可算名詞とは、1つ2つと切り分けて数えられるものを指す名詞で、a・an を付けられ、複数形にできる語のことです。
この記事では、可算名詞と不可算名詞の線引きを確認したうえで、a を付けるか s を付けるかを決める基準を手順にして整理します。日本語の感覚とずれる語、同じ語が両方になる語、意味そのものが変わる語まで押さえれば、辞書を引いた時点で正しい形が決められるようになります。
可算名詞とは何か(結論)
可算名詞とは、英語で別々の品として扱われ、数えることができるものを指す名詞です。単数と複数の両方の形を持ちます。
a car と three cars、my cousin と my two cousins のように、同じ語が単数でも複数でも立ちます。a book、several big cities のように、数詞や these・a few といった限定詞とも組み合わせられます。She’s got two sisters and a younger brother. のような文が、可算名詞の典型的な使われ方です。
英英辞典の説明も同じ線を引いています。Cambridge Dictionary は、a や an と一緒に使えて複数形にできる名詞を countable noun とし、table を可算名詞、money を不可算名詞の例として挙げています。発音は /ˈkaʊntəbl/ です。
可算名詞と不可算名詞の違い
両者の違いは、そのものを切り分けて数えられるかどうかの一点です。切り分けられないものは、全体でひとまとまりとして扱われます。
| 項目 | 可算名詞 | 不可算名詞 |
|---|---|---|
| a / an | 付けられる | 付けられない |
| 複数形 | 作れる | 作れない |
| 数詞 | 直接付けられる | 直接付けられない |
| 捉え方 | 別々の品 | 全体・かたまり |
| 例 | table, car, city | money, furniture, weather |
We’re going to get new furniture for the living room. とは言えても、a new furniture や new furnitures とは言いません。We had terrible weather last week. も同じで、a terrible weather という形は取りません。家具や天気は、英語では境目のないかたまりとして見られているからです。
可算名詞を表す countable の語源
countable は1580年代の英語に現れた語で、動詞 count に「〜できる」を表す -able が付いた形です。文字どおり「数えられる」という意味です。
count は14世紀後半に古フランス語 conter から入りました。さかのぼるとラテン語 computare で、com(一緒に)と putare(勘定する)に分かれます。putare はもともと「刈り込む」という意味の語だったとされ、余分を落として数を整える像が背景にあります。
なお countable は15世紀後半には「責任を負うべき」という別の意味で使われていましたが、この用法はすでに廃れています。相方の noun は14世紀後半にアングロ・フランス語から入り、ラテン語 nomen(名前)にさかのぼります。つまり可算名詞とは「数えられる、名前を表す語」を並べただけの命名です。
可算名詞にならない語のグループ
不可算名詞になる語には、いくつかのまとまりがあります。まとまりごと覚えておくと、初めて見る語でも見当が付きます。
| グループ | 語の例 |
|---|---|
| 考え・経験 | advice, information, progress, news, luck, fun, work |
| 材料・物質 | water, rice, cement, gold, milk |
| 天気 | weather, thunder, lightning, rain, snow |
| 集合体 | furniture, equipment, rubbish, luggage |
| その他 | accommodation, baggage, homework, knowledge, money, permission, research, traffic, travel |
材料や物質が不可算になるのは、輪郭を持たないからです。米や水は、器に移せば形が変わってしまいます。集合体のグループは、furniture のように「机も椅子も棚もまとめて呼ぶ語」で、中身が均一でないぶん個数を数える単位になりません。
複数形しかないのに可算名詞ではない語
見た目が複数形でも、数詞を直接付けられない語があります。s が付いているかどうかは、可算・不可算の判定材料になりません。
trousers、shorts、pants、pyjamas、glasses(眼鏡)、binoculars、scissors がその仲間です。数えるときは I bought two pairs of trousers. のように pair を挟みます。two trousers という形は取りません。
これらはいずれも、左右2つの部分が対になってひとつの品を作っています。英語はその構造を語形に残しているため、常に複数形で立ちながら、数える単位は別に用意する形になりました。
日本語の感覚とずれる可算名詞・不可算名詞
英語では不可算なのに、他の言語では数えられる語があります。日本語話者が失点しやすいのは、この食い違いの部分です。
代表は accommodation、advice、furniture、information の4語です。They can give you some information about accommodation at the tourist office. が正しい形で、informations や accommodations とは書きません。Can you give me some advice about buying a second-hand car? も同じで、advices にはなりません。
「情報を2つもらった」「助言を3つもらった」と日本語では言えるので、つい s を付けたくなります。しかし英語では、情報も助言も途切れのない流れとして扱われています。迷ったら、学習者向けの英英辞典を引けば可算か不可算かが表示されています。
不可算名詞を数えるときの言い方
不可算名詞の量を示すときは、a bit of、a piece of、an item of といった表現や、容器・単位を表す語を前に置きます。
He bought a very expensive piece of furniture for his new apartment. は、家具を1点と数えた形です。Maggie always has some exciting bits of news when she comes to see us. は知らせを断片として数えています。I think we’ll need five bags of cement for the patio. や There’s a litre of milk in the fridge for you. のように、袋・リットルといった単位を挟む形も同じ仕組みです。
別の手として、内容が同じで可算な語に置き換える方法もあります。accommodation を a place to live に、luggage を a suitcase に、travel を a trip に言い換えると、そのまま数えられます。Finding a place to live is difficult if you’re a student. は、この置き換えを使った自然な言い方です。
可算名詞と不可算名詞の言い換え表
不可算名詞と、それを個別に指すための可算名詞は、対応関係が決まっています。よく使う組み合わせを並べます。
| 不可算名詞 | 個別を指す可算名詞 |
|---|---|
| accommodation | a house, a flat, a place to live |
| baggage / luggage | a suitcase, a bag, a rucksack |
| bread | a loaf, a roll |
| lightning | a flash of lightning |
| luck | a stroke of luck |
| money | a note, a coin, a sum of money |
| poetry | a poem |
| rain | a shower, a downpour, a storm |
| travel | a journey, a trip |
| work | a job, a task |
左の欄は総称、右の欄は個別の1件だと考えると整理できます。She brought two big suitcases and a rucksack with her. のように右側を使えば数えられ、two big luggages という誤りを避けられます。
同じ語が可算名詞にも不可算名詞にもなる場合
同じ語が両方の使い方を持つことは珍しくありません。ただし、可算で使うか不可算で使うかで意味が変わる語があります。
| 語 | 可算での意味 | 不可算での意味 |
|---|---|---|
| iron | アイロン(We bought a new iron.) | 鉄(ships made of iron) |
| glass | グラス(I broke a glass yesterday.) | ガラス(made of hardened glass) |
| chocolate | 一粒のチョコ(a chocolate) | チョコレートという素材(some chocolate) |
| paper | 新聞(Let’s get a paper.) | 紙(run out of paper) |
| work | 作品(Shakespeare’s works) | 仕事(I had work to do.) |
a を付けるか付けないかで、鉄がアイロンになり、紙が新聞になります。訳語を先に決めてから冠詞を考えるのではなく、冠詞と複数形が意味の一部を担っている、と捉えるほうが正確です。
コーヒーや紅茶を可算名詞として使う場合
本来は不可算の語でも、「1杯分」「1種類」といった意味で使うときは可算名詞のように扱われます。飲食の場面でよく現れる形です。
Can I have two teas and one coffee, please? は、紅茶2杯とコーヒー1杯を注文しています。How many sugars do you want in your tea? も、スプーン何杯分かを尋ねている言い方です。液体や粉そのものを数えているのではなく、提供される単位を数えています。
種類を指すときも同じ形になります。To some degree we tend to eat the foods that we ate as children. の foods は、食べ物の種類を並べた言い方です。ここでも、輪郭のあるまとまりとして捉え直されたから複数形が立っています。
抽象名詞が可算名詞になる場合
抽象名詞にも、両方の使い方を持つものがあります。不可算で使うと一般論、可算で使うと個別の一件という違いが出ます。
education、experience、hatred、help、knowledge、life、love、sleep、time、understanding などが該当します。Good education is the best investment in Britain’s future. の education は教育一般ですが、a very expensive education at a private school の education は特定の誰かが受けた教育を指します。
time も分かりやすい例です。Time passes more and more quickly as you grow older. は時間そのものの話で、We had a great time in Ibiza. は特定の期間の話です。a が1つ入るだけで、話の粒度が一般から個別へ切り替わります。
可算名詞に a と s を付ける基準
実際の判定は3つの問いで足ります。この順で試せば、a を付けるか s を付けるかが決まります。
1つ目は「1つ、2つと数えられるか」です。数えられるなら可算名詞で、単数なら a・an、複数なら s を付けます。2つ目は「輪郭のないかたまりか」です。水・鉄・情報のように境目がないなら不可算で、a も s も付けません。
3つ目は「1杯分・1点・1種類として区切っているか」です。区切っているなら、もとが不可算でも可算のように扱えます。この3つで決められないときは、辞書の可算・不可算の表示を見れば決着します。
可算名詞についてよくある質問
付けません。information は英語では不可算名詞なので、informations という形にはなりません。量を示したいときは some information や a piece of information とします。
数詞を直接付けられないため、可算名詞としては扱いません。数えるときは two pairs of trousers のように pair を挟みます。scissors や glasses も同じ扱いです。
意味が変わります。a paper は新聞を指し、paper は素材としての紙を指します。同じ語でも、可算で使うか不可算で使うかで指すものが入れ替わる例です。
学習者向けの英英辞典を引くのが確実です。可算名詞か不可算名詞かが語義ごとに表示されているので、意味の切り替わりも同時に確認できます。
可算名詞のまとめ
可算名詞とは、別々の品として数えられる名詞で、a・an が付き、複数形になります。対して不可算名詞は全体でひとまとまりとして扱われ、a も数詞も直接は付きません。材料・物質、天気、furniture のような集合体、information や advice のような語がこちら側に入ります。
trousers や scissors のように、複数形でありながら数詞を直接取れない語もあるため、s の有無だけでは判定できません。不可算名詞の量は a piece of や a bag of で示すか、a place to live のような可算の語に置き換えます。iron・glass・paper・work のように、可算か不可算かで意味そのものが変わる語もあるので、最後は辞書の表示で確かめるのが確実です。
可算名詞の出典
可算名詞・不可算名詞の定義、語法、語源は以下の英英辞典、語源辞典、および Cambridge の文法解説で確認しました。

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