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インプットとは?意味と語源|英語 input が持つ「意見を出す」の用法と発音

インプットとは、システム・組織・機械が動けるようにそこへ入れられるもののことです。英語の input をそのままカタカナにした語で、エネルギー・お金・情報のほか、人が会議やプロジェクトに出す「意見・助言」までを含みます。

日本語でインプットというと、多くの場合は「知識を頭に入れること」を指します。ところが英英辞典を開くと、最初に立っているのは別の顔です。この記事では、インプットの意味を辞書の語義からたどり、1753年の「拠出金」だった語源、英語 input が持つ「意見を出す」の用法、辞書が示す発音と数え方、そして日本語のインプットとのずれまでを整理します。

目次

インプットとは何か(結論)

インプットとは、あるしくみが動くために外から入れられるもの、そして入れる行為そのものです。受け手の側に「入れられる箱」があって、そこへ向かって流れ込む側を指す語なので、何のために入れるのかが決まらないと意味が定まりません。

Cambridge Dictionary は名詞の input を、システム・組織・機械が動けるようにそこへ入れられる、エネルギー・お金・情報のようなもの、と定義しています。レベルは B2、品詞欄は [C or U] です。

添えられている例文が独特です。私はそのプロジェクトにあまり関われなかった、という文に、括弧で「与えた助けが小さかった」という補足が付いています。つまりここでの input は、電気でも情報でもなく「人が出した力添え」を指しています。

Oxford Learner’s Dictionaries の書き方はさらに踏み込んでいます。時間・知識・アイデアなど、仕事やプロジェクトを成功させるために自分が注ぎ込むもの、および何かを入れるという行為、と定義されています。この件についてあなたの意見を聞かせてほしい、という例文が最初に置かれています。

つまり英語の input は、①入れられるもの、②入れる行為、③入れる入口、の三つを行き来する語です。日本語のインプットは①のうち「知識を吸収する」という一点に寄っているので、残りの顔を知っておくと英語で書くときに迷いません。

インプットの語源は in-+put で、1753年の「拠出金」

input が名詞として英語に現れたのは1753年です。Online Etymology Dictionary によれば、当時の意味は「投じられた金額、分担、拠出」でした。お金の話から始まった語です。

できかたは単純で、副詞の in と動詞の put をつないだ句がそのまま名詞になったものです。in は中英語で古英語の in と inne が合流した語で、さらにさかのぼると PIE の語根 *en「中に」に行き着きます。

put のほうは中英語 putten、さらに古英語の *putian にさかのぼり、元の意味は「突く、押す、押しやる」でした。中に向かって押し込む、という身ぶりがそのまま語の形に残っています。

同辞典によれば、意味が広がったのは二回です。1902年に「装置や機械へ供給されるエネルギー」が加わり、1948年に計算機の「機械へ送り込まれるデータ」が加わりました。日本でインプットという語から連想されやすい計算機の意味は、いちばん新しい層だということになります。

動詞の input は名詞よりずっと古く、14世紀後半から記録があります。ただし当時の意味は「かぶせる、課す」で、現在の語義とはつながりません。「データを機械へ送り込む」という今の意味は1946年に、同じ要素から新しく作り直されたものだと同辞典は記しています。

インプットの英語 input は「意見・助言」も指す

日本語のインプットにはほとんど無い顔が、英語にはあります。人が会議や企画に対して出す意見・助言・知恵を input と呼ぶ用法です。

Cambridge Business English Dictionary は、この語義を [U] として最初に立てています。誰かがプロジェクトや組織などに与える助け・アイデア・知識、という定義です。

例文も具体的です。技術部門からたくさんの良い意見が出て、とても実りのある会議になった、という文と、製品開発について従業員と見込み客から意見をもらいたい、という文が並びます。前置詞は input from ~、input on ~ の二つが示されています。

型 意味 出どころ
input from sb/sth ~からの意見・助言 Cambridge ビジネス英語
input on sth ~についての意見 Cambridge ビジネス英語
input into sth ~への関わり・貢献 Cambridge/Oxford
input to sth ~への投入物 Oxford

アメリカ英語の項も同じ方向を向いています。その市は地元のコミュニティ団体から意見を集める計画だ、という文が [U] の例として載っています。会議で「みなさんのご意見をください」と言いたいときは、We’d like your input. がそのまま使える形です。

Oxford Learner’s Dictionaries の追加例文も、この用法をいくつも並べています。私たちはユーザーから積極的に意見を集めている、改善のアイデアがあればいつでも歓迎する、ユーザーの意見にもとづいていくつか調整した、といった文です。

計算機のインプットは「データを入れる行為とそのデータ」

Oxford Learner’s Dictionaries は、計算機の語義を [uncountable] として別に立てています。コンピュータへ情報を入れるという行為、および入れた情報そのもの、という二段構えの定義です。

例文は、そのソフトはほかのさまざまなプログラムからのデータを受け付ける、という文です。トピック欄は Computers、レベルは B2 とされています。

Cambridge Business English Dictionary も IT の語義を二つに分けています。片方が「コンピュータに入れる情報」で、入力の中でつづりの間違っている語はハイライトされる、という例文が付きます。もう片方が「情報を入れるという行為」で、データ入力に使う欄、という例が挙がっています。

三つめの顔が入口としての input です。Cambridge Dictionary は electronics の専門語として [C] を付け、情報を機械へ運ぶ部分、あるいはそれがつながっている場所、と定義しています。CD-ROM の入力端子はパソコンの背面にある、という例文です。

Oxford Learner’s Dictionaries も同じ語義を [countable] の specialist として立て、パソコンの音声入力端子はどこですか、プリンタ用の入力端子、といった例を並べています。ここでの訳語は「入力」ではなく「入力端子」です。

インプットの発音は /ˈɪnpʊt/|活用は inputted と input の両方

input は名詞でも動詞でも、第1音節の in を強く読みます。名詞と動詞でアクセントが動くタイプの語ではありません。

品詞 Cambridge Dictionary Oxford Learner’s Dictionaries
名詞(英) /ˈɪn.pʊt/ /ˈɪnpʊt/
名詞(米) /ˈɪn.pʊt/(米語辞典では /ˈɪnˌpʊt/) /ˈɪnpʊt/
動詞 英米とも /ˈɪn.pʊt/ ―

気をつけたいのは第2音節の母音です。put の部分は /ʊ/ で、日本語の「ウ」より口の奥をゆるめた短い音になります。カタカナの「インプット」は最後の「ト」を強く切りがちですが、英語では /t/ を軽く置くだけで足ります。

動詞の活用は辞書によって書き方が分かれます。Cambridge Dictionary は現在分詞を inputting、過去形・過去分詞を inputted または input としています。put が put-put-put と無変化の動詞なので、-ed を足す形と原形のままの形が両方生きている、ということです。

Cambridge Business English Dictionary も inputting|inputted または input|inputted または input と、同じ二本立てで示しています。一方、アメリカ英語の項は過去形・過去分詞を input または inputted の順で並べており、無変化の形を先に置いています。どちらで書いても辞書の範囲内です。

インプットは [C or U]|数えるときと数えないとき

Cambridge Dictionary は名詞の input に [C or U] を付けています。Oxford Learner’s Dictionaries も最初の語義を [countable, uncountable] としています。数える場合と数えない場合の両方がある語です。

線引きははっきりしています。意見や関わりという抽象的な中身を指すときは数えません。この件についてご意見を、と言うときの input は [U] です。

一方、入口や端子として物を指すときは数えます。Cambridge Dictionary の electronics の語義は [C]、アメリカ英語の項も、この機器には音声入力端子が三つある、という文を [C] の例として載せています。

使い方 数え方 辞書の例
意見・助言 [U] 地元の団体から意見を集める(Cambridge 米)
投入される資源 [C or U] 蒸留の工程に入る主な投入物のひとつが大麦(Oxford)
計算機への入力 [U] データ入力に使う欄(Cambridge ビジネス英語)
入力端子 [C] この機器には音声入力端子が三つある(Cambridge 米)

複数形が自然に立つ場面もあります。Oxford Learner’s Dictionaries は、この土壌で何かを育てるには大量の養分の投入が必要になる、という文で inputs of nutrients という形を示しています。物として数えられる投入物なら、複数形にして構いません。

語のレベルも見ておきます。Cambridge Dictionary は B2、Oxford Learner’s Dictionaries は OPAL W と OPAL S の両方、つまり学術的な書き言葉と話し言葉の頻出語リストに入れています。論文でも会議でも普通に出てくる語だということです。

ビジネス英語のインプットは「利益を左右する資源」

Cambridge Business English Dictionary は、経済の語義に [C or U] を付けています。何かを生産するのに関わる材料や労働などの資源で、そのコストが利益に影響するもの、という定義です。

例文は、投入コストの大半は労働力のコストに関係している、という文です。ここでの input は精神論ではなく、原価計算に乗る具体的な資源を指しています。

Oxford Learner’s Dictionaries も同じ方向の例を挙げています。大麦は蒸留の工程に入る主な投入物のひとつだ、産業からそのプロジェクトへ多額の資源が投入された、といった文です。

組み合わせも辞書に載っています。Oxford Learner’s Dictionaries のコロケーション欄は、形容詞として great・important・major、動詞として have・need・require、前置詞として input by・input from・input in を挙げています。計算機の語義では data・user・keyboard、require・accept・process という別の並びが示されます。

なお Cambridge Dictionary も Cambridge Business English Dictionary も、input の項の末尾で対になる語を参照するよう指示しています。産出の側を指す語と対にして覚えると、どちらの向きの話をしているのかが文の中で迷わなくなります。

「英語をインプットする」は英語でどう言うか

日本の英語学習では「まずインプット、それから使う」という言い方が定着しています。ところが英英辞典には、人が知識を自分の中に取り込む、という語義が立っていません。

Cambridge Dictionary の動詞 input は [T] として、コンピュータやその他の電子機器に情報を入れること、と定義されています。午前中ずっとパソコンにデータを入力していた、という例文も、目的語は data で、入れる先は機械です。

Cambridge Business English Dictionary も IT の語義として、コンピュータにデータを入れること、と定義し、彼の口座情報が誤って入力されていた、という例文を挙げています。やはり主語は人でも、入れる先は機械です。

Oxford Learner’s Dictionaries の名詞の第一義は「自分が仕事やプロジェクトへ注ぎ込む時間・知識・アイデア」なので、向きが逆です。自分の中に入れるのではなく、外の何かへ差し出すほうを指しています。I want to input English. と言っても、辞書の語義からは意味が届きません。

英語で同じことを言いたいなら、たくさん読むなら read a lot、耳から入れるなら listen to English every day、語彙を増やすなら build my vocabulary のように、動作そのものを表す言い方に置き換えます。日本語のインプットは便利な言葉ですが、そのまま英語へ持ち出すと通じ方が変わる語のひとつです。

インプットを使った英語の例文とよくある間違い

まずは意見を求める型です。I’d appreciate your input on this.(この件についてご意見をいただけると助かります)。Oxford Learner’s Dictionaries に載っている形で、前置詞は on を取ります。

関わりの度合いを言う型もあります。They all had some input into the discussion.(彼らは全員その議論に何かしら関わった)。into を使うと「中へ入れる」という方向が出ます。

機械の話をするときは、The software will accept input from a variety of other programs.(そのソフトはほかのさまざまなプログラムからのデータを受け付けます)という形が使えます。無冠詞・単数のまま置くのが基本です。

間違いの一つ目は、意見の意味で an input や three inputs と言ってしまうことです。抽象的な中身を指すときは数えないので、量を言うなら a lot of input や little input のように支えます。

二つ目は、人が知識を吸収する意味で input を動詞に使うことです。辞書の定義では入れる先が機械なので、学ぶ話には learn や study、読む話には read を当てます。

三つ目は発音です。強く読むのは第1音節の in で、後ろの put は /ʊ/ と短く軽く置きます。カタカナの「プット」に引きずられて後ろを強く読むと、別の語のように聞こえます。

インプットについてよくある質問

Q. インプットは英語で「意見」という意味になるのですか

なります。Cambridge Business English Dictionary は、誰かがプロジェクトや組織に与える助け・アイデア・知識、という語義を [U] で立てています。技術部門からたくさんの良い意見が出た、という例文が付いており、input from ~、input on ~ の形で使います。

Q. input は複数形にできますか

語義によります。Cambridge Dictionary は [C or U] としており、意見や関わりを指すときは数えません。一方、入力端子を指す electronics の語義は [C] で、Oxford Learner’s Dictionaries も養分の投入物について inputs of nutrients という複数形の例を載せています。

Q. 「英語をインプットする」は英語で通じますか

辞書の語義からは届きません。Cambridge Dictionary の動詞 input は「コンピュータや電子機器に情報を入れる」と定義され、Oxford Learner’s Dictionaries の名詞も「自分が仕事やプロジェクトへ注ぎ込むもの」です。read a lot、listen to English every day のように、動作そのものを表す言い方へ置き換えます。

Q. input の過去形は inputted と input のどちらですか

どちらも辞書に載っています。Cambridge Dictionary は過去形・過去分詞を inputted または input とし、アメリカ英語の項は input または inputted の順で並べています。現在分詞はどちらの辞書も inputting です。

インプットのまとめ

インプットとは、しくみが動くために外から入れられるもの、および入れる行為のことです。語源は in(中へ)+put(押し込む)で、1753年に「投じられた金額、拠出」の意味で現れました。1902年に機械へのエネルギー、1948年に計算機のデータが加わっています。

英語の input でいちばん押さえておきたいのは、人が出す意見・助言を指す用法です。Cambridge Business English Dictionary はこれを最初の語義に置いており、会議では input from ~、input on ~ の形がそのまま使えます。

数え方は [C or U] で、抽象的な中身なら数えず、入力端子や投入物なら数えます。発音は前の in を強く読み、put は /ʊ/ と短く置きます。日本語で言う「英語をインプットする」という用法は英英辞典に立っていないので、英語で書くときは read や listen へ置き換えると、意味がそのまま届きます。

インプットの出典

input の定義・語法・発音・語源は以下の英英辞典と語源辞典で確認しました。

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