英語の主語は、①述語になっている動詞を探す→②その動詞に「誰が/何が」と問う→③動詞の形と数が合うか確かめる、の3手順で見つけられます。
主語(subject)は、節を組み立てる五つの主要要素のうちの一つです。文頭の語をそのまま主語だと決めてしまうと、長い名詞句や There is 構文でつまずきます。この記事では、まず主語の見つけ方を3手順で示し、そのうえで主語の定義、主語になれる語の種類、目的語や補語との違い、三人称単数で動詞が変わる理由、そして subject という語の語源までを順に整理します。
英語の主語の見つけ方は3手順(結論)
主語を探すときは、いきなり文頭の語を選ばず、動詞を先に見つけてから「誰が/何が」を問うのが確実です。
| 手順 | やること | 例文での動き |
|---|---|---|
| 第一手順 | 述語になっている動詞を探す | Some people prefer to go on holiday to the same place every year. → prefer |
| 第二手順 | その動詞に「誰が/何が」と問う | prefer するのは誰か → some people |
| 第三手順 | 動詞の形と数が合うか確かめる | some people は複数なので prefers ではなく prefer |
文頭の語をそのまま主語だと決めてしまうと、Examples of the work of the four artists will be in an exhibition at the Tate Gallery from Nov 4–29. のような文でつまずきます。この文の主語は examples of the work of the four artists という長い名詞句の全体で、動詞は will be です。名詞のあとに前置詞句がぶら下がっている場合、主語はその塊ごと数えます。
第三手順の検算が効くのも、まさにこういう長い主語のときです。動詞が will be ではなく is だったとしても、核になる名詞は examples(複数)なので are を選びます。直前の artists や work に引きずられないよう、核の名詞がどれかを見定めてください。
主語とは何か|見つける前に押さえる定義
主語とは、節を作る五つの主要要素の一つで、動詞が表す行為の「し手」に当たる部分です。英和的に言えば「〜は」「〜が」で訳される場所を指します。
Cambridge の文法解説では、節の主要要素は主語(subject)・動詞(verb)・目的語(object)・補語(complement)・修飾語(adjunct)の五つとされ、主語は平叙文・否定文・疑問文のいずれにも欠かせないと説明されています。The teacher told the class to sit down. の the teacher、They don’t open the shop on Sundays. の they が主語です。
辞書の側から見た定義も同じ方向を向いています。Cambridge Dictionary は subject を「動詞の動作を行う人やもの、または動詞によって説明と結び付けられる人やもの」と説明し、”Bob” is the subject of the sentence “Bob threw the ball.” という例を挙げています。動作の主という側面と、説明される対象という側面の両方が、この一語に収まっています。
主語になれる語(名詞・代名詞・動名詞・名詞句)
主語になるのはふつう名詞句です。名詞句とは、名詞や代名詞に、その前後の従属する語が付いた塊のことを指します。
| 形 | 例文 | 主語の部分 |
|---|---|---|
| 限定詞+名詞 | The teacher told the class to sit down. | the teacher |
| 代名詞 | Doesn’t he eat meat? | he |
| 名詞 | Spring is like a breath of fresh air after a winter indoors. | spring |
| 固有名詞 | Callum is so good at sport. | Callum |
| -ing 形(動名詞) | Surfing is becoming more and more popular. | surfing |
| 名詞+前置詞句 | Examples of the work of the four artists will be in an exhibition. | examples of the work of the four artists |
動名詞が主語になれる点は、日本語話者がつまずきやすいところです。Surfing is becoming more and more popular. の surfing は動詞の形をしていますが、この文では名詞として振る舞い、主語の席に座っています。動詞の形だから主語になれない、という決めつけは通用しません。
主語がどれだけ長くなっても、動詞との関係そのものは変わりません。塊の中のどれが核の名詞かを押さえておけば、動詞の形も自動的に決まります。
主語と動詞の位置は文の種類で決まる
英語の主語は、文が平叙文か疑問文か感嘆文かで置かれる場所が変わります。位置が変わっても主語であること自体は変わりません。
| 文の種類 | 主語の位置 | 例文 |
|---|---|---|
| 平叙文 | 動詞の前 | They love eating out. |
| 平叙文 | 動詞の前 | The course fee doesn’t include materials. |
| 疑問文 | 助動詞の後、本動詞の前 | Has Shona been to the house before? |
| 疑問文 | 助動詞の後、本動詞の前 | Do you want a cup of tea? |
| 感嘆文 | How / What の後、動詞の前 | What a fantastic cook she is! |
| 感嘆文 | How / What の後、動詞の前 | How easily he’d tricked her! |
疑問文での並びは「助動詞+主語+本動詞」です。Has Shona been to the house before? では、主語の Shona が助動詞 has と本動詞 been の間に挟まっています。この位置関係を知っていれば、疑問文を作るときに何を前に出すのかで迷いません。
感嘆文は語順が独特で、What a fantastic cook she is! のように主語と動詞がいちばん後ろへ回ります。日本語の感覚では文末が尻すぼみに見えますが、英語ではこれが標準の形です。
主語と目的語・補語の違い
主語は動作をする側、目的語は動作を受ける側、補語は主語や目的語について説明を足す側です。三つとも名詞句になり得るので、位置と役割で見分けます。
| 要素 | 役割 | 例文と該当部分 |
|---|---|---|
| 主語 | 動作をする側 | Everyone likes her. → everyone |
| 目的語 | 動作が及ぶ側 | Everyone likes her. → her |
| 主語 | 動作をする側 | She knows everyone. → she |
| 目的語 | 動作が及ぶ側 | She knows everyone. → everyone |
Everyone likes her. と She knows everyone. を並べると、everyone が片方では主語、片方では目的語になっていることが分かります。語そのものに主語という性質があるのではなく、文の中でどこに置かれ何をしているかで役割が決まります。
補語との違いは、動詞の種類で切り分けられます。be、become、seem のような連結動詞は目的語を取らず、うしろに主語を説明する語句が来ます。主語と同じものを指していれば補語、別のものを指していれば目的語という順序で判定してください。
主語が三人称単数のときに動詞が変わる理由
主語の人称と数が、そのまま動詞の人称と数を決めるからです。この対応関係は主語・動詞の一致(subject–verb agreement)または concord と呼ばれます。
He hates being in hospital. では、主語が三人称単数の he なので hates という形が選ばれます。He hate being in hospital. は誤りです。逆に We often go to Edinburgh. は主語が we なので go のままで、We often goes とは言いません。
be 動詞や助動詞でも同じことが起きます。Are you ready? は主語が you なので are を使い、Is you ready? にはなりません。They don’t do enough art at school. も主語が they なので don’t で、They doesn’t do にはなりません。動詞の形が先にあるのではなく、主語が形を決めているという順序です。
主語が集団を表すときの単数と複数
人の集まりを表す名詞が主語になるときは、単数扱いと複数扱いのどちらも成り立つことがあります。話し手が集団をひとまとまりと見るか、個人の集合と見るかの違いです。
The audience was silent, waiting. と The audience were silent, waiting. は、どちらも使われる形です。The government does not encourage investment in industry. も、The government do not encourage investment in industry. という言い方が並び立ちます。
この揺れがあるのは audience、government、team、family のように人の集団を指す名詞に限られます。table や idea のような普通の名詞では起きないので、集団を表す語かどうかを先に見てください。なお、イギリス英語では複数扱いが、アメリカ英語では単数扱いが選ばれやすい傾向があります。
英語で主語を省略できない理由
主語は節に欠かせない要素であり、省くと文として成立しなくなるからです。日本語のように文脈で補うという仕組みが、英語の平叙文と疑問文には用意されていません。
| 正しい形 | 誤り | 落ちているもの |
|---|---|---|
| She’s really nice. | Is really nice. | 主語 she |
| It’s strange that we don’t see them any more. | Is strange that … | 主語 it |
| Are there two phone boxes at the end of this road? | Are two phone boxes at the end of this road? | 主語 there |
日本語で「本当にいい人だよ」と言えば主語なしで通じますが、英語でこれをそのまま Is really nice. と訳すと文が壊れます。日本語から英語へ移すときに真っ先に補う必要があるのが、この主語です。
例外は、ごく打ち解けた話し言葉です。hope や know のような動詞では、主語の I を落として Hope you have a great time. や Don’t think so. と言うことがあります。これは省略が許される場面が限られた用法で、書き言葉では元の I を戻してください。
命令文と There is 構文での主語の扱い
命令文では主語を書きません。There is 構文では there が主語の席に入り、意味上の主語はそのうしろに置かれます。
命令や指示、依頼を表す命令文では、主語は最初から含めない決まりです。Close the door after you. や Turn left at the end of the road. のように、動詞から文が始まります。相手が目の前にいて you だと分かりきっているため、置く必要がありません。
There is と There are は、人やものの存在をはじめて話題に出すときの形です。There’s a letter on your desk. が自然な言い方で、It’s a letter on your desk. とは言いません。There are three Japanese students in my class. のように、うしろの名詞が複数なら are を選びます。
主語が置けないときの形式主語 it
置くべき主語が見当たらないときや、主語が重すぎるときには、it や there を主語の席に据えます。これらはダミー主語(dummy subject)と呼ばれます。
天候を言う It’s not raining, is it? の it は、何かを指しているわけではありません。主語の席を空けておけないので、形だけ埋めるために置かれています。There are lots of things to do here in the city centre. の there も同じ働きです。
It’s strange the way the weather changes so quickly. では、本当に述べたい内容は the way 以下にあり、it は先頭で場所を確保しているだけです。長い内容を後ろへ送り、頭を軽くするための仕組みだと考えると分かりやすくなります。
主語 subject の語源はラテン語 subicere(下に投げる)
subject は14世紀初めの英語で subget という形をしており、「他人の支配下にある人」を意味していました。文法用語になるのは、そのずっとあとの話です。
語源をたどると、古フランス語の sogit、suget、subget を経て、中世ラテン語の subiectus に行き着きます。もとの動詞はラテン語の subicere で、「下に置く、下に投げる、従わせる」という意味でした。分解すると sub(下に)と iacere(投げる)で、語の芯にあるのは「下に横たわっているもの」というイメージです。
14世紀には sugges、sogetis、subgit、sugette といった綴りが併存し、16世紀に現在の形へラテン語風に整えられました。意味の広がりも段階的で、1540年代に「学問や技芸の主題」、1550年代に論理学の「判断が下される対象」、1580年代に「文学作品のテーマ」、1590年代に「行為を受ける人やもの」という用法が加わっています。
文法用語としての「動詞の主格」という意味が現れるのは1630年代です。1833年には「治療や手術を受ける人」という医学の用法も生まれました。支配される側を指していた語が、文の中では動詞を支配する側の名前になっている点が、この語の面白いところです。
主語 subject の発音と文法以外の意味
subject は品詞によってアクセントの位置が変わります。名詞と形容詞は前にアクセントを置いて /ˈsʌb.dʒekt/、動詞は後ろに置いて /səbˈdʒekt/ と読みます。
| 品詞 | 発音 | 意味と例 |
|---|---|---|
| 名詞(文法) | /ˈsʌb.dʒekt/ | 主語。”Bob” is the subject of the sentence “Bob threw the ball.” |
| 名詞(話題) | /ˈsʌb.dʒekt/ | 議題・主題。Our subject for discussion is homelessness. |
| 名詞(科目) | /ˈsʌb.dʒekt/ | 教科。My favourite subjects at school were history and English. |
| 名詞(臣民) | /ˈsʌb.dʒekt/ | 国民・臣民。He is a British subject. |
| 形容詞 | /ˈsʌb.dʒekt/ | subject to で「〜を受ける/〜次第で」。Cars are subject to a high domestic tax. |
| 動詞 | /səbˈdʒekt/ | 服従させる。The invaders quickly subjected the local tribes. |
メールの件名を表す subject や、学校の教科を指す subject も、すべて同じ語です。「その下にあって話の土台になっているもの」という原義から、話題・主題・科目・主語へと枝分かれしていったと考えると、ばらばらに見える意味がつながります。
なお、形容詞の subject to は日常でもよく使われます。We plan to go on Wednesday, subject to your approval. は「あなたの承認が得られれば水曜に行く予定です」という意味で、条件付きであることを示します。
主語についてよくある質問
いいえ。平叙文では動詞の前に来ますが、疑問文では助動詞のうしろ(Has Shona been to the house before?)、感嘆文では How や What のうしろ(What a fantastic cook she is!)に置かれます。
原則として省略できません。Is really nice. や Is strange that … は誤りです。例外は打ち解けた話し言葉で I を落とす Hope you have a great time. のような形と、もともと主語を書かない命令文だけです。
名詞句の核になる名詞で数えます。Examples of the work of the four artists … の主語は名詞句の全体ですが、核は複数形の examples なので、動詞も複数に合わせます。直前の artists に引っ張られないよう注意してください。
どちらも使われます。audience や government のように人の集団を表す名詞は、単数扱いと複数扱いの両方が成り立ちます。ひとまとまりと見るか個々の人の集まりと見るかで選び分けられています。
主語のまとめ
主語とは、節を作る五要素の一つで、動詞が表す動作や状態の持ち主になる部分です。英語では省略できず、主語の人称と数が動詞の形を決めます。
見つけ方は三手順で、動詞を先に探し、その動詞に「誰が/何が」と問い、動詞の形と数が合うかを検算します。主語になれるのは名詞句で、名詞・代名詞・固有名詞のほか、Surfing is becoming more and more popular. のような動名詞も席に座れます。位置は文の種類で変わり、平叙文では動詞の前、疑問文では助動詞と本動詞の間、感嘆文では How や What のうしろです。
主語が置けないときは it や there をダミー主語として据えます。命令文では最初から主語を書かず、There is 構文では there が席を占めます。語源をたどると subject はラテン語の subicere(下に投げる)にさかのぼり、もとは「支配下にある人」を意味していました。文法用語としての用法が現れるのは1630年代で、それまでの長い歴史のうえに今の使い方が乗っています。
主語の出典
主語の定義、主語になれる語の種類、位置、主語・動詞の一致、目的語との違い、語源と発音は以下の英英辞典、語源辞典、および Cambridge の文法解説で確認しました。

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