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プライオリティとは?意味と語源|優先順位との違いと英語 priority の発音

プライオリティとは、ほかのものより先に扱うべきだと考えられている重要なもののことです。英語の priority をそのままカタカナにした語で、日本語では「優先」「優先事項」「優先順位」と訳し分けられます。

この記事では、プライオリティの意味を英英辞典の語義からたどり、ラテン語 prior(前の)につながる語源、優先順位や優先権との線引き、英語 priority の発音とアクセント、可算と不可算の使い分け、さらにイギリス英語だけに立つ「優先通行権」という別の顔までを整理します。「先である」が「大事である」に変わった経緯まで押さえると、訳し分けに迷わなくなります。

目次

プライオリティとは何か(結論)

プライオリティとは、ほかの事柄より重要で、先に片づけるべきだとみなされている事柄を指します。単に「大事なもの」ではなく、ほかとの比較で先に立つものだという点が芯にあります。

Cambridge Dictionary は priority を、非常に重要でほかのものより先に対処されなければならないもの、と説明しています。Oxford Learner’s Dictionaries も、ほかより重要だと考えられ最初に扱われるべきもの、という言い方をしています。どちらの語義にも「ほかより先に」という比較が入っています。

つまりプライオリティは、単独では決まりません。並んでいるものが複数あって初めて成立する語です。ひとつしか案件がない状態で「これがプライオリティです」と言っても情報量がゼロになるのは、この語が比較を前提にしているからです。

プライオリティの語源はラテン語 prior(前の)

英語に priority が現れたのは14世紀後半で、当時のつづりは prioritie でした。出どころは中世ラテン語の prioritas で、「先である状態」を意味する語です。

Online Etymology Dictionary によれば、prioritas はラテン語の prior にさかのぼります。prior は「以前の、前の、最初の」を意味し、古ラテン語の pri(前に)の比較級にあたる形です。英語の prior という形容詞のほうは1714年の記録で、名詞の priority より後になります。

同辞典はもうひとつ面白い記録を残しています。14世紀末から15世紀初めの英訳聖書で知られるウィクリフが、ラテン語の prioritas を furtherhead という英語に置き換えていた、というものです。ラテン語由来の語をそのまま借りるのではなく、英語の材料で組み直そうとした跡で、結果として定着したのは借用語のほうでした。

「順番が先」から「重要さが上」へ動いたのは20世紀

今のプライオリティは重要さの語ですが、もとは時間の語でした。Online Etymology Dictionary は最初の語義を、何かより早い状態、先に起きたり存在したりしたこと、と記録しています。

1400年ごろになると、権利や場所や地位における先着、つまり順番としての優先という語義が加わります。ここまでは「順序が前である」という物理的・形式的な意味の範囲に収まっています。

同辞典によれば、重要さにおいて第一に来る、あるいは即座の対応を必要とするもの、という現在の語義へ寄っていったのは20世紀です。ラテン語の pri が指していた「前」という位置関係が、六百年かけて「大事さ」の目盛りへ置き換わったことになります。日本語の「優先」という訳語が順番と重要さの両方に使えるのも、この語の二層構造をそのまま引き受けているためです。

プライオリティと優先順位・優先権の違い

日本語では「優先」がつく語が複数ありますが、英語側では単数か複数か、そして権利の話かどうかで語が分かれます。

言葉 指しているもの 英語
プライオリティ ほかより先に扱うべき重要な事柄 priority
優先順位 複数の事柄を重要さの順に並べたもの priorities/order of priority
優先権 ほかより先に扱われる立場そのもの precedence
優先通行権 車が他の交通より先に進める権利 right of way
最優先 並んだ中の最上位ひとつ top priority

日本語の「優先順位」にあたるのは、英語では多くの場合 priorities という複数形です。Cambridge Dictionary には、どれが最も重要な仕事や問題かを判断して先に対処する、という趣旨で get your priorities right という表現が載っています。順位そのものを名指ししたいときは、Oxford Learner’s Dictionaries の共起表現に挙がっている order of priority や a list of priorities という形になります。

precedence は Cambridge Dictionary で、ほかのものより先に扱われる、あるいはより重要だとみなされる状態、と説明されています。Oxford Learner’s Dictionaries は priority の不可算の語義に precedence を類義語として挙げており、この二語は重なる領域を持ちます。違いは使われる場面で、precedence には社会や組織の中で人に与えられる序列という語義もあり、儀礼的な席次の話にも使われます。

英語 priority の発音とアクセント

priority の発音は、Cambridge Dictionary でイギリス英語が /praɪˈɒr.ə.ti/、アメリカ英語が /praɪˈɔːr.ə.t̬i/ です。Oxford Learner’s Dictionaries はイギリス英語 /praɪˈɒrəti/、アメリカ英語 /praɪˈɔːrəti/ を示しています。

強く読むのは二音節目の -or- です。発音記号の縦線がその直前に付いていることから分かります。カタカナの「プライオリティ」は先頭の「プ」から平坦に読まれがちですが、英語では pry-OR-uh-tee のように二つ目の山を立てます。

先頭の pri- は /praɪ/ で、「プリ」ではなく「プライ」です。つづりが pri- なので日本語では「プリオリティ」と読み違えられることがありますが、辞書の発音記号は英米ともに二重母音を示しています。強勢のある母音はイギリス英語で /ɒ/、アメリカ英語では長い /ɔː/ になり、続く -ty のあたりはどちらも軽く落ちます。

priority は可算にも不可算にもなる

Cambridge Dictionary は priority に [C] と [U] の両方の印を付けています。指しているものが「事柄」なのか「状態」なのかで、扱いが変わります。

数えられるほうは、具体的な事柄としてのプライオリティです。Cambridge Dictionary には、大統領が教育を最優先事項のひとつにすると誓った、という趣旨の例文が [C] の印つきで載っています。この場合は a priority、top priorities のように冠詞や複数形が付きます。

数えられないほうは、先に扱われるという状態そのものです。同辞典には、洪水の被災者へ水と食料を届けることが保険金請求の処理より優先される、という趣旨の例文が [U] の印つきで挙がっています。この用法では冠詞が付きません。Oxford Learner’s Dictionaries も同じ切り分けで、事柄の語義に countable、最重要の位置という語義に uncountable を付けています。

take priority over と give priority to という二つの型

不可算の priority は、動詞と組んで決まった型を作ります。覚えるべきは take と give の二つです。

型 意味 主語になるもの
A takes priority over B AはBより優先される 優先される側
give priority to A Aを優先する 優先する側
be given priority 優先してもらえる 優先される側
a top/high/low priority 最優先/優先度が高い・低い 可算の用法
get one’s priorities right 優先順位を正しくつける 複数形の用法

take priority over は、優先される側を主語に置きます。Cambridge Dictionary には、公式の業務要件が個人的な依頼より優先される、という趣旨の例文が載っています。Oxford Learner’s Dictionaries にも、新しいワクチンの探索がほかのすべての医学研究に優先する、という例があります。over の後ろに来るのは押しのけられる側です。

give priority to は逆で、優先する側を主語に置きます。Cambridge Dictionary には、銀行が融資の判断で大企業を優先しがちだ、という趣旨の例文があります。受け身にすると Oxford Learner’s Dictionaries の例のように、クラブ会員が優先される、という形になります。可算の用法では high/low/top といった形容詞を前に付けて度合いを示し、複数形では順位づけそのものを話題にできます。

イギリス英語の priority は「優先通行権」も指す

Oxford Learner’s Dictionaries には、ほかの二つとは毛色の違う語義が立っています。道路の特定の地点で、車がほかの交通より先に進める権利を指す用法です。

同辞典はこの語義に British English というラベルを付け、類義語として right of way を挙げています。例文は、この交差点ではバスに優先通行権がある、という趣旨のものです。日本語の「優先」からは出てきますが、カタカナの「プライオリティ」ではまず使われない意味です。

この語義は不可算で扱われます。権利という抽象的な状態を指しているためで、have priority、give priority のように冠詞なしで使います。イギリスの交通標識や運転教本を読むときに出てくる語なので、ビジネスの文脈だけを知っていると足をすくわれます。

動詞の prioritize は1967年生まれの新しい語

「優先順位をつける」にあたる動詞は prioritize です。Online Etymology Dictionary はこの語の初出を1967年、アメリカの官庁の言い回しとして記録しています。

名詞の priority が14世紀後半だったことを思うと、動詞が立つまでに六百年近い間が空いたことになります。しかも生まれてすぐ受け入れられたわけではありません。同辞典は、1989年版の OED がこの語を、今のところ英語の中に居心地悪く収まっている語だという趣旨で評していたことを紹介しています。

現在は普通に辞書の見出しに立っています。Cambridge Dictionary は prioritize を、ひとまとまりのものの中でどれが最も重要かを判断して先に対処できるようにすること、と説明しています。発音はイギリス英語が /praɪˈɒr.ɪ.taɪz/、アメリカ英語が /praɪˈɔːr.ə.taɪz/ で、名詞と同じく二音節目に強勢が来ます。

プライオリティを使った英語の例文

可算の基本形です。Education is a top priority.(教育は最優先事項だ)。Oxford Learner’s Dictionaries に載っている形で、a が付いている点が数えられる用法の目印になります。

不可算で動詞と組む形です。Official business requirements take priority over personal requests.(公式の業務要件は個人的な依頼に優先する)。Cambridge Dictionary の例文で、over の後ろに押しのけられる側が来ています。

優先する側を主語にするなら、Banks normally give priority to large businesses.(銀行は通常、大企業を優先する)という形になります。複数形の例なら、You have to learn to get your priorities right.(優先順位を正しくつけられるようにならなければいけない)が Cambridge Dictionary に挙がっています。優先通行権の例は、Buses have priority at this junction.(この交差点ではバスに優先通行権がある)です。

プライオリティのよくある間違い

一つ目は、「重要なもの」と同義に扱うことです。辞書の語義はどれもほかとの比較を含んでおり、比べる相手がない場面でこの語を使うと中身が空になります。

二つ目は、優先順位を priority と単数で言ってしまうことです。順位は複数のものを並べた結果なので、英語では priorities という複数形か order of priority という形になります。単数の a priority は順位そのものではなく、順位の上位に来る一件を指します。

三つ目は、前置詞の取り違えです。take priority の後ろは over、give priority の後ろは to で、入れ替えると型が崩れます。四つ目は発音で、先頭を「プリ」と読まず /praɪ/ と二重母音にし、強勢は二音節目の -or- に置きます。

プライオリティについてよくある質問

Q. プライオリティと優先順位は同じ意味ですか

厳密には少しずれます。優先順位は複数のものを重要さの順に並べたもので、英語では priorities という複数形や order of priority で表します。単数の priority は、その並びの上位に来る一件そのものを指します。

Q. priority は数えられる名詞ですか

両方の使い方があります。Cambridge Dictionary は [C] と [U] の両方の印を付けており、具体的な事柄を指すときは可算、先に扱われる状態そのものを指すときは不可算になります。a top priority は可算、take priority over は不可算の用法です。

Q. priority のアクセントはどこに置きますか

二音節目の -or- です。Cambridge Dictionary の発音記号はイギリス英語が /praɪˈɒr.ə.ti/、アメリカ英語が /praɪˈɔːr.ə.t̬i/ で、縦線が -or- の直前に付いています。先頭は「プリ」ではなく /praɪ/ と読みます。

Q. prioritize と priority はどう使い分けますか

priority が名詞、prioritize が動詞です。Cambridge Dictionary は prioritize を、どれが最も重要かを判断して先に対処できるようにすること、と説明しています。Online Etymology Dictionary によれば初出は1967年で、名詞よりずっと新しい語です。

プライオリティのまとめ

プライオリティとは、ほかより重要で先に扱うべきだとみなされている事柄のことです。語源はラテン語の prior(前の、最初の)で、さらに古ラテン語の pri(前に)にさかのぼります。英語に入ったのは14世紀後半、最初の意味は「何かより早い状態」という時間の語でした。

1400年ごろに順番としての優先が加わり、重要さの語義へ寄ったのは20世紀です。英語では可算と不可算の両方で使い、事柄なら a top priority、状態なら take priority over や give priority to の型になります。優先順位そのものを言うなら複数形の priorities、イギリス英語では車の優先通行権も指します。動詞の prioritize は1967年生まれで、名詞より六百年近く新しい語です。

プライオリティの出典

priority の定義・語法・発音・語源は以下の英英辞典と語源辞典で確認しました。

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