知覚動詞は、見る・聞く・感じるなど、五感でとらえる動作を表す動詞です。see、hear、feel、watch、notice などが代表で、うしろに続く形が特徴的です。
この記事では、知覚動詞とは何かという定義から始めて、原形・現在分詞・過去分詞の三つの続け方の違い、受動態にしたときの変化まで順に整理します。
知覚動詞とは何か(結論)
知覚動詞とは、目・耳・肌などの感覚を通して物事をとらえることを表す動詞のことです。英語では verb of perception と呼ばれます。
基本の形は 知覚動詞 + 目的語 + 動詞 です。I saw him run.(彼が走るのを見た)のように、目的語のあとに動作を表す語が続きます。
ここで大事なのは、続く動詞が三つの形をとりうるという点です。原形、現在分詞(ing)、過去分詞のどれを選ぶかで意味が変わります。
知覚動詞にはどんな語があるか
五感ごとに代表的な語があります。まず一覧で押さえます。
| 感覚 | 知覚動詞 | 例 |
|---|---|---|
| 視覚 | see, watch, look at, notice, observe | I saw her leave. |
| 聴覚 | hear, listen to | I heard someone shout. |
| 触覚・感覚 | feel | I felt the floor shake. |
| その他 | smell | I smelled something burning. |
see と watch、hear と listen to は似ていますが、前者は自然に目や耳に入るとき、後者は意識して向けるときに使います。この差は日本語の「見える/見る」に近い関係です。
知覚動詞のあとに原形が来る形
原形が来るのは、その動作を最初から最後まで通して見た、聞いたときです。動作がひとまとまりとして完結している場合に使います。
I saw him cross the street.(彼が道を渡るのを見た)では、渡り始めてから渡り終わるまでを見ています。to は入りません。
この形は原形不定詞と呼ばれます。使役動詞の make や let と同じく、to のない形をとるのが知覚動詞の大きな特徴です。
知覚動詞のあとに ing が来る形
現在分詞(ing)が来るのは、その動作の途中の一場面をとらえたときです。進行している最中を見た、聞いた、という意味になります。
I saw him crossing the street.(彼が道を渡っているところを見た)では、渡っている途中を目にしただけで、渡り終えたかどうかは言っていません。
| 形 | とらえ方 | 例 |
|---|---|---|
| 原形 | 動作の全体を通して | I heard her sing a song. |
| ing | 動作の途中の一場面 | I heard her singing. |
| 過去分詞 | 目的語が動作を受ける | I heard my name called. |
どちらでも通じる場面は多くありますが、全部見たのか一瞬なのかを言い分けたいときに、この違いが生きてきます。
知覚動詞のあとに過去分詞が来る形
過去分詞が来るのは、目的語がその動作を受ける側のときです。目的語と動詞のあいだが受け身の関係になります。
I heard my name called.(自分の名前が呼ばれるのを聞いた)では、名前は呼ぶ側ではなく呼ばれる側なので過去分詞になります。
I saw the window broken.(窓が割られているのを見た)も同じ形です。誰がやったかは示さず、状態や出来事だけを伝えます。
知覚動詞を受動態にしたときの形
知覚動詞の文を受動態にすると、原形だったところに to が戻ります。これは使役動詞の make とまったく同じ動きです。
I saw him enter the room. を受動態にすると He was seen to enter the room. となります。to を落とすと誤りになります。
ing の形はそのまま残ります。He was seen entering the room. のように、現在分詞は受動態にしても形が変わりません。
知覚動詞と使役動詞の共通点
知覚動詞と使役動詞は、うしろに原形をとるという点で同じ仲間として扱われます。to のない不定詞を続けられるのは、この二つの系統だけです。
受動態で to が戻るところも共通しています。He was made to wait. と He was seen to leave. は、まったく同じ変化をしています。
違いは意味です。使役動詞は「させる」という働きかけ、知覚動詞は「気づく」という受け取りを表します。形が似ているぶん、意味で区別すると混乱しません。
知覚動詞と can が組む形
see、hear、feel は、進行形にしにくい動詞として知られています。今まさに見えている、聞こえていると言いたいときは、進行形ではなく can を添えます。
I can see the mountain from here.(ここから山が見える)や I can hear music.(音楽が聞こえる)が自然な言い方で、I am seeing や I am hearing はふつう使いません。
この can には「できる」という能力の意味はほとんどなく、今その感覚が働いていることを示すはたらきをしています。日本語の「見える」「聞こえる」にちょうど対応する形です。
一方 watch と listen to は意識して向ける動作なので、進行形にできます。I am watching TV. や I am listening to the radio. は自然な文です。
知覚動詞を使った例文
原形の例です。I saw her get on the bus.(彼女がバスに乗るのを見た)。We heard the door close.(ドアが閉まる音がした)。
ing の例です。I felt something moving in my bag.(かばんの中で何かが動いているのを感じた)。She watched the children playing.(子どもたちが遊んでいるのを眺めていた)。
過去分詞と受動態の例です。I found my bike stolen.(自転車が盗まれているのに気づいた)。He was heard to say so.(彼がそう言うのが聞こえた)。
日常でよく出る例も挙げておきます。Did you see what happened?(何が起きたか見ましたか)。I heard you were sick.(体調を崩したと聞きました)。この二つは目的語のあとに文が続く形で、知覚動詞の別の使い方にあたります。
知覚動詞のよくある間違い
一つ目は、原形の前に to を入れてしまう間違いです。I saw him to run は誤りで、I saw him run が正しい形です。
二つ目は、受動態で to を落とす間違いです。He was seen enter は誤りで、seen to enter か seen entering のどちらかにします。
三つ目は、目的語が受ける側なのに原形や ing を使う間違いです。I heard my name call では名前が呼ぶ側になってしまうため、called が正しくなります。
知覚動詞の覚え方のコツ
まず三つの形を、時間の長さで並べて覚えます。全部見たなら原形、途中だけなら ing、受け身なら過去分詞という三本立てです。
次に、使役動詞とセットで押さえます。to のない原形をとる動詞は、知覚動詞と使役動詞の二系統だけだと決めておけば、他の動詞と混ざりません。
最後に受動態の to を忘れないよう、was seen to と was made to を並べて口に出しておきます。ここは書き換え問題でも会話でも差が出るところなので、形ごと覚えてしまうのが早道です。
知覚動詞についてよくある質問
どちらも文としては正しく、意味が少し変わります。原形は動作を最後まで見たとき、ing は途中の場面をとらえたときです。どちらでも通じる場面は多くあります。
see は自然に目に入ること、watch は意識して見続けることを表します。テレビは watch、道で偶然見かけたときは see を使うと自然です。hear と listen to も同じ関係です。
能動態では目的語と原形がひとかたまりになっているため to が要りませんが、受動態にするとその結びつきがほどけ、不定詞としての to が表に出ます。使役動詞の make も同じ動きをします。
notice は知覚動詞として扱われます。find は厳密には知覚ではありませんが、find + 目的語 + 現在分詞や過去分詞という同じ形をとるため、一緒に覚えると整理しやすくなります。
知覚動詞のまとめ
知覚動詞とは、見る・聞く・感じるという感覚でとらえることを表す動詞です。see、hear、feel、watch、notice などがこれにあたります。
うしろに続く形は三つあり、動作の全体なら原形、途中なら ing、目的語が受ける側なら過去分詞を使います。受動態にすると原形の前に to が戻る点も、使役動詞と合わせて押さえておきたい特徴です。
知覚動詞の出典・参考にした辞書
英語の perception の定義・用法は以下の英英辞典で確認しました。

コメント