リソースとは、目的を果たすために使える資源のことです。ビジネスでは人・時間・お金・設備など、投入できるもの全般をまとめてこう呼びます。
この記事では、リソースの意味を英語 resource の語源からたどり、資源・人員・工数との線引き、イギリス英語とアメリカ英語で強勢の位置が変わる発音、そして可算・不可算の扱いまでを整理します。日本語では単数形のまま使うことが多いため、英語に直したときにつまずきやすい点を中心に見ていきます。
リソースとは何か(結論)
リソースとは、国・組織・個人が持っていて、必要なときに使える蓄えのことです。英語の resource も同じで、目的を達成するために動員できるものを広く指します。
Oxford Learner’s Dictionaries は、国や組織や人が持っていて使うことのできる供給源という説明を最初に置いています。石油や水のような自然の資源も、資金も、人手も、この一語でまとめられます。
日本語のリソースは、このうち仕事に投入できるものという面が強く出た使われ方をします。「リソースが足りない」と言えば、多くの場合は人手か時間のことを指しています。
リソースの語源は「もう一度立ち上がる」
resource が英語に現れたのは1610年代です。「不足を補うための手段」という意味で、フランス語の resourse(源、泉)から入りました。
そのフランス語は、古フランス語の動詞 resourdre(立ち直る、再び起き上がる)の過去分詞が名詞になったものです。さらにさかのぼるとラテン語の resurgere に行き着きます。re-(再び)と surgere(立ち上がる)が合わさった語です。
つまりリソースは、もともと「もう一度立ち上がるためのもの」でした。倒れかけたときに身を起こす力の出どころ、というのが語の芯にあります。同じ surgere から出た語には surge(うねり)や resurgent(再び勢いを得た)があり、いずれも上向きの動きを表しています。
リソースが「国の富」を指すようになるまで
「援助が得られる見込み」という意味と、「その場をしのぐ手立て」という意味が加わるのは1690年代です。どちらも困った状況を前提にした語義でした。
複数形の resources が「国の富、資金や物資を調達する力」を指すようになったのは1779年の記録が最初です。ここで初めて、現在のわたしたちが使う「経営資源」に近い意味が立ち上がりました。
さらに時代が下ると、学習を助ける資料という意味も加わります。図書館の resource center という言い方は1968年から記録されています。動詞の resource(資源を供給する)が現れるのは1975年で、これはかなり新しい用法です。
リソースと資源・人員・工数の違い
日本語には近い訳語が並びます。それぞれが指す範囲を分けます。
| 言葉 | 指しているもの | 英語 |
|---|---|---|
| リソース | 投入できるもの全般(人・時間・金・設備) | resource |
| 資源 | 原材料や自然の産物 | natural resources |
| 人員 | 人の頭数 | staff / headcount |
| 工数 | 作業に必要な人と時間の積 | man-hours |
リソースがいちばん広い語で、資源も人員も工数もその内側に入ります。会議で「リソースが足りない」と言うと何が足りないのかが伝わらないため、人手なのか時間なのか予算なのかを言い添えると話が早くなります。
リソースの発音とアクセント
resource は、イギリス英語とアメリカ英語で強く読む位置が変わる語です。イギリス英語では /rɪˈzɔːs/ のように第二音節を、アメリカ英語では /ˈriː.sɔːrs/ のように第一音節を強く読みます。
子音にも差があります。イギリス英語では s が濁って /z/ になる形が広く使われ、アメリカ英語では濁らない /s/ の形が主流です。Cambridge Dictionary はイギリス英語について /rɪˈzɔːs/ と /ˈriː.sɔːs/ の両方を、アメリカ英語について /ˈriː.sɔːrs/ と /ˈriː.zɔːrs/ の両方を載せています。
日本語の「リソース」は第一音節を強く読むアメリカ式に近い形です。ただし英語では最後の -source が「ソース」ではなく短くこもった音になります。調味料の sauce とは母音が別なので、そこだけ気をつけると通じやすくなります。
英語 resource が複数形で使われる理由
resource は可算名詞です。Cambridge Dictionary は「usually plural(たいてい複数形)」という注記を付けており、実際の文章では resources の形で現れることが圧倒的に多くなります。
理由は、この語が数えられる個々の蓄えを指す語だからです。石油、水、資金、人手はそれぞれ別の蓄えであり、まとめて言うときは自然に複数になります。natural resources、human resources、financial resources はいずれも複数形が定型です。
単数の a resource が使われるのは、ひとつの具体的な情報源や道具を指すときです。The library was a valuable resource. のように、数えられるひとつのものとして扱います。日本語で「リソース」と単数のまま言う癖のまま英作文すると、ここで形がずれます。
リソースと組み合わせて使う語
resource は決まった形容詞や動詞と組んで使われます。よく出るものを並べます。
| 組み合わせ | 意味 | 形 |
|---|---|---|
| natural resources | 天然資源 | 複数形 |
| human resources | 人的資源、人事部門 | 複数形 |
| limited resources | 限られた資源 | 複数形 |
| a valuable resource | 価値ある情報源・手段 | 単数形 |
allocate resources(資源を配分する)、pool resources(資源を持ち寄る)のように、動詞と組む形もよく使われます。いずれも複数形が前提になっている点に注目すると、形を間違えにくくなります。
リソースを使った英語の例文
国の強みを言う例です。The country’s greatest resource is the dedication of its workers.(その国の最大の資源は労働者の献身だ)。ひとつに絞って言うときは単数形になります。
情報源を言う例です。The library was a valuable resource for her research.(その図書館は彼女の研究にとって貴重な情報源だった)。学習教材や参考資料を指す用法です。
動詞の例です。The school must be properly resourced.(その学校には十分な資金や設備が与えられなければならない)。動詞の resource は受け身で使われることが多く、予算や備品を与えるという意味になります。
ヒューマンリソースという言い方
human resources は「人的資源」と訳されますが、英語では人事部門そのものを指す語としても定着しています。HR という略記はこの語から来ています。
この言い方は、人を経営資源のひとつとして数えるという発想を前提にしています。だからこそ、人を物扱いしているという批判も英語圏では長く議論されてきました。近年は people team や talent といった別の呼び方に置き換える企業も増えています。
日本語でも「リソース」を人に対して使うときは同じ注意が要ります。「あの人はリソースが空いている」という言い方は社内では通じますが、当人に向けて使うと冷たく響く場面があります。
リソースが持つ「機転」という意味
あまり知られていませんが、resource には人の性質を指す用法もあります。Oxford Learner’s Dictionaries は、困難な状況に対処する助けとなる勇気や想像力といった個人の資質、という語義を挙げています。
Cambridge Dictionary も、格式ばった用法として resourcefulness(機転が利くこと)と同じ意味を持つと記しています。持ち物ではなく、その人の中にある立ち直る力を指す使い方です。
この語義は語源とまっすぐつながっています。resurgere が「再び立ち上がる」だったことを思い出すと、外にある蓄えではなく内にある回復力を指す用法が残っているのは自然なことだと分かります。
リソースのよくある間違い
一つ目は単複です。経営資源や天然資源のようにまとまりを指すときは resources と複数形にします。resource と単数のままにすると、特定のひとつの情報源を指す意味になってしまいます。
二つ目は source との混同です。source は「出どころ、源」であり、情報や川の水源を指します。resource は「使える蓄え」で、re- が付いている分だけ意味が変わっています。
三つ目は綴りです。resource の中央は -source であって -sauce ではありません。語源が「再び立ち上がる」であることを押さえておくと、re と source に割って覚えられます。
リソースについてよくある質問
和製英語ではありません。英語の resource をそのまま取り入れた語です。ただし日本語では単数形のまま使う習慣があり、英語では複数形の resources が主流である点が異なります。
source は「出どころ、源」を指し、resource は「必要なときに使える蓄え」を指します。情報の出典は source、投入できる人手や資金は resources です。
どちらも正しい発音です。イギリス英語では第二音節を強く読む /rɪˈzɔːs/、アメリカ英語では第一音節を強く読む /ˈriː.sɔːrs/ が主流で、辞書には両方が載っています。
可算名詞です。ただし辞書には「たいてい複数形」という注記が付いており、実際の文では resources の形で使われることがほとんどです。
リソースのまとめ
リソースとは、目的を果たすために使える蓄えのことです。英語 resource は1610年代に「不足を補う手段」として現れ、ラテン語の resurgere(再び立ち上がる)にさかのぼります。複数形が「国の富」を指すようになったのは1779年の記録が最初です。
発音はイギリス英語で /rɪˈzɔːs/、アメリカ英語で /ˈriː.sɔːrs/ と強勢の位置が変わります。可算名詞ですが実際にはほぼ複数形で使われ、単数形は具体的なひとつの情報源を指すときに限られます。人の資質としての「機転」という語義も残っており、いずれも「立ち直る力」という語源から説明できます。
リソースの出典
resource の定義・語源・発音は以下の英英辞典と語源辞典で確認しました。

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