MENU

ユーザビリティとは?意味と語源は use+-able|accessibility との違いと英語 usability の発音

ユーザビリティとは、それが使いやすいという事実、そして使いやすさの度合いのことです。英語の usability をそのままカタカナにした語で、英英辞典では「使いやすいという性質」と定義され、どちらの辞書も数えない名詞として扱っています。

この記事では、ユーザビリティの意味を英英辞典の語義からたどり、use(使う)+-able+-ity という組み立て、accessibility や user-friendly との線引き、辞書が示す発音と数え方、usability testing という決まり文句、そして形容詞 usable の使い方までを整理します。ウェブ制作でも製品開発でも顔を出す語なので、英語の usability がどこまでを指すのかを一度そろえておくと、英語の資料を読むときに迷いません。

目次

ユーザビリティとは何か(結論)

ユーザビリティとは、何かが使いやすいという事実、または使いやすさの程度のことです。Cambridge Dictionary は usability をこの二つを並べた形で定義しています。

添えられた例文は、応募者はウェブサイトの設計とユーザビリティについて豊富な経験を持っていなければならない、という求人めいた文です。定義のすぐ下には usability testing という組み合わせも並んでいます。

注意したいのは出どころです。一般向けのURLで usability を引いても、返ってくる定義の末尾には Cambridge Business English Dictionary と書かれています。つまりこの語は、学習者向けの一般辞書ではなくビジネス英語の辞書に載っている語だ、ということです。

Oxford Learner’s Dictionaries はもっと短く、使いやすいという性質、と定義しています。品詞欄は [uncountable] です。例文は、その部署は政府のウェブサイトのアクセシビリティとユーザビリティを高める責任を負っている、という文で、二つの語が並んで出てきます。

つまり英語の usability は、①使いやすいという事実、②その度合い、の二つを行き来する語です。日本語のユーザビリティは①の感覚で語られがちですが、辞書の定義に degree(度合い)が明記されている以上、測る対象としての顔のほうが英語では強く出ます。

ユーザビリティの語源は use(使う)+-able+-ity

usability は三つの部品でできています。動詞 use、「〜できる」を作る -able、そして形容詞から抽象名詞を作る -ity です。順番にさかのぼると、語の姿がそのまま見えてきます。

Online Etymology Dictionary は形容詞 usable を14世紀後半からとし、当時の意味を「使うのに適した」としています。古フランス語 usable(入手できる、使われている/14世紀)から来ており、その動詞 user は「用いる、使う」でした。

同辞典はさらに、usable が1840年ごろまではあまり使われず、おそらくその時期に use(動詞)+-able として作り直された、と記しています。いったん古フランス語から入った語が、英語の中でもう一度組み立て直されたわけです。

その動詞 use の来歴も同辞典に載っています。1200年ごろに usen として「ある目的のために用いる」の意味で入り、古フランス語 user、俗ラテン語の *usare を経て、ラテン語 uti(用いる、利益を得る、活用する、楽しむ、消費する)にさかのぼります。ただし uti そのものの起源は不明とされています。

最後の -ity については、Online Etymology Dictionary が accessibility の項に併記して説明しています。形容詞から抽象名詞を作る要素で、意味は「〜であるという状態や性質」。中英語 -ite、古フランス語 -ete(現代フランス語 -ité)を経て、ラテン語 -itatem(主格 -itas)から来ています。

ユーザビリティと accessibility の違い

Oxford Learner’s Dictionaries の usability の例文には、accessibility と usability が並んで出てきます。似た場面で使う語ですが、辞書の定義を見ると出発点が違います。

語 辞書の定義 数え方
usability 使いやすいという事実、または使いやすさの度合い(Cambridge)/使いやすいという性質(Oxford) [U]/[uncountable]
accessibility 容易にたどり着ける、または手に入れられるという事実(Cambridge)/どれくらい容易に到達・入場・使用・視認できるか(Oxford) [U]/[uncountable]

Cambridge Dictionary の accessibility は四つの語義を立てています。一つめが、容易にたどり着ける、または手に入れられるという事実。町の中心部への行きやすさを高めるために2本の新しい道路が造られている、という例文が付いています。

二つめは建物についての語義で、車いすを使う人や目の見えない人を含め、誰もが入って使えるという性質。三つめは技術についての語義で、障害のある人を含め誰もが使えるという性質です。スクリーンリーダーのソフトが目の見えない人によりよいウェブアクセシビリティをもたらす、という例文が載っています。

四つめは、理解しやすい、あるいは楽しみやすいという性質です。彼女の戯曲のとっつきやすさが、幅広い観客に届くことを可能にしている、という例文が付いています。Oxford Learner’s Dictionaries も三つめの語義として、どれくらい理解しやすいか、を立て、反対語に inaccessibility を挙げています。

Oxford Learner’s Dictionaries は障害に関わる語義に Disability のトピックと C1 の印を付けています。語源も分かれていて、Online Etymology Dictionary によれば accessibility は1758年、フランス語 accessibilité から、あるいは accessible +-ity として英語の中で作られた語です。

整理すると、accessibility が問うのは「そこへ届くか、入れるか」、usability が問うのは「届いたあと、うまく使えるか」です。前者が扉、後者が中の使い勝手にあたります。

ユーザビリティと user-friendly の違い

日本語では「ユーザビリティが高い」と「ユーザーフレンドリー」がほぼ同じ意味で使われますが、英語では品詞が違います。usability は名詞、user-friendly は形容詞です。

Cambridge Dictionary は user-friendly を、とくにコンピュータに関わるものについて、人が使うのが簡単であること、と定義しています。発音はイギリス英語 /ˌjuː.zəˈfrend.li/、アメリカ英語 /ˌjuː.zɚˈfrend.li/ です。a user-friendly interface、a user-friendly instruction manual という例が並びます。

同辞典のアメリカ英語の項は、人が扱いやすい、と短く定義し、このソフトはとても user-friendly だ、という例文を添えています。関連語として user-friendliness という名詞も挙げられています。

Oxford Learner’s Dictionaries の定義には、日本語に無い条件が入っています。専門家ではない人にとって使いやすい、あるいは理解しやすい、という定義です。博物館をもっと user-friendly にするには何ができるだろう、という例文もあり、コンピュータ以外にも使える語だと分かります。

使い分けは単純です。測る対象として名指しするなら usability、ものを形容するなら user-friendly。Cambridge Dictionary は user-friendly を Easiness and simplicity(易しさと単純さ)のトピックに置いており、そのグループには accessibility も並んでいます。

ユーザビリティの発音は /ˌjuːzəˈbɪləti/

usability の強勢は、真ん中よりやや後ろの -bil- にあります。カタカナの「ユーザビリティ」は頭の「ユー」を強く読みがちなので、ここがずれます。

語 Cambridge Dictionary Oxford Learner’s Dictionaries
usability(名詞) /ˌjuːzəˈbɪləti/ /ˌjuːzəˈbɪləti/
usable(形容詞) /ˈjuː.zə.b ə l/(米語辞典では /ˈju·zə·bəl/) /ˈjuːzəbl/
accessibility(名詞) 英 /əkˌses.əˈbɪl.ə.ti//米 /əkˌses.əˈbɪl.ə.t̬i/ /əkˌsesəˈbɪləti/
user-friendly(形容詞) 英 /ˌjuː.zəˈfrend.li//米 /ˌjuː.zɚˈfrend.li/ /ˌjuːzə ˈfrendli/

先頭の /ˌjuː/ には第二強勢の印が付いています。まったく弱いわけではなく、いちばん強い山は -bil- にある、という関係です。

形容詞の usable になると強勢が先頭へ移り、/ˈjuːzəbl/ になります。名詞化して -ity が付くと山が後ろへずれる、という英語のよくある動き方です。accessibility も同じで、-bil- のところが山になります。

ユーザビリティの英語 usability は数えない名詞

Cambridge Dictionary は usability に [U]、Oxford Learner’s Dictionaries は [uncountable] を付けています。二つの辞書が一致して不可算としている語です。

そのため a usability や usabilities という形は辞書に立っていません。度合いを言いたいときは、high usability、poor usability のように形容詞で支えるか、the usability of ~ と of でつなぎます。

Cambridge Dictionary が載せているコーパスの用例も、ほぼこの二つの型です。システムのユーザビリティは、インターフェイスの適応と一般的なインターフェイス上の解決策の両方を踏まえて検証されるべきだ、という文では usability of the system の形が出ています。

比較対象の accessibility も、Cambridge・Oxford ともに [U]/[uncountable] です。-ity で作られた抽象名詞はまとめて数えない側に入る、と覚えておくと迷いません。

ユーザビリティを測る usability testing という決まり文句

Cambridge Dictionary は usability の定義のすぐ下に usability testing を並べています。辞書が組み合わせとして立てているということは、英語でもそのまま使える形だということです。

コーパスの用例にも出てきます。質問票はユーザビリティテストで使う前に研究チームの内部で妥当性が検証された、という文では during the usability testing という形になっています。

この形が成り立つのは、usability の定義に degree(度合い)が入っているからです。度合いがある語だから測れる。日本語で「ユーザビリティテスト」と言うときも、英語の語義とずれません。

ユーザビリティの形容詞は usable|反対語は unusable

Cambridge Dictionary は usable を、使うことができる、と定義しています。例文は、その特定のソフトウェアは他の研究分野でも使える、という文です。

同辞典のアメリカ英語の項はもう少し具体的で、ある目的のために使える、と定義し、その家は使えるようにするには多くの手直しが要る、という例文を添えています。「使いやすい」ではなく「使える」が芯にある語です。

Oxford Learner’s Dictionaries は二つを並べています。使うことができる、そして、使えるだけの十分によい状態にある、という定義です。このデータをどうすれば使える形で表示できるだろう、その自転車はさびているが使える、という例文が付いています。

反対語も明記されています。Oxford Learner’s Dictionaries は usable の項に opposite unusable と書いています。Online Etymology Dictionary には reusable(1922年)も立っており、こちらは re-(再び)+usable です。non-reusable は1905年から記録があります。

ユーザビリティを使った英語の例文とよくある間違い

まずは基本の型です。website design and usability(ウェブサイトの設計とユーザビリティ)。Cambridge Dictionary の例文にそのまま出てくる並びで、無冠詞で使います。

of でつなぐ型も覚えておきます。improving the accessibility and usability of government websites(政府のウェブサイトのアクセシビリティとユーザビリティを高めること)。Oxford Learner’s Dictionaries の例文です。

形容詞で言い換える型も便利です。How can we display this data in a usable form?(このデータをどうすれば使える形で表示できるだろう)。in a usable form は名詞を使わずに済ませる言い方です。

間違いの一つ目は、可算名詞のつもりで使うことです。Cambridge・Oxford とも [U] なので、a usability という形は辞書にありません。

二つ目は、usability を「使いやすさへの配慮」の意味で人に対して使うことです。辞書の定義はものの性質を指すので、人への配慮を言うなら user-friendly という形容詞のほうが合います。

三つ目は発音です。強く読むのは -bil- で、頭の /ˌjuː/ は第二強勢にとどまります。カタカナの「ユー」を強く出すと山が二つになり、英語の耳には落ち着きません。

ユーザビリティについてよくある質問

Q. ユーザビリティとアクセシビリティはどう違いますか

届くかどうかと、使えるかどうかの違いです。Cambridge Dictionary は accessibility を「容易にたどり着ける、または手に入れられるという事実」と定義し、建物や技術について「誰もが入って使える/使えるという性質」という語義も立てています。usability の定義は「使いやすいという事実、または使いやすさの度合い」なので、たどり着いたあとの使い勝手を指します。

Q. usability は複数形にできますか

できません。Cambridge Dictionary は [U]、Oxford Learner’s Dictionaries は [uncountable] を付けています。度合いを言うときは high や poor のような形容詞で支えるか、the usability of ~ と of でつなぎます。

Q. ユーザビリティと user-friendly は言い換えられますか

品詞が違うので、そのままでは置き換えられません。usability は名詞、user-friendly は形容詞です。Oxford Learner’s Dictionaries は user-friendly を「専門家ではない人にとって使いやすい、あるいは理解しやすい」と定義しており、ものを形容するときに使います。

Q. usability の語源はどこまでさかのぼれますか

Online Etymology Dictionary には usability そのものの項がありません。ただし形容詞 usable は14世紀後半から「使うのに適した」の意味で記録があり、古フランス語 usable を経て動詞 user にさかのぼります。1840年ごろに use(動詞)+-able として作り直されたとも記されています。

ユーザビリティのまとめ

ユーザビリティとは、それが使いやすいという事実、および使いやすさの度合いのことです。Cambridge Dictionary はこの二つを並べて定義し、Oxford Learner’s Dictionaries は「使いやすいという性質」と短く定義しています。どちらも数えない名詞です。

組み立ては use(使う)+-able(〜できる)+-ity(〜であるという性質)の三段で、形容詞 usable は14世紀後半から記録があります。accessibility が「届くか、入れるか」を問うのに対し、usability は「届いたあと、うまく使えるか」を問う語です。

名詞で名指しするなら usability、ものを形容するなら user-friendly、使える状態かどうかを言うなら usable。この三つを分けておくと、英語で使い勝手の話をするときに言葉が迷子になりません。

ユーザビリティの出典

usability の定義・語法・発音・語源は以下の英英辞典と語源辞典で確認しました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次