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自動詞とは?他動詞との違いと見分け方|前置詞が要る動詞・要らない動詞

自動詞とは、目的語を取らない動詞のことです。動作が主語のところで完結し、「何を」にあたる語を後ろに置きません。

この記事では、自動詞と他動詞の違いを語源からたどったうえで、両方の使い方を持つ動詞をどう読み分けるか、そして日本語話者がつまずきやすい「前置詞が要る動詞・要らない動詞」を整理します。英英辞典の [I] と [T] という表示の読み方まで押さえれば、辞書を引いた時点で正しい形が決められるようになります。

目次

自動詞とは何か(結論)

自動詞とは、目的語を必要としない動詞です。対して、目的語を必要とする動詞を他動詞と呼びます。

Paula smiled and left. の smiled は自動詞です。笑ったという動作は主語のところで完結していて、後ろに「何を」を置く余地がありません。一方 We really enjoyed the evening. の enjoyed は他動詞で、楽しんだ対象を必ず要求します。

この区別が英語で重い意味を持つのは、目的語を取るかどうかが動詞ごとに決まっているからです。日本語では「話す」も「話し合う」も助詞で調整できますが、英語では動詞そのものが形を指定します。だから動詞を覚えるときは、意味だけでなく後ろの形もセットで覚える必要があります。

自動詞・他動詞の語源は「渡る」かどうか

他動詞を表す transitive は1570年代の英語に現れました。後期ラテン語 transitivus に由来し、文字どおりには「(別の人へ)渡っていく」という意味です。

もとをたどると transire(越えていく、通り過ぎる)で、trans(越えて)と ire(行く)に分かれます。動作が主語から出て、別のものへ渡っていく。他動詞という品詞名は、この移動の像から付けられました。

自動詞を表す intransitive は1610年代に記録され、否定の in- が付いた形です。文字どおりには「渡らない」で、動作が別のものへ移らないことを表します。名詞として「自動詞」を指す用法は1824年からです。どちらの語も、ローマ時代の文法家プリスキアヌスの用語にさかのぼります。

自動詞と他動詞の違い

両者の違いは、目的語を取るかどうかの一点に尽きます。表で並べると輪郭がはっきりします。

項目 自動詞 他動詞
目的語 取らない 取る
語源の意味 渡らない 渡っていく
受動態 作れない 作れる
辞書の表示 [I] / intransitive [T] / transitive

受動態が作れるかどうかは、判定の役に立ちます。受動態は目的語を主語の位置へ動かす操作なので、目的語のない自動詞では成り立ちません。The door was opened. は言えても、The door was happened. とは言えないのはこのためです。

見分け方は「何を」が言えるか

実際の判定は簡単です。動詞のあとに「何を」「誰を」を直接置けるかどうかを試します。置けるなら他動詞、置けないなら自動詞です。

Nobody writes letters these days. は letters を直接置けるので他動詞です。Does she play tennis? も同じ形になります。動詞のすぐ後ろに名詞が裸で立っているかどうかが目印です。

注意したいのは、後ろに名詞があっても前置詞をはさんでいる場合です。I don’t listen to the radio much. の the radio は to の後ろにあるので、動詞の目的語ではありません。前置詞が挟まっていたら、その動詞は目的語を直接取っていない、と判断します。

同じ動詞が両方で使える場合

多くの動詞は自動詞と他動詞の両方で使えます。英語の動詞を二つの箱にきれいに分けることはできません。

意味がほぼ変わらない例があります。I just can’t eat hot food. と What time do you want to eat? はどちらも eat ですが、前者は目的語を取り、後者は取りません。drive、leave、win、enter も同じで、目的語がある形とない形の両方を持っています。

He drives a van for a delivery firm. と I learnt to drive when I was twenty. を比べると分かりやすいでしょう。前者は運転する対象を明示し、後者は運転という行為そのものを指しています。意味の芯は同じで、視点の置き方だけが違います。

目的語の有無で主語の役割が変わる動詞

両方の使い方を持つ動詞のなかには、目的語の有無で主語と動詞の関係そのものが入れ替わるものがあります。この型は読解でつまずきやすい箇所です。

他動詞(主語が動作をする) 自動詞(主語に起きる)
He opened the door. The door opened slowly.
The teacher begins each lesson with a quiz. The interviews will begin at 2.30 pm.
They increased my salary last month. Global temperatures are increasing.
Do you know how you work this camera? How does this camera work?

目的語があるとき、主語は動作をする側に立ちます。目的語がないとき、主語は動作が起きる側に回ります。The door opened slowly. を「ドアが(自分で)開けた」と読むと意味が通らなくなるのは、この切り替わりを見落としているからです。

連結動詞は自動詞だが補語を取る

be・become・seem・look・feel などの連結動詞は目的語を取りませんが、後ろに語が続きます。この語は目的語ではなく補語です。

She’s my sister-in-law. の my sister-in-law は、主語が誰であるかを説明しています。I felt really tired. の really tired も、疲れていたのは主語自身です。動作が別のものへ渡っているわけではないので、目的語とは呼びません。

連結動詞の仲間には appear・feel・get・look・remain・seem・smell・sound・taste などがあります。補語には名詞句・形容詞句・副詞句・前置詞句が入り、A face appeared at the window. のように前置詞句が来ることもあります。

前置詞が要る動詞

動詞と前置詞が固く結びつき、切り離せない組み合わせがあります。これを群動詞と呼び、前置詞の後ろに必ず目的語が来ます。

listen to、depend on、look after、look for、look at、break into、get over、cope with、deal with、lead to、do without、look forward to などが代表です。Shall we listen to it? のように、目的語は前置詞のすぐ後ろに置きます。Shall we listen to? という形では文が完結しません。

目的語には名詞句・代名詞のほか、動詞の ing 形も入ります。Getting to the final depends on winning the semi-final! がその例です。この位置に原形を置いてしまう誤りが多いので、前置詞のあとは ing と覚えておくと安全です。

前置詞が要らない他動詞

逆に、日本語の感覚では前置詞を入れたくなるのに、実際は不要な動詞があります。ここが日本語話者の失点源です。

discuss は目的語を直接取ります。I’m not prepared to discuss this on the phone. の形で、discuss about とは言いません。「〜について話し合う」という訳語につられて about を入れてしまう誤りが典型です。相手を添えるときは discuss something with somebody の形になります。

marry も同じです。She married a German. のように相手を直接置き、marry with とはしません。enter も She entered the room looking nervous. で、enter into とはなりません。訳語ではなく辞書の語法表示を見る癖をつけると、この種の誤りは消えます。

辞書の [I] と [T] の読み方

英英辞典は、動詞が目的語を取るかどうかを記号で示しています。この表示を読めれば、自分で判定する手間が要りません。

Cambridge Dictionary では、目的語を取らない動詞に [I] が付きます。目的語を取るものは [T] です。両方の使い方がある動詞には、両方の記号が並びます。

Oxford Learner’s Dictionaries は [transitive] [intransitive] と語で書き、さらに marry somebody、discuss something のように目的語の位置まで示します。この表記は語法そのものを教えてくれるので、例文より先に見る価値があります。

自動詞と他動詞のよくある間違い

誤りの型は決まっています。三つに絞って挙げます。

一つ目は、不要な前置詞を足すことです。discuss about、marry with、enter into はいずれも誤りで、目的語を直接置きます。日本語の助詞に引きずられたときに起きます。

二つ目は、必要な前置詞を落とすことです。listen the radio、look the picture は成り立たず、to と at が要ります。三つ目は、自動詞を受動態にすることです。目的語がなければ主語の位置へ動かす対象もないので、この形は作れません。

自動詞についてよくある質問

Q. 自動詞か他動詞かは覚えるしかありませんか

丸暗記する必要はありません。英英辞典が [I] [T] や [transitive] [intransitive] で示しているので、新しい動詞を引いたときに語法表示まで見る習慣を付ければ足ります。

Q. 自動詞なのに後ろに名詞が続くのはなぜですか

前置詞をはさんでいるか、連結動詞の補語であるかのどちらかです。listen to the radio の the radio は前置詞の目的語で、She is a nurse. の a nurse は主語を説明する補語です。

Q. discuss に about を付けてはいけないのですか

付けません。discuss は目的語を直接取る動詞で、discuss something の形になります。相手を添える場合は discuss something with somebody とします。

Q. 自動詞は受動態にできますか

できません。受動態は目的語を主語の位置へ移す操作なので、目的語を持たない自動詞では作れません。受動態にできるかどうかは、他動詞かどうかの判定にも使えます。

自動詞のまとめ

自動詞とは目的語を取らない動詞で、他動詞は目的語を取る動詞です。名前のもとにあるラテン語 transire は「越えていく」で、動作が別のものへ渡るかどうかがそのまま品詞名になっています。

多くの動詞は両方の使い方を持ち、open や begin のように目的語の有無で主語の役割が入れ替わるものもあります。判定は「何を」を直接置けるかどうかで付き、迷ったら辞書の [I] [T] 表示を見れば決着します。discuss about や listen the radio のような誤りは、訳語ではなく語法表示を先に見ることで防げます。

自動詞の出典

自動詞・他動詞の定義、語法、語源は以下の英英辞典、語源辞典、および Cambridge の文法解説で確認しました。

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