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強調構文とは?It is ~ that の作り方|見分け方と、強調できる要素

強調構文とは、文の一部を It is と that ではさんで前に押し出し、そこだけを目立たせる形のことです。英語では cleft sentence(分裂文)と呼ばれます。

この記事では、強調構文の作り方を手順に分けて示し、何を強調できて何を強調できないのか、そして形式主語の it と見分ける方法までを整理します。同じ It is 〜 that 〜 という並びでも、まったく別の構造が二種類あるため、その区別が最大の要点になります。

目次

強調構文とは何か(結論)

強調構文とは、一つの内容を二つの節に分け、聞き手にとって新しい情報だけを前に出す形です。cleft は「割れた」という意味で、文を割るという構造がそのまま名前になっています。

後半の that 以下には、話し手と聞き手のあいだで既に共有されている情報が入ります。前半の It is 〜 の部分に入るのが、新しく伝えたい情報です。この役割分担が強調構文の本体です。

たとえば車が壊されたという話が既に出ている場面で、It was Nina’s car that got broken into!(壊されたのはニーナの車だ)と言えば、「車が壊された」は共有ずみ、「それがニーナの車だった」が新情報になります。話しことばでとくによく使われるのは、会話では何が既知で何が未知かが刻々と変わるからです。

強調構文の作り方は It is と that ではさむだけ

作り方は単純です。もとの文から強調したい部分を抜き出して It is のうしろに置き、残りを that 以下に並べます。語順を組み替える必要はありません。

手順 やること 例
もとの文 ふつうの平叙文 Nina’s car got broken into.
1 強調したい部分を抜き出す Nina’s car
2 It is / It was のうしろに置く It was Nina’s car
3 残りを that 以下に並べる that got broken into
完成 つなげる It was Nina’s car that got broken into.

手順3で残った部分は、抜き出した要素の位置が空いたまま並びます。主語を抜いたなら主語のない形、目的語を抜いたなら目的語のない形になります。この「一か所だけ穴が空いている」という状態が、強調構文を見分けるときの決め手になります。

強調構文で強調できる要素

強調できるのは、名詞のかたまりと副詞句です。主語・目的語・場所・時のいずれも、そのまま It is のうしろへ移せます。

主語を強調する例が It was Nina’s car that got broken into. です。目的語を強調するなら It was your sister that I met!(私が会ったのはあなたの妹だ)のように、抜き出したうしろが目的語の抜けた形になります。

時や場所を表す語句も同じ扱いです。It was in June we got married.(結婚したのは六月だった)は、時を表す副詞句を前に出した形です。Is it August that you are going on holiday?(休暇に行くのは八月ですか)のように、月そのものを焦点にすることもできます。

つまり強調構文が扱えるのは、文の中で「一つの部品」として取り出せるものです。取り出しても残りが文として並ぶかどうかが、強調できるかどうかの境目になります。

強調構文の that を who や which に変える

強調する対象が人のときは、that の代わりに who を使えます。物のときは which を使う形もあり、意味は変わりません。

It was my husband who you spoke to on the phone.(電話で話した相手は私の夫です)のように、人を焦点にすると who が自然になります。同じ文を that に置き換えても成立します。どちらを選ぶかは書き手の好みと文体の問題です。

また、抜き出した要素が動詞の目的語にあたる場合は、that や who をまるごと省けます。It was my husband you spoke to on the phone. のように、つなぎ語なしで続けても正しい英語です。くだけた場面ではこの省略形がよく使われます。逆に、抜き出した要素が主語のときは省略できません。

強調構文の be動詞と時制の決め方

前半の be動詞は、もとの文の時制に合わせます。現在の話なら It is、過去の話なら It was です。主語の it は常に単数のままです。

注意が要るのは、焦点に複数の名詞を置いたときです。It’s the parents who were protesting most.(いちばん抗議していたのは親たちだ)では、うしろの動詞は複数に合わせて were になりますが、前半は It’s のまま単数です。前半と後半で動詞の数が食い違って見えますが、これが正しい形です。

時制についても、前半と後半がそろわない場合があります。後半の内容が過去でも、いま話題にしているという気持ちで It is を使うことがあります。判断に迷ったら、もとの文の時制を後半に残し、前半はその出来事が起きた時に合わせるのが安全です。

強調構文の否定文と疑問文

否定にするときは、前半の be動詞を否定します。that 以下は変えません。焦点そのものを打ち消す形になります。

It wasn’t the Greek student who phoned.(電話してきたのはギリシャ人の学生ではなかった)が典型例です。この文は「誰かが電話してきた」ことは認めたうえで、「それがギリシャ人の学生だ」という部分だけを否定しています。ふつうの否定文とは打ち消す範囲が違います。

疑問文にするときは、前半の be動詞を it の前へ出します。Is it August that you are going on holiday? のように、Is it で始めて that 以下をそのまま続けます。答えとして返ってくるのは、焦点の部分が正しいかどうかです。

強調構文と形式主語の it の見分け方

同じ It is 〜 that 〜 という並びでも、形式主語の構文はまったく別物です。見分ける方法は一つ、It is と that を取り去ってみることです。

It was Nina’s car that got broken into. から It was と that を外すと、Nina’s car got broken into. という完全な文が残ります。これが強調構文です。一方 It is clear that he is right.(彼が正しいことは明らかだ)から同じように外すと、clear he is right. となって文になりません。こちらは形式主語の it です。

構造の違いから考えても筋が通ります。強調構文の that 以下は「一か所だけ穴が空いた文」で、抜き出した要素を戻せば元どおりになります。形式主語の that 以下は最初から完全な文で、穴が空いていません。だから戻す場所がなく、取り去ると壊れます。

もう一つの手がかりが、It is のうしろに来る品詞です。強調構文では名詞のかたまりか副詞句が来ますが、形式主語では clear、important、true のような形容詞が来ることが多くなります。形容詞が見えたら形式主語を疑う、という当たりの付け方が実用的です。

強調構文で動詞を強調したいとき

動詞そのものは It is 〜 that の形では強調できません。動詞を強めたいときは、別の手段である強調の do を使います。

He does look like his father.(彼は本当に父親に似ている)のように、一般動詞の前に do・does・did を置くと、その動詞の内容が強まります。過去なら did を置き、うしろの動詞は原形に戻します。

この形と強調構文は、強めている対象が違います。強調構文が「誰が、いつ、何を」という部品を焦点にするのに対し、強調の do は「本当にそうなのだ」という動作そのものを押します。同じ「強調」という言葉でくくられていますが、狙う場所が別だと理解しておくと使い分けを間違えません。

強調構文と What で始まる強調の違い

文を二つに割って焦点を作る型は、It で始めるもののほかにもあります。What で始める形も同じ仲間で、こちらは焦点が文の後半に来ます。

What they like is smoked salmon.(彼らが好きなのはスモークサーモンです)では、前半の What they like が既に共有されている情報で、うしろの smoked salmon が新しい情報です。It で始める形とは、新旧の位置がちょうど逆になっています。

What we need to do is get new batteries for it.(必要なのは新しい電池を買うことだ)のように、動作をまるごと焦点にすることもできます。この点は It で始める形にはできない芸当です。What のほかに why、where、how で始める形もあり、いずれも同じ働きをします。

強調構文の英語名 cleft sentence の由来

強調構文の英語名は cleft sentence です。cleft は「割れた、裂けた」という意味で、一つの内容が二つの節に割られていることを表しています。

形容詞の cleft は14世紀後半の英語に現れた語で、動詞 cleave(割る、裂く)の過去分詞から生まれました。名詞の cleft は1570年代の形で、中英語の clift(裂け目、割れ目)が変化したものです。さらにさかのぼると古英語の geclyft、ゲルマン祖語を経て、「引き裂く」を意味する印欧祖語の語根にたどり着きます。

日本語の「分裂文」はこの cleft をそのまま訳した呼び名です。一方「強調構文」という名前は、この形が何のために使われるかを表しています。構造を言い当てているのが分裂文、目的を言い当てているのが強調構文。同じものを別の角度から呼んでいるだけなので、どちらの用語が出てきても慌てる必要はありません。

強調構文のよくある間違い

つまずく箇所は三つです。形式主語との取り違え、動詞を焦点にしようとすること、そして be動詞の数です。

一つ目は、形式主語の it を強調構文と読んでしまう間違いです。It is important that you come. を「あなたが来ることが重要なのだ」と強調構文として訳すと、構造を取り違えています。It is と that を外して文が残るかどうかで、必ず先に確かめてください。

二つ目は、動詞を It is のうしろに置いてしまう間違いです。It is run that he does. のような形は作れません。動詞を強めたいときは強調の do を使います。

三つ目は、焦点が複数だからといって前半を It are にしてしまう間違いです。前半の it は常に単数で、It’s the parents who were protesting most. のように後半だけが複数に合わせます。ここは見た目の不一致に引きずられやすい部分です。

強調構文についてよくある質問

Q. 形式主語の it とどう見分けますか

It is と that を取り去ってみてください。残りが完全な文として成立すれば強調構文、成立しなければ形式主語の it です。It is のうしろが形容詞なら、まず形式主語を疑います。

Q. that は省略できますか

強調した要素が動詞の目的語にあたる場合は省略できます。It was my husband you spoke to on the phone. のような形です。強調した要素が主語のときは省略できません。

Q. 人を強調するときは who と that のどちらですか

どちらでも構いません。人が焦点のときは who が使え、that に置き換えても意味は変わりません。書き手の好みと文体で選ばれています。

Q. 動詞を強調したいときはどうしますか

It is 〜 that の形では動詞を焦点にできません。He does look like his father. のように、動詞の前に do・does・did を置く強調の do を使います。

強調構文のまとめ

強調構文とは、一つの内容を二つの節に割り、新しい情報だけを It is のうしろへ押し出す形です。作り方は、強調したい部分を抜き出して It is に続け、残りを that 以下に並べるだけで、語順の組み替えは不要です。

強調できるのは名詞のかたまりと副詞句で、動詞は対象になりません。人が焦点なら who も使え、目的語にあたる場合はつなぎ語を省けます。形式主語の it と見分けるときは、It is と that を外して文が残るかどうかを確かめる。この一手で、同じ見た目の二つの構文を確実に切り分けられます。

強調構文の出典

強調構文の構造・つなぎ語の選び方・省略の条件、および cleft の語義と語源は以下の英英辞典・文法解説・語源辞典で確認しました。

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