
アセスメントとは、あるものの量・価値・質・重要さを判断して決めること、またその判断そのものを指す言葉です。英語の assessment をそのままカタカナにした語で、英英辞典は「何かの量・価値・質・重要さを判断したり決めたりする行為、またはなされた判断」と定義しています。
この記事では、アセスメントの意味を英英辞典の語義からたどり、ラテン語 assidere(そばに座る)という語源、エバリュエーションやアプレイザルとの線引き、辞書が示す発音と数え方、そして税の査定や人事評価という別の語義までを整理します。日本語のアセスメントは「環境アセスメント」「人材アセスメント」のように専門的な評価の意味で使われますが、英語の assessment はもっと日常的に、学校のテストから税額の計算までを覆う語です。
アセスメントとは何か(結論)
アセスメントとは、何かの量・価値・質・重要さを判断する行為、またその判断のことです。当てずっぽうの感想ではなく、材料をそろえて下した判断を指します。
Cambridge Dictionary は名詞 assessment の第一の語義を「何かの量、価値、質、重要さを判断したり決めたりする行為、またはなされた判断」と定義し、レベル B2 を付けています。
同辞典の例文には「それが状況の公正なアセスメントだと言えますか」「生産コストについての彼らのアセスメントは、どちらも絶望的に不正確だった」というものが並びます。どちらも、下された判断の中身が問われている場面です。
Oxford Learner’s Dictionaries は可算で使うときを「とても注意深く考えたうえでの、誰か・何かについての意見や判断」とし、不可算で使うときを「誰か・何かについて判断を下す、あるいは意見を形づくる行為」としています。
つまりアセスメントの芯にあるのは「考えたうえで下す」という手つきです。Oxford の語義に very carefully という副詞が入っているところが要点で、ぱっと見の印象はアセスメントとは呼びません。
日本語で「環境アセスメント」と言うときの、調査してデータを積み上げてから判断する、あの重たい感じは英語の語義とよく合っています。
アセスメントの語源はラテン語 assidere「そばに座る」
Online Etymology Dictionary によれば、assessment が英語に現れたのは1530年代です。そのときの意味は「税のための財産の価値」でした。動詞 assess に、名詞を作る接尾辞 -ment が付いた形です。
その動詞 assess は15世紀初めに「税や罰金の額を定める」という意味で英語に入りました。経路はアングロフランス語の assesser です。
さらにさかのぼると中世ラテン語の assessare「税を課す」があり、その元はラテン語 assessus「そばに座っていること」、つまり動詞 assidere / adsidere の過去分詞です。
同辞典はこの assidere を「そばに座る(そうして裁判官の職務を助ける)、相談や職務において共に座る」と説明しています。分解すると ad「〜へ」+ sedere「座る」で、印欧祖語の語根 *sed-「座る」に行き着きます。
つまりアセスメントの語源にいるのは、裁判官の隣に座っていた助手です。同辞典は「裁判官の助手の仕事のひとつは、罰金や税の額を定めることだった」です。隣に座って額を決める人の仕事が、そのまま「判断すること」という意味になりました。
意味が広がった年代も記録されています。「税率や請求額、損害額などを定めたり調整したりする行為」が1540年代、そして「見積もり」という一般的な意味になったのが1620年代です。
動詞のほうはもっと遅れます。「課税のために財産の価値を見積もる」が1809年、「人や考えの価値を判断する」という転用の意味は1934年です。教育の専門用語として定着したのは1956年までです。
アセスメントのもう一つの意味は税の査定と学力テスト
Cambridge Dictionary は assessment に、判断という第一の語義とは別に「誰かの知識・能力・技能などをテストして判断を下す過程、またはなされた判断」という語義を立てています。
この語義の例文は「うちの講義科目でのアセスメントの通常の手段は、書かれたエッセイによるものです」「教員のアセスメントについて外部の検証が実施される」というものです。学校の成績評価の話です。
Oxford Learner’s Dictionaries も同じ語義を「学生をテストし、その知識・能力・進歩について判断を下す過程」として別に立て、Education というトピック分類を付けています。
そしてもう一つ、Oxford は「計算されて支払われなければならない額」という語義を可算で立て、例に a tax assessment(税の査定)を挙げています。語源の1530年代の意味が、そのまま現代の辞書にも残っている形です。
Cambridge のビジネス英語の項はさらに細かく、TAX のラベルを付けて「誰かがいくら税を払わなければならないかを計算する過程、または払わなければならない額」とし、HR のラベルを付けて「誰かの知識・能力・技能などをテストし、判断を下す過程」としています。日本語の「人材アセスメント」はこの HR の語義です。
同項の例文には「新入社員は全員、英語のアセスメントテストを受ける必要があります」というものがあり、日本で使われる「アセスメントテスト」という言い方がそのまま英語にもあることが分かります。
アセスメントとエバリュエーションの違い
英語の assessment と evaluation は、Cambridge Dictionary が互いを類義語として挙げるほど近い語です。ただし辞書のレベル表示と語源をたどると、assessment のほうが手続きに寄り、evaluation のほうが価値の計算に寄っていることが分かります。
Cambridge Dictionary は evaluation を「何かの質、重要さ、量、価値を判断したり計算したりする過程」と定義し、レベル C1 を付けています。assessment の B2 より一段上の語です。
| 語 | 辞書の定義(要点) | 辞書のレベル | 語源の元の意味 |
|---|---|---|---|
| assessment | 量・価値・質・重要さを判断する行為/その判断 | B2 | assidere「そばに座る」(ad+sedere) |
| evaluation | 質・重要さ・量・価値を判断または計算する過程 | C1 | valere「強い、価値がある」(フランス語 évaluer 経由) |
語源を並べると差がはっきりします。Online Etymology Dictionary によれば evaluation は1755年にフランス語 évaluation から入った語で、その元はラテン語 valere「強い、健やかである、価値がある」です。value と同じ根です。座って額を決める assessment と、価値そのものを名指しする evaluation という対比になります。
Oxford Learner’s Dictionaries は evaluation を「注意深く考えたあとで、何かの量・価値・質についての意見を形づくる行為」と定義し、assessment の語義説明で synonym(類義語)として evaluation を挙げています。二つの辞書とも、置き換えられる語として扱っています。
使い分けの目安は、集めた材料から判断を下す手続き全体を言うなら assessment、その中でも価値や効果を測る作業を言うなら evaluation です。Oxford が evaluation に Scientific research(科学研究)のトピックを付けているのも、この線引きに合っています。
パフォーマンスの意味と語源も同じ英英辞典と語源辞典で調べてまとめています。

アセスメントとアプレイザルの違い
appraisal も assessment の類義語ですが、こちらは値段を付けるという意味が語源にあり、人事の場面では「評価面談」という具体的な行事を指します。
Cambridge Dictionary は appraisal を「誰か・何かの質、成功、必要を判断するために調べる行為」と定義しています。さらに job appraisal / performance appraisal の形で「従業員が自分の進歩、目標、職場での必要について上司や雇用主と話し合う会合」という語義を立てています。
| 語 | 指すもの | 語源の元の意味 | 初出 |
|---|---|---|---|
| assessment | 判断する行為・その判断・学力テスト・税の査定 | assidere「そばに座る」 | 1530年代 |
| appraisal | 質や成功を調べる行為・評価面談 | pretium「値段」(appretiare 経由) | 1784年 |
Online Etymology Dictionary によれば appraisal は1784年までにアメリカ英語で現れた語で、最初の意味は「値段を決めること、値踏み」でした。動詞 appraise は1400年ごろに「価値を付ける」の意味で入り、その元は後期ラテン語 appretiare、さらに ad「〜へ」+ pretium「値段」です。price と同じ根です。
同辞典は面白い注記を付けています。英語での元のつづりは apprize でもあったのですが、praise(ほめる)の影響でつづりが変わった、というのです。値踏みとほめ言葉が混ざった形が、いまの appraise です。
Oxford Learner’s Dictionaries は appraisal を「誰か・何かの価値、遂行、性質についての判断」と定義し、イギリス英語では performance review と同じものを指すとしています。日本の会社で言う「アプレイザル」がそのまま面談を指すのは、この語義です。
アセスメントの発音は /əˈses.mənt/ で真ん中を強く読む
assessment は第2音節の -ses- を強く読みます。カタカナの「アセスメント」は六拍を平らに並べがちですが、英語では真ん中に体重が乗り、頭と尾は弱く落ちます。
| 辞書 | イギリス英語 | アメリカ英語 |
|---|---|---|
| Cambridge Dictionary | /əˈses.mənt/ | /əˈses.mənt/ |
| Oxford Learner’s Dictionaries | /əˈsesmənt/ | /əˈsesmənt/ |
二つの辞書とも、イギリス英語とアメリカ英語で表記が同じです。母音の違いが出ない語なので、どちらを目指しても同じ形になります。
頭の a は /ə/、つまり力の抜けた曖昧母音です。日本語の「ア」のように口を開けて言うと、そこに強さが乗ってしまって英語らしさから離れます。
語尾も同じで、-ment は /mənt/ です。カタカナの「メント」は「メ」と「ト」に母音を二つ立てていますが、英語では /ə/ ひとつと、母音の付かない /nt/ だけです。「アセスメント」と六拍で言うのではなく、真ん中の /ses/ だけを立てて前後を落とすと近づきます。
アセスメントの英語 assessment は可算と不可算の両方で使う
assessment は可算でも不可算でも使えます。Cambridge Dictionary は見出しに [ C or U ] と示し、Oxford Learner’s Dictionaries は語義ごとに countable と uncountable を書き分けています。
Oxford の整理はこうです。「注意深く考えたうえでの意見や判断」は可算で、a detailed assessment of the risks involved(関わるリスクについての詳細なアセスメント)のように冠詞が付きます。
一方「判断を下す行為」と「学生をテストする過程」は不可算で、Objective assessment of the severity of the problem was difficult.(問題の深刻さを客観的にアセスメントすることは難しかった)のように冠詞なしで使われます。
そして「支払わなければならない額」はまた可算に戻り、a tax assessment の形を取ります。同じ語で四つの語義が可算と不可算を行き来する形です。
前置詞は of が基本です。his assessment of the situation(状況についての彼のアセスメント)、an assessment of the damage(損害のアセスメント)のように、of の後ろに何を判断したのかが来ます。日本語の「〜のアセスメント」がそのまま of に対応すると考えて差し支えありません。
動詞は conduct / carry out / make / complete / give が辞書のコロケーション欄に並びます。We conduct an annual assessment of the system(私たちはそのシステムの年次アセスメントを実施しています)が Cambridge の例文です。do ではなく conduct や carry out を使うのが型です。
クオリティの意味と語源も同じ英英辞典と語源辞典で調べてまとめています。

アセスメントの種類とよく使う複合語
assessment は複合語をたくさん作ります。辞書が See also として別項を立てているものを押さえておけば、専門的な文章でも迷いません。
Cambridge Dictionary が第一の語義から参照している別項は impact assessment(影響のアセスメント)、over-assessment(過大なアセスメント)、risk assessment(リスクアセスメント)、self-assessment(自己アセスメント)です。
学力テストの語義からは continuous assessment(継続的アセスメント)が参照されています。一回の試験ではなく、期間を通して成績を付けていく方式のことです。Cambridge の例文には「その資格は最終試験と、講座を通しての継続的アセスメントに基づいて授与されます」とあります。
ビジネス英語の項からは environmental impact assessment(環境影響アセスメント)、standard spending assessment(標準支出アセスメント)が参照されています。日本語の「環境アセスメント」はこの environmental impact assessment の短い形です。
Oxford Learner’s Dictionaries は別項として assessment centre(アセスメントセンター)を立てています。Cambridge の Other results にも Cambridge Assessment English という固有名が並びます。辞書が項を立てるほど、この語は組織や制度の名前に入り込んでいます。
アセスメントを使った英語の例文とよくある間違い
辞書に載っている形をそのまま借りるのが、いちばん外さないやり方です。make an assessment of ~ と conduct an assessment の二つを覚えておけば、仕事の場面はほぼ足ります。
Cambridge Dictionary のビジネス英語の項は、動詞との組み合わせを見出しの形で示しています。conduct / give / make an assessment、carry out / make an assessment の二組です。
同項の例文は「まずやらなければならないのは、状況のアセスメントをすることです」というもので、The first thing you must do is make an assessment of the situation. の形を取ります。
形容詞との組み合わせも辞書に並びます。a detailed / thorough assessment(詳細な/徹底したアセスメント)、initial / preliminary assessment(初期の/予備のアセスメント)です。Oxford は broad / general / overall(広い/一般的な/全体的な)を挙げています。
間違いの一つ目は、動詞に do を使ってしまうことです。日本語の「アセスメントをする」を直訳すると do an assessment になりますが、辞書が挙げるのは make、conduct、carry out、complete、give です。
二つ目は、可算のときに冠詞を落とすことです。判断そのものを指すときは a か the が要ります。三つ目は発音で、強いのは真ん中の -ses- です。頭の a に力を入れると別の語に聞こえます。
アセスメントについてよくある質問
辞書は互いを類義語として挙げるほど近い語ですが、レベルと語源が違います。
Cambridge Dictionary は assessment を「量・価値・質・重要さを判断する行為」(B2)、evaluation を「質・重要さ・量・価値を判断または計算する過程」(C1)と定義しています。
語源は assessment がラテン語 assidere「そばに座る」、evaluation がラテン語 valere「価値がある」で、手続きに寄るのが assessment、価値の計算に寄るのが evaluation です。
ラテン語の assidere です。
Online Etymology Dictionary はこれを「そばに座る(そうして裁判官の職務を助ける)」と説明しており、ad「〜へ」+ sedere「座る」に分解できます。
印欧祖語の語根 *sed-「座る」にさかのぼります。
裁判官の助手の仕事のひとつが罰金や税額を定めることだったため、「額を決める」から「判断する」へ意味が移りました。
英語に名詞 assessment が現れたのは1530年代で、そのときの意味は「税のための財産の価値」です。
どちらでも使えます。
Cambridge Dictionary は見出しに [ C or U ] と示しています。
Oxford Learner’s Dictionaries の書き分けでは、判断そのものを指すときと支払う額を指すときが可算、判断を下す行為と学生をテストする過程を指すときが不可算です。
前置詞は of が基本で、his assessment of the situation の形を取ります。
environmental impact assessment です。
Cambridge Dictionary のビジネス英語の項が See also として別項を立てています。
短い形の impact assessment も一般の語義から参照されており、Oxford Learner’s Dictionaries の例文には「その迂回路の事業について、適切な環境影響アセスメントが実施されていなかった」というものがあります。
アセスメントのまとめ
アセスメントとは、量・価値・質・重要さを判断する行為、またその判断のことです。英語の assessment にはこの第一の語義に加えて、学力テストの評価、税の査定、支払う額という語義があり、日本語の「人材アセスメント」はテストの語義、「環境アセスメント」は影響を調べる複合語に当たります。
語源はラテン語 assidere「そばに座る」で、ad と sedere(座る)に分かれます。裁判官の隣に座って額を決めていた助手の仕事が、語の芯にあります。名詞として英語に現れたのは1530年代です。
英語で使うときは、可算と不可算の両方があること、動詞は make や conduct や carry out を使うこと、そして強く読むのは真ん中の -ses- であることの三つを押さえておけば、意味がそのまま届きます。
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アセスメントの参考文献
assessment の定義・語法・発音・語源は以下の英英辞典と語源辞典で確認しました。
- Cambridge Dictionary|assessment(一般・ビジネス英語の各項を含む)(Cambridge Dictionary)
- Oxford Learner’s Dictionaries|assessment(名詞)(Oxford Learner\’s Dictionaries)
- Online Etymology Dictionary|assessment(Online Etymology Dictionary)
- Cambridge Dictionary|evaluation(Cambridge Dictionary)
- Oxford Learner’s Dictionaries|evaluation(Oxford Learner\’s Dictionaries)
- Cambridge Dictionary|appraisal(Cambridge Dictionary)
- Oxford Learner’s Dictionaries|appraisal(Oxford Learner\’s Dictionaries)
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