ステータスとは、ある人や組織が社会のなかで占めている位置のことです。英語の status をそのままカタカナにした語で、Cambridge Dictionary は名詞 status に「社会集団のなかで認められた位置、あるいは公式の位置」という語義を立て、レベル C1 を付けています。
この記事では、ステータスの意味を英英辞典の語義からたどり、ラテン語 stare(立つ)にさかのぼる語源、1670年代・1791年・1820年という三つの年号、state・statue・station といった同じ語根から育った語との線引き、通販やITの画面に出てくる「ステータス」がどの語義にあたるのか、辞書が示す発音の揺れと数え方までを整理します。日本語のステータスは「格の高さ」の方向へ寄って使われますが、英語の status はもっと広く、法律上の身分や、今どうなっているかという状態までを引き受ける語です。
ステータスとは何か(結論)
ステータスとは、その人やものが「どこに立っているか」を示す語です。社会のなかでの位置、法律のうえでの身分、そして今この時点でどうなっているかという状態。英英辞典はこの三つをひとつの見出し語のなかに並べて立てています。
Cambridge Dictionary は最初の語義に「社会集団のなかで認められた位置、あるいは公式の位置」を置き、レベル C1 を付けています。挙げられている例は「退職した人たちの status を、地域社会に役立つ一員として押し上げる」「難民としての status を求める申請が増えた」「本が売れたことで、思いがけず有名人としての status が付いた」などです。
同辞典は二つ目の語義として、人・組織・ものに向けられる敬意や称賛、重んじられ方そのものを挙げています。high status/low status という組み合わせで使われ、「大統領の娘として、彼女は仲間うちで高い status を享受している」「指導者たちはしばしば、人々が抱える問題よりも status と特権のほうを気にかけていた」という例が並びます。
Oxford Learner’s Dictionaries は、これをもっと細かく四つに割ります。一つ目が「人・集団・国の法律上の位置」、二つ目が「ほかとの関係で見たときの、人やものの社会的・職業的な位置」、三つ目が「高い地位や高い社会的位置」、四つ目が「あるものに与えられている重要度の高さ」です。
四つ目の語義の例が分かりやすいところです。「わたしたちの文化で科学に与えられている status の高さ」「経済大国としての中国の status」「50年代の車が獲得したカルト的な status」。ここでの status は人ではなく、ものごとが世の中でどれくらい重く扱われているかを指しています。
日本語のカタカナ語「ステータス」が主に受け取っているのは、このうちの「格の高さ」の側です。Oxford Learner’s Dictionaries の三つ目の語義「高い地位や高い社会的位置」がそれにあたり、「その仕事は status と高い収入をもたらす」という例文が、日本語の語感とほぼ重なります。
ステータスの語源はラテン語 stare「立つ」
Online Etymology Dictionary によれば、英語の status が現れたのは1670年代です。もとはラテン語の status で、その語は「立つ」を意味する動詞 stare の過去分詞の語幹から作られています。印欧祖語の語根までさかのぼると *sta-「立つ、しっかりと置く」に行き着きます。
同辞典は、ラテン語 status の意味を「状態、位置、ありさま、身のこなし、構え」と記しています。人がある場所に立っている、その立ち方と立ち位置をひとまとめに呼んだ語だということです。日本語の「立場」という言い方が、そのまま重なります。
英語に入ったばかりの1670年代の status は、状況や状態の「高さ」を指す語だったと同辞典は書いています。ここから、後の「地位の高さ」という使い方までは一直線です。高い低いで測るものとして最初から受け取られていた、ということになります。
| 年 | Online Etymology Dictionary が記す status の使われ方 |
|---|---|
| 1670年代 | 状況や状態の「高さ」を指す語として英語に現れる |
| 1791年 | 法律の分野で「ある定まった身分の枠に照らした法的な立ち位置」を指すようになる |
| 1820年 | 「その人が属する社会や職業のなかでの立ち位置」の意味が確認される |
| 1947年 | 近代社会学のなかで形容詞として使われはじめる(status-anxiety) |
| 1951年/1955年/1956年 | status-seeker/status symbol/status-seeking が記録される |
この年表を横に読むと、意味が広がった順番が見えます。まず状態の高さ、次に法律上の身分、その次に社会のなかでの立ち位置。今の英語の status が抱えている三つの顔は、この百五十年ほどのあいだに一つずつ積み重なったものです。
なお同辞典は、印欧祖語の語根 *sta- から育った語として、stand(立つ)、stable(安定した)、standard(基準)、statue(像)、station(駅・持ち場)、statute(成文法)、statistics(統計)、stance(構え)、constant(一定の)、instant(瞬間)、obstacle(障害)などを挙げています。ラテン語だけでなく、サンスクリット語 tisthati「立つ」、ギリシャ語 histēmi「置く、立たせる」、古英語 standan「立つ」も同じ根から出ています。
ステータスの意味は辞書で三つに分かれる
英英辞典の語義を並べ替えると、status が引き受けている意味は大きく三つにまとまります。①社会的な地位、②法律上の身分、③今どうなっているかという進行の状態です。日本語のステータスは①に、ITのステータスは③に寄っています。
①の社会的な地位は、Cambridge Dictionary の二つ目の語義と、Oxford Learner’s Dictionaries の二つ目・三つ目の語義がこれにあたります。「男性と同等の status を与えてほしいと女性たちは求めているだけだ」「看護師の status を引き上げようという運動」といった例が典型です。high social status、low status jobs のように high/low と組みます。
②の法律上の身分は、Oxford Learner’s Dictionaries が最初に立てている語義です。refugee status(難民としての身分)、legal status(法的な位置づけ)、immigration status(在留に関する身分)、resident status(居住者としての身分)といった形で並びます。Cambridge Business English も「人や組織の公式なあるいは法的な位置」を最初に置き、「雇用主は新しく雇う人の legal status を確かめる義務がある」という例を挙げています。
| ステータスの顔 | 辞書が立てている語義 | 辞書の例 | 日本語で言うと |
|---|---|---|---|
| ①社会的な地位 | ほかとの関係で見た人やものの位置/向けられる敬意の量 | high social status、low status jobs、celebrity status | 地位、格、世間での重み |
| ②法律上の身分 | 人・集団・国の法律上の位置 | refugee status、charitable status、legal status | 身分、資格、法的な位置づけ |
| ③進行の状態 | 今の時点での状況や状態 | the patient’s health status、order status | 状態、進み具合、ステータス表示 |
③の進行の状態は、Cambridge の American Dictionary がはっきり書いています。「status は、ある時点での状態や状況という意味にもなる」として、「どの治療法を使うかは患者の health status によって決まる」という例を挙げています。Cambridge Business English も「今この時点での状況」という語義を立て、「国全体の financial status を誰もが気にしている」「ご注文の status が『発送済み』に変わりました」を並べています。
同じ status という一語が、人の格から注文の進み具合までを引き受けられるのは、語源が「立っている位置」だからです。社会という平面のどこに立っているかを言えば地位になり、法律という枠のどこに立っているかを言えば身分になり、手続きという流れのどこに立っているかを言えば進行状態になります。立ち位置という一点さえ押さえれば、三つは別々の意味ではありません。
Cambridge Dictionary はもう一つ、SNS の語義も立てています。「ソーシャルメディア上で、今自分が何をしているか何を考えているかを人に伝えるために自分について公開する情報」で、Facebook が例として名指しされています。日本語で「ステータスを更新する」と言うときの、あの使い方です。
ステータスと state(ステート)の違い
status と state は、どちらもラテン語 status から来た兄弟です。違いは英語に入った経路と時期で、state は1200年ごろにフランス語を経由して入り、status は1670年代にラテン語から直接入りました。同じ語が二度、別の入口から英語に入ったことになります。
Online Etymology Dictionary は state(名詞)の初出を1200年ごろとし、当時の綴りを stat、意味を「ありさま、社会のなかでの位置、人やものが一時的に帯びている性質、条件」としています。古フランス語 estat「位置、状態、身分、背丈、持ち場」から、そしてラテン語 status から直接、という二重の経路を同辞典は記しています。
つまり英語に先に入ったのは state のほうで、status はその四百七十年ほどあとに、ラテン語の形のまま改めて借り入れられた語です。こうした借り入れ方をした語の組は、たいてい役割が分かれます。state は広く「状態」全般を引き受け、status はそのうちの「立ち位置としての状態」に絞られました。
| 語 | 英語での初出 | 入ってきた経路 | 今の中心的な意味 |
|---|---|---|---|
| status | 1670年代 | ラテン語 status から直接 | 社会的な地位、法律上の身分、今の状態 |
| state | 1200年ごろ | 古フランス語 estat 経由+ラテン語から直接 | 状態・条件全般。1530年代から「国家」の意味も |
state のほうは、その後さらに枝を伸ばしました。同辞典によれば、形や構造としての物理的な状態、ある基準に照らした状態という意味は1300年ごろから、心や感情の状態は1530年代から確認されます。state of mind という言い方が現れるのは1749年、量子物理学の「状態」は1913年です。
そして「国家」を指す state(名詞)は1530年代に、state の「国のありさま」という意味から分かれました。同辞典は、その背景にラテン語の言い回し status rei publicae「共和国の状態」があったと書いています。国家という語すらも、もとをたどれば「国がどう立っているか」でした。ステータスと国家が同じ語だというのは、英語の語彙のなかでも見通しのいい筋です。
使い分けの目安はこうなります。水が氷になる、機械が停止している、心がざわついている、といった「ありさま」は state。社会や法律や手続きのなかでの「立ち位置」は status。ただし Cambridge の American Dictionary が「status は状態の意味にもなる」と書いているとおり、③の語義では二つは重なります。重なる場所があるだけで、state を status に置き換えられる場面のほうがずっと狭い、と考えると外しません。
ステータスと statue・station・stature は同じ一族
status の周りには、綴りのよく似た語がいくつも立っています。statue(像)、station(駅・持ち場)、stature(背丈)。Online Etymology Dictionary はこれらをすべて、ラテン語 stare「立つ」と印欧祖語の語根 *sta- に結びつけています。
statue(像)は14世紀後半の語で、古フランス語 statue、estatue を経てラテン語 statua から来ています。同辞典は statua を「本来は『立てられたもの』」と説明し、statuere「立たせる、据える」からの逆成だとしています。そして statuere のもとが、ほかならぬ status です。像とは、立たされたもののことでした。
station(駅・持ち場)は13世紀後半の語で、当時の綴りは stacioun、意味は「その人がふだん占めている場所」でした。ラテン語 statio「立っていること、持ち場、任務、歩哨、停泊地」から来ています。乗合馬車の「決まった停車地点」を指すようになるのが1797年、鉄道に使われるのが1830年、ラジオの放送局が1912年です。
| 語 | 初出 | もとのラテン語 | もとの意味 |
|---|---|---|---|
| status | 1670年代 | status | 状態、位置、ありさま、身のこなし |
| state | 1200年ごろ | status | 立っていること、位置、場所、姿勢、秩序 |
| statue | 14世紀後半 | statua | 立てられたもの、像 |
| station | 13世紀後半 | statio | 立っていること、持ち場、歩哨、停泊地 |
| stature | 14世紀初め | statura | 背丈、体の大きさ、成長 |
おもしろいのは、station も status と同じく「地位」の意味へ伸びていることです。同辞典は station について、社会の序列のなかでのその人の「場所」を指す比喩的な使い方が1600年ごろから確認される、と記しています。立っている場所が身分を表すという発想が、二つの語で別々に起きたわけです。
stature(背丈)も同じ方向に伸びました。14世紀初めに「体の自然な高さ」として入り、形の無いものについて比喩的に使われるのは1834年からだと同辞典は書いています。日本語でも「あの人は大きい」が体格と人物の両方を指せるのと同じで、高さと格は言語をまたいで結びつきます。英語の status が1670年代にまず「高さ」として入ったことも、この並びのなかに置くと自然に見えます。
通販やITの画面に出るステータスは「進行の状態」
注文の追跡画面や業務システムに出てくる「ステータス」は、地位でも身分でもなく、三つ目の語義である「今どうなっているか」です。この使い方は英語の辞書にもきちんと載っています。
Cambridge Business English は「今この時点での状況」という語義を立て、その例文として「ご注文の status が『発送済み』に変わりました」を挙げています。日本の通販サイトが「ご注文ステータス」と書いている、あの欄とそのまま同じ用法です。
医療の場面でも同じです。Cambridge の American Dictionary は「どの治療法を使うかは患者の health status によって決まる」という例を載せています。ここでの status は健康の「格」ではなく、その時点での健康状態です。
この語義は、進行中のものごとに向かって使うのが特徴です。注文、申請、手続き、機械の動作。どれも始まりと終わりがあり、途中のどこかに今いる。その「どこにいるか」を一語で言うのが status です。語源の「立っている位置」を、時間の流れのうえに置き直したものだと考えると分かりやすくなります。
SNS の「ステータス」も、辞書のうえでは別立てです。Cambridge Dictionary は「ソーシャルメディア上で、そのときに自分が何をしているか何を考えているかを人に伝えるために公開する情報」という語義を立て、Facebook を例に挙げたうえで、この語義だけは数えられる名詞だと示しています。ここでも「今どうしているか」という進行の側の意味が働いています。
つまり「ステータス=格の高さ」という日本語の語感だけで英語の status を読むと、この手の画面表示にぶつかったときに意味が取れなくなります。辞書は最初から、地位と状態の両方を同じ見出し語のなかに入れています。
ステータスシンボルとステータスクオ(status quo)
status から生まれた複合語のうち、日本語にもそのまま入ってきたのが status symbol と status quo です。前者は1955年、後者は1833年から記録されている語だと Online Etymology Dictionary は記しています。
status symbol は、持っていることでその人の地位が周囲に伝わるもののことです。Oxford Learner’s Dictionaries はコロケーション欄で、status に続く名詞として symbol を挙げています。Cambridge Business English の「特定のブランドを所有していることには、威信と社会的な status が結びついている」「スーツは status のしるしだった」という例文が、この語の中身をよく表しています。
Online Etymology Dictionary は、この周辺の語が1950年前後に集中して生まれたことを記録しています。status-seeker が1951年、status symbol が1955年、社会的な意味での status-seeking が1956年。さらにさかのぼると、社会学のなかで status が形容詞として使われはじめるのが1947年で、そのときの例として status-anxiety(地位をめぐる不安)が挙げられています。
| 表現 | 記録された年 | 意味 |
|---|---|---|
| status quo | 1833年 | 変わっていない状態、今のままの状況 |
| status quo ante | 1877年 | 以前そうであった状態 |
| status-anxiety | 1947年 | 社会学で使われはじめた形容詞用法の例 |
| status-seeker | 1951年 | 地位を追い求める人 |
| status symbol | 1955年 | 地位を示すしるしとなるもの |
| status-seeking | 1956年 | 地位を追い求めること |
status quo のほうは、ラテン語の言い回しがそのまま英語に持ち込まれた形です。Online Etymology Dictionary は1833年からの語とし、ラテン語 status quo が「〜であった状態」を意味する句で、そこから「現に存在している状況」の意味になったと説明しています。1877年には status quo ante「以前の状態」も記録されています。
Cambridge Dictionary は status quo を「今の状況」と定義し、the を付けた the status quo の形で使うと示しています。組み合わせて使われる動詞は maintain(維持する)、keep(保つ)、preserve(守る)、protect(守る)、challenge(異議を唱える)、change(変える)です。「いつでも status quo を維持したがる人たちがいる」という例文が載っています。発音はイギリス英語で /ˌsteɪ.təs ˈkwəʊ/、アメリカ英語で /ˌsteɪ.t̬əs ˈkwoʊ/ です。
ステータスの発音は英米で割れる
status の発音には二通りあります。第一音節を「ステイ」と読む形と、「スタッ」と読む形です。Cambridge Dictionary はイギリス英語に前者だけを、アメリカ英語に両方を載せています。
| 辞書 | イギリス英語 | アメリカ英語 |
|---|---|---|
| Cambridge Dictionary | /ˈsteɪ.təs/ | /ˈsteɪ.t̬əs/ と /ˈstæt̬.əs/ |
| Cambridge(American Dictionary) | — | /ˈsteɪ·t̬əs/ と /ˈstæt̬·əs/ |
| Oxford Learner’s Dictionaries | /ˈsteɪtəs/ | /ˈsteɪtəs/ と /ˈstætəs/ |
どちらの辞書も、第一音節に強勢を置く点では一致しています。/ˈ/ が付いているのは先頭だけなので、体重はそこに乗せます。カタカナの「ステータス」は五拍を平らに並べますが、英語は二音節で、強さの配分は「強・弱」です。
第一音節の母音が割れるところがこの語の見どころです。/eɪ/ は「エ」から「イ」へ動く二重母音で、日本語の「ステー」のように伸ばすのではなく、口の形が途中で変わります。いっぽう /æ/ は口を横に広げて短く出す母音で、こちらだと「スタタス」に近く聞こえます。
Cambridge Dictionary の表示に従えば、イギリス英語では /eɪ/ の一通りだけ、アメリカ英語では /eɪ/ と /æ/ の両方が使われます。Oxford Learner’s Dictionaries も同じく、イギリス英語に一つ、アメリカ英語に二つの発音を並べています。つまり「スタタス」寄りの読み方はアメリカ英語のなかにある揺れだ、というのが二つの辞書に共通した見取り図です。
第二音節の /təs/ はごく軽く落とします。アメリカ英語の表記に付いている /t̬/ は、t が有声化して d に近く響く音を指す記号で、「ステイダス」に近い響きになります。語末の /s/ に母音を足さないこと、そして先頭を強く短く出すこと。この二点だけで、辞書の形にかなり近づきます。
なお status quo のときは、強勢の置き方が変わります。Cambridge Dictionary の表記 /ˌsteɪ.təs ˈkwəʊ/ では、status 側の強勢が第二強勢の /ˌ/ に下がり、いちばん強いのは quo です。二語で一つの言い回しになると、力点は後ろへ移ります。
ステータスの英語 status は数え方と定型が結びついている
status は不可算で使われることが多い語ですが、辞書は「不可算・可算」の両方を認めています。ただし可算として使うときも、たいていは単数です。Oxford Learner’s Dictionaries はこれを「不可算、可算(通常は単数)」という書き方で示しています。
Cambridge Dictionary は最初の語義に [C or U]、SNS の語義に [C]、Cambridge の American Dictionary は [U] を付けています。Cambridge Business English は語義ごとに [S or U]、つまり「単数扱いか不可算」と示しています。辞書によって表示は揺れますが、「複数形をふつうに作る語ではない」という点は共通しています。
「高い地位」を指す Oxford Learner’s Dictionaries の三つ目の語義だけは、不可算だけが示されています。「その仕事は status と高い収入をもたらす」「職場では status と敬意を得ていた」のように、冠詞を付けずに使う形です。日本語のステータスに近いのはこの語義なので、カタカナ語の感覚で英語にするときは冠詞を付けないのが基本になります。
| 定型 | 辞書に載っている形 | 意味 |
|---|---|---|
| refugee status | They were granted refugee status. | 難民としての身分を認められる |
| charitable status | The organization has charitable status. | 慈善団体としての資格を持つ |
| marital status | Cambridge Business English の関連語として掲載 | 配偶者の有無という区分 |
| status as ~ | London’s status as Europe’s leading aviation hub | 〜としての位置づけ |
| the status of ~ | They want to improve the status of women. | 〜の地位 |
| high/low status | low-paid, low-status jobs | 地位が高い/低い |
前置詞の取り方も辞書がそろえてくれています。Oxford Learner’s Dictionaries のコロケーション欄は status as、status among、status of の三つを挙げ、よく使う言い回しとして change in status(身分の変化)を示しています。組み合わせる動詞は enjoy(享受する)、have(持つ)、achieve(獲得する)です。
間違えやすいのは三点です。一つ目は、複数形の statuses を安易に作ってしまうこと。Cambridge Dictionary の用例欄には学術コーパスからの statuses が並んでいますが、これは学術文で複数の区分を並べるときの用法で、日常的な英語では単数か無冠詞が基本です。二つ目は「格の高さ」の語義だけで status を読むこと。注文や健康状態にも使う語です。三つ目は state で言うべき場面に status を持ち込むことで、水や機械や心の「ありさま」は state の領分です。
逆に、日本語で「ステータスが高い」と言いたい場面は、辞書どおり have a high status、high social status、あるいは動詞を添えて raise the status of ~ と組めば外しません。Oxford Learner’s Dictionaries の「看護師の status を引き上げる運動が行われている」「女性の status を改善したい」という例文が、そのまま使える型です。
ステータスについてよくある質問
ラテン語の status で、そのもとは「立つ」を意味する動詞 stare の過去分詞の語幹です。Online Etymology Dictionary は、ラテン語 status の意味を「状態、位置、ありさま、身のこなし、構え」とし、さらにさかのぼると印欧祖語の語根 *sta-「立つ、しっかりと置く」に行き着くと記しています。英語に status が現れたのは1670年代で、そのときは状況や状態の「高さ」を指す語でした。法律の分野で身分を指すようになるのが1791年、社会や職業のなかでの立ち位置を指すようになるのが1820年です。
もとは同じラテン語 status ですが、英語に入った時期と経路が違います。Online Etymology Dictionary によれば state は1200年ごろ、古フランス語 estat を経由して、またラテン語からも直接入った語で、「ありさま、社会のなかでの位置、条件」を指しました。status はその後の1670年代に、ラテン語の形のまま改めて借り入れられています。今は、状態や条件全般を広く引き受けるのが state、社会や法律や手続きのなかでの立ち位置に絞られるのが status、という分担です。なお1530年代に state から「国家」の意味が分かれ、その背景にはラテン語の言い回し status rei publicae があったと同辞典は書いています。
正しい使い方です。Cambridge Business English は「今この時点での状況」という語義を立て、「ご注文の status が『発送済み』に変わりました」を例文として載せています。Cambridge の American Dictionary も「status はある時点での状態や状況という意味にもなる」と明記し、「患者の health status によって治療法が決まる」を挙げています。日本語のステータスが「格の高さ」に寄って使われるため誤用に見えがちですが、英語の辞書はこの意味を正面から立てています。
どちらもあります。Cambridge Dictionary はイギリス英語に /ˈsteɪ.təs/ の一通りだけを載せ、アメリカ英語には /ˈsteɪ.t̬əs/ と /ˈstæt̬.əs/ の二通りを載せています。Oxford Learner’s Dictionaries も同じく、イギリス英語に /ˈsteɪtəs/、アメリカ英語に /ˈsteɪtəs/ と /ˈstætəs/ を並べています。つまり「スタタス」寄りの読み方はアメリカ英語のなかにある揺れです。どちらの場合も強勢は第一音節にあり、後ろの /təs/ は軽く落とします。
ステータスのまとめ
ステータスとは、その人やものが社会・法律・手続きのなかで「どこに立っているか」を示す語です。英英辞典は、社会的な地位、法律上の身分、今どうなっているかという状態の三つを、ひとつの見出し語のなかに並べています。
語源はラテン語 status で、さらにさかのぼると「立つ」を意味する動詞 stare、印欧祖語の語根 *sta- に行き着きます。英語に現れたのは1670年代、法律上の身分を指すようになるのが1791年、社会や職業のなかでの立ち位置を指すようになるのが1820年です。status symbol は1955年、status quo は1833年から記録されています。
同じ語根から育った語を並べると、この語の輪郭がはっきりします。state(ありさま・国家)、statue(立てられたもの=像)、station(立っている場所=持ち場・駅)、stature(立った高さ=背丈)。どれも「立つ」から出ていて、station と stature が地位や格の意味へ伸びているのも status と同じ道筋です。
英語で使うときは、不可算が基本で可算のときも単数であること、前置詞は as・of・among を取ること、そして「格の高さ」だけでなく注文や健康の状態にも使える語であることの三つを押さえておけば足ります。発音は第一音節に体重を乗せ、アメリカ英語では /ˈsteɪ.t̬əs/ と /ˈstæt̬.əs/ の二通りが辞書に載っています。
ステータスの出典
status の定義・語法・発音・語源は以下の英英辞典と語源辞典で確認しました。
- Cambridge Dictionary|status
- Oxford Learner’s Dictionaries|status(名詞)
- Online Etymology Dictionary|status
- Cambridge Dictionary|status quo
- Online Etymology Dictionary|status quo
- Online Etymology Dictionary|state
- Online Etymology Dictionary|statue
- Online Etymology Dictionary|station
- Online Etymology Dictionary|stature

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