけです。
フィージビリティは feasibility study の形でよく使う
Oxford Learner’s Dictionaries の例文の一つは a feasibility study on the proposed new airport(提案されている新空港についての実現可能性調査)です。Cambridge Dictionary も関連語の一覧に feasibility study を挙げていて、この語がもっとも頻繁に現れる形がこれです。
この形では feasibility が後ろの名詞 study を修飾します。前置詞は on で、「何についての調査か」を言います。Oxford の例文がそのまま on the proposed new airport という形です。
語そのものを主語や目的語にするときは、of と組みます。Cambridge Dictionary が feasibility of という形を明示し、例文は the feasibility of building a shopping centre there(そこに商業施設を建てる実現可能性)です。of のあとには動名詞が来ています。
Oxford Learner’s Dictionaries の例文 I doubt the feasibility of the plan(私はその計画の実現可能性を疑っている)も同じ形で、of のあとに名詞が来ています。of の後ろは名詞でも動名詞でもよいということです。
まとめると、使う形は三つです。feasibility study(実現可能性調査)、a feasibility study on ~(〜についての実現可能性調査)、the feasibility of ~(〜の実現可能性)。辞書の例文はこの三つに収まっています。
フィージビリティと practicability・viability の違い
Oxford Learner’s Dictionaries は feasibility の同義語として practicability を挙げています。Cambridge Dictionary の関連語の一覧にも practicability・practicable・practical が並んでいます。どれも「実際にできる」という括りの語です。
Cambridge Dictionary は形容詞 feasible の同義語として、practicable・formal viable・workable の三つを挙げています。viable には formal(硬い語)の印が付いていて、文章向きの語だと示されています。
同辞典の類義語欄は、近い語を例文付きで並べています。achievable(達成できる=「減量の目標が達成できるものであることを確かめよう」)、attainable(到達できる=「従業員は到達可能な目標を持つことで恩恵を受ける」)、doable(できる=「大きな要求だが、やればできる」)、そして feasible(「資金が足りないことを考えると、この計画は本当に実現可能なのか」)です。
Wiktionary は形容詞 feasible の同義語に achievable・doable・possible・practicable・workable を並べ、反意語に infeasible・unfeasible・impracticable・unworkable を挙げています。
使い分けの目印は、辞書の定義の差に出ています。Oxford Learner’s Dictionaries の feasible の定義は「possible and likely to be achieved(可能であり、成し遂げられそうである)」で、likely(そうなりそう)が入っています。ただ可能なだけでなく、見込みがあることまで言う語だということです。
フィージビリティの形容詞 feasible の使い方
Cambridge Dictionary は feasible を C1 のレベルで立て、「作られうる、行われうる、あるいは成し遂げられうる」と定義しています。例文は「追加の資源があれば、この案件は今では実現可能に見える」です。
同辞典は [ + to infinitive ](to 不定詞を伴う)という文型も示しています。例文は「人間をクローンにすることは実現可能かもしれないが、それは倫理的なのか」です。It may be feasible to ~ という形です。
Oxford Learner’s Dictionaries の例文も同じ型が多いです。「パートタイムの体制で事業を運営するのは、まったく実現可能ではない」「汚染を生み出さずに電気を作ることは完全に実現可能である」です。どちらも It’s (not) feasible to ~ の形です。
名詞を直接修飾する形もあります。同辞典は a feasible plan / suggestion / idea(実現可能な計画/提案/考え)を挙げ、例文に「最初は、これは実現可能な提案には見えなかった」「その治療法は実現可能だと証明されていない」を載せています。
Cambridge Dictionary の Business English の項は、定義を「行うことが可能で、成功しそうである」とし、例文に「これほど小さな会社が大手と競うのは、まったく実現可能ではない」を挙げています。It’s not feasible for A to ~(Aが〜するのは実現可能でない)という形です。
反意語の作り方には注意が要ります。Oxford Learner’s Dictionaries は feasible の opposite(反意語)として unfeasible を挙げ、Wiktionary は infeasible・unfeasible の両方を並べています。feasibility のほうの反意語は、Wiktionary が nonfeasibility・infeasibility・unfeasibility の三つを示しています。
フィージビリティの英語 feasibility の発音は /ˌfiː.zəˈbɪl.ə.ti/
Cambridge Dictionary はイギリス英語を /ˌfiː.zəˈbɪl.ə.ti/、アメリカ英語を /ˌfiː.zəˈbɪl.ə.t̬i/ と示しています。Oxford Learner’s Dictionaries は両方 /ˌfiːzəˈbɪləti/ です。Wiktionary は /ˌfiːzɪˈbɪlɪti/ と表記しています。
この語でもっとも大事なのは強勢の位置です。辞書の表記 /ˌfiː.zəˈbɪl.ə.ti/ を見ると、第一強勢は第三音節 /ˈbɪl/ にあり、第二強勢が第一音節 /ˌfiː/ に付いています。「フィージ「ビ」リティ」と、真ん中に体重を乗せる形です。
カタカナの「フィージビリティ」は平らに読みがちなので、ここが辞書の音から離れます。-ity で終わる語は、その直前の音節に強勢が来るのが型です。ability・possibility・responsibility と同じ型だと覚えると位置を間違えません。
元の形容詞 feasible の発音は、Cambridge Dictionary が /ˈfiː.zə.bəl/、Oxford Learner’s Dictionaries も /ˈfiːzəbl/ です。こちらは第一音節に強勢があります。-ity が付くと強勢の位置が移るという点が、この二語のいちばんの違いです。
Wiktionary は feasible の地域別の発音も細かく並べています。受容発音が /ˈfiː.zɪ.bəl/ と /ˈfiː.zə.bəl/、一般アメリカ英語とカナダが /ˈfi.zə.bəl/、オーストラリアとニュージーランドが /ˈfiː.zə.bəl/ です。音節の区切りは fea‧si‧ble の三つです。
もう一つ注意したいのは、最初の子音が /f/ だということです。カタカナの「フィ」は唇を使う音になりやすいですが、英語の /f/ は上の歯に下唇を当てて出します。feasible の fea- は「フィー」と長く伸ばします。
フィージビリティの英語 feasibility は可算か不可算か
Cambridge Dictionary は feasibility に [ U ]、つまり数えられない名詞の表示を付けています。Oxford Learner’s Dictionaries も [uncountable] です。Wiktionary だけは「countable and uncountable, plural feasibilities」として、可算の用法もあると示しています。
実際の使い方では、不可算として扱うのが基本です。辞書の例文はすべて the feasibility of ~ か a feasibility study の形で、a feasibility という単独の形は現れません。
a feasibility study に a が付いているのは、冠詞が修飾している名詞が study のほうだからです。feasibility 自体に冠詞が付いているわけではありません。
形容詞 feasible の段階については、辞書の扱いが分かれています。Cambridge Dictionary の American Dictionary の項は [ not gradable ](段階を付けられない)と表示していますが、Wiktionary は comparative more feasible、superlative most feasible を示しています。
| 項目 | 辞書の記述 |
|---|---|
| 名詞の数え方 | 不可算(Cambridge [ U ]/Oxford [uncountable]) |
| レベル | c2(Oxford。名詞)/C1(Cambridge。形容詞 feasible) |
| 形容詞 | feasible(Oxford は c1・Success のトピック) |
| 副詞 | feasibly(Cambridge が関連語として掲載) |
| 反意語 | nonfeasibility/infeasibility/unfeasibility(Wiktionary) |
| 形容詞の反意語 | unfeasible(Oxford)/infeasible・impracticable・unworkable(Wiktionary) |
フィージビリティと一緒に使う英単語と、よくある間違い
辞書の例文から拾える組み合わせは、ほぼ三つの形に集まります。feasibility study(実現可能性調査)、look at / examine the feasibility of ~(〜の実現可能性を検討する)、doubt the feasibility of ~(〜の実現可能性を疑う)です。
形容詞 feasible のほうは組み合わせが広いです。seem feasible(実現可能に見える)・prove feasible(実現可能だと分かる)・a feasible plan / suggestion / idea(実現可能な計画/提案/考え)・perfectly feasible(完全に実現可能)・not feasible(実現可能でない)です。
Cambridge Dictionary は関連語の一覧に feasibly(副詞)も挙げていて、Business English の項では発音 /ˈfiːzəbli/ まで示しています。「実現可能なかたちで」という意味の副詞です。
よくある間違いの一つ目は、強勢の位置です。-ity が付くと強勢が /ˈbɪl/ に移ります。形容詞 feasible は第一音節、名詞 feasibility は第三音節です。同じ語族でも位置が違うので、別々に覚える必要があります。
二つ目は、冠詞を付けることです。不可算名詞なので「We studied a feasibility.」とは言えません。「We studied the feasibility of the plan.」または「We did a feasibility study.」になります。
三つ目は、possible と同じ意味だと思うことです。Oxford Learner’s Dictionaries の feasible の定義は「possible and likely to be achieved」で、likely(そうなりそう)が加わっています。見込みの話まで含む語です。
四つ目は、反意語を un- だけで作ろうとすることです。形容詞では unfeasible・infeasible の両方が辞書に載っていますが、名詞では nonfeasibility・infeasibility・unfeasibility と三つの形が Wiktionary に挙げられています。
フィージビリティについてよくある質問
ラテン語 facere「する、作る」です。
Oxford Learner’s Dictionaries は形容詞 feasible の語源欄に「中期英語後期。古フランス語 faisible から。fais- は faire『する、作る』の語幹で、ラテン語 facere に由来する」と記しています。
Wiktionary は feasibility を「中期英語 faisible から、アングロ・ノルマン語 fesable + 英語の接尾辞 -ity」とし、feasible のほうを「アングロ・ノルマン語 fesable から、ラテン語 facere、古フランス語 fesable、faisable(できる)から、fere、faire(する)+ -able」と記しています。
つまり faire(する)+ -able(できる)+ -ity(〜であること)という二段重ねの組み立てです。
ラテン語 facere は fact・factory・effect などの語も残しています。
実現可能性を調べる調査のことで、feasibility がもっともよく現れる形です。
Oxford Learner’s Dictionaries は例文に a feasibility study on the proposed new airport(提案されている新空港についての実現可能性調査)を挙げ、Cambridge Dictionary も関連語の一覧に feasibility study を載せています。
前置詞は on で、「何についての調査か」を言います。
なお語そのものを主語や目的語にするときは of と組み、Cambridge Dictionary は feasibility of という形を示して the feasibility of building a shopping centre there(そこに商業施設を建てる実現可能性)を例文にしています。
of のあとには名詞でも動名詞でも置けます。
辞書の定義に likely(そうなりそう)が入っているかどうかが違います。
Oxford Learner’s Dictionaries は feasible を「that is possible and likely to be achieved(可能であり、成し遂げられそうである)」と定義しており、possible だけでは足りず、見込みがあることまで言う語だと示しています。
Cambridge Dictionary の feasibility の定義にも「or is reasonable(または理にかなっている)」が入っています。
つまり技術的に可能でも筋が通らないなら feasible とは言いにくいということです。
同辞典は形容詞 feasible の同義語として practicable・viable(formal)・workable を挙げ、Wiktionary は achievable・doable・possible・practicable・workable を並べています。
強勢の位置です。
Cambridge Dictionary の表記は /ˌfiː.zəˈbɪl.ə.ti/ で、第一強勢は第三音節 /ˈbɪl/、第二強勢が第一音節 /ˌfiː/ に付いています。
カタカナの「フィージビリティ」を平らに読むと、この山が消えます。
ability・possibility・responsibility と同じ型で、-ity の直前の音節に強勢が来ます。
いっぽう元の形容詞 feasible は /ˈfiː.zə.bəl/ で、強勢は第一音節です。
-ity が付くと強勢の位置が移るので、形容詞と名詞を別々に覚える必要があります。
Oxford Learner’s Dictionaries は名詞を /ˌfiːzəˈbɪləti/、形容詞を /ˈfiːzəbl/ と示しています。
フィージビリティのまとめ
フィージビリティとは、あることが作れる・行える・成し遂げられる可能性があり、かつ理にかなっていることを指す言葉です。Oxford Learner’s Dictionaries は同義語として practicability を挙げ、「可能であり、成し遂げられそうであるという性質」と定義しています。
語源はラテン語 facere「する、作る」で、faire(する)+ -able(できる)+ -ity(〜であること)という二段重ねの組み立てです。fact・factory・effect と同じ語族にあたります。
英語で使うときに押さえておきたいのは三つです。不可算名詞なので a を付けず、the feasibility of ~ か feasibility study の形で使うこと。強勢は /ˈbɪl/ の位置にあり、形容詞 feasible とは位置が違うこと。そして possible よりも「見込みがある」という含みが強いことです。
反意語の形は辞書によって複数挙げられています。形容詞は unfeasible・infeasible・impracticable・unworkable、名詞は nonfeasibility・infeasibility・unfeasibility です。どれか一つだけが正しいわけではありません。
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フィージビリティの出典
feasibility の定義・語法・発音・語源は以下の英英辞典と辞書で確認しました。
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