未来完了とは、未来のある時点に立って、そこまでに終わっていることや、そこまで続いていることを表す言い方です。will have に動詞の過去分詞を続けて作ります。
この記事では、未来完了の作り方と否定文・疑問文、完了・経験・継続という三つの用法、現在完了との違い、未来完了進行形との使い分け、そして perfect という文法用語の語源までを順に整理します。学校文法では現在完了の次に習う形ですが、視点の置き場所さえつかめば、現在完了より仕組みは単純です。
未来完了とは何か(結論)
未来完了とは、未来のある一点より前に完了する動作を表す動詞の形です。英英辞典でも「未来のある時点より前に完了する動作を表す形で、will have または shall have と過去分詞で作る」と説明されています。
現在完了が「今」に立って過去を振り返るのに対し、未来完了は「未来のある時点」に立って、そこから手前を振り返ります。立ち位置が今から未来へずれただけで、振り返るという仕組みは同じです。
発音はイギリス英語で /ˌfjuː.tʃə ˈpɜː.fekt/、アメリカ英語で /ˌfjuː.tʃɚ ˈpɝː.fekt/ です。future と perfect のそれぞれに強勢があり、後ろの perfect のほうがより強く読まれます。
未来完了の作り方は「will have+過去分詞」
組み立ては will have に動詞の過去分詞を続けるだけです。主語が何であっても will have の形は変わらず、三人称単数でも has にはなりません。
I will have worked. / She will have worked. / They will have worked. と、すべて同じ形です。have が助動詞 will のうしろに来ている以上、原形のまま置かれるためです。話し言葉では ‘ll have と縮まり、「ラヴ」に近い一続きの音になります。
主語が I と we のときには、will の代わりに shall を使うこともできます。I shall have worked という形です。ただし shall のほうが改まった響きになるため、日常の文章ではまず will が選ばれます。
未来完了の否定文と疑問文の作り方
否定文は will のうしろに not を置いて will not have、短縮して won’t have とします。疑問文は will を主語の前に出し、Will+主語+have+過去分詞 の順に並べます。
| 文の種類 | 形 | 例 |
|---|---|---|
| 肯定 | 主語+will have+過去分詞 | She will have worked./She’ll have worked. |
| 否定 | 主語+will not have+過去分詞 | She won’t have worked. |
| 疑問 | Will+主語+have+過去分詞 | Will she have worked? |
| 否定疑問 | Won’t+主語+have+過去分詞 | Won’t she have retired by the end of the year? |
否定疑問については、Won’t she have retired …? という短縮した形のほうが、Will she not have retired …? と分けて書く形よりよく使われると説明されています。会話ではまとめて前に出すのが自然です。
なお shall を使った Shall I have …? / Shan’t we have …? という未来完了の疑問文は、文法解説でも「まれ」と注記されるほど出番がありません。疑問文で shall を使う場面はほとんどないと考えて差し支えありません。
未来完了の用法①「その時までに終わっている」完了
一つ目は完了です。未来のある時点を区切りとして、そこまでに動作が終わっている、と述べます。三つの用法のなかで最もよく出る使い方です。
Do you think she’ll have seen the doctor by four o’clock?(四時までに彼女は医者に診てもらい終えていると思いますか)が典型です。四時という未来の一点を先に置き、その時点から見て診察が済んでいるかを尋ねています。
I think they’ll have got there by six o’clock.(六時までには着いているだろう)も同じ型です。到着という出来事そのものは未来にありますが、六時という基準点から見れば過去になっている、という二段構えの見方をしています。
未来完了の用法②「その時までに何回」の経験
二つ目は経験です。未来のある時点までに、通算で何回そうしたことになるかを数える使い方です。現在完了の経験用法を、立ち位置だけ未来へずらした形と考えると分かりやすくなります。
現在完了では I’ve been there a couple of times before.(前に何度か行ったことがある)のように、今までの経験を回数で述べます。この基準点を未来へ動かすと、If I go again next spring, I will have been there five times.(来春もう一度行けば、通算で五回行ったことになる)という形になります。
数を伴う語と一緒に使われるのが特徴です。five times、twice、three times のような回数の表現や、by then のような基準点を示す語が、同じ文の中に置かれます。回数がないと、完了の用法と区別がつかなくなります。
未来完了の用法③「その時まで続いている」継続
三つ目は継続です。ある状態が過去に始まり、未来のその時点まで途切れずに続いている、と述べます。for を伴って期間の長さを示すのが定型です。
Next month my parents will have been together for thirty years.(来月で両親は連れ添って三十年になる)が例です。三十年という長さは、過去の結婚から来月の一点までを測ったものです。At the end of this month, they will have been in their house for one year.(今月末で、あの家に住んで一年になる)も同じ形です。
Next month I will have worked for the company for six years.(来月でこの会社に勤めて六年になる)という言い方は、勤続年数を述べるときによく使われます。英英辞典にも On 14 October I will have worked here ten years. という例が載っており、日付を基準点に置く形が定番だと分かります。
未来完了に欠かせない「いつまでに」の言葉
未来完了は、基準となる未来の一点が示されて初めて意味を持ちます。そのため by tomorrow や for three years のような時を表す語句が、ほぼ必ず一緒に置かれます。
| 語句 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| by+時点 | いつまでに終わるか | by four o’clock/by the end of the year |
| for+期間 | どれだけの長さ続くか | for thirty years/for six years |
| next+期間 | 基準となる未来の時点 | next month/next year |
| 日付 | 基準となる未来の一日 | On 14 October |
by と until を混同しやすい点にも注意が必要です。by は「その時までに済ませる」という期限を、until は「その時までずっと続く」という継続を表します。未来完了で期限を述べるときに選ぶのは by のほうです。
また、when や as soon as、by the time のような時を表す接続詞のあとでは、未来のことでも will を使いません。I will call you as soon as I get to the office. のように、従属節の側は現在形になります。未来完了を含む文でも同じ規則が働きます。
未来完了と現在完了の違い
二つの違いは、振り返る立ち位置がどこにあるかだけです。現在完了は今に立ち、未来完了は未来の一点に立ちます。
| 観点 | 現在完了 | 未来完了 |
|---|---|---|
| 形 | have / has+過去分詞 | will have+過去分詞 |
| 立ち位置 | 今 | 未来のある時点 |
| 期間の測り方 | 過去から今まで | 過去から未来の一点まで |
| 例 | I have worked here for six years. | Next month I will have worked here for six years. |
現在完了そのものが、言語学者イェスペルセンの言葉を借りれば「振り返る現在」と呼べる形です。過去の出来事を、今とのつながりの中で述べます。未来完了は、その「現在」の部分を未来へ移した形にあたります。
なお期間を表す for と、起点を表す since の使い分けは、現在完了でも未来完了でも変わりません。for は three years のような長さに、since は 2006 のような時点に付きます。混ぜると意味が通らなくなります。
未来完了と未来完了進行形の違い
未来完了進行形は will have been に -ing 形を続けた形で、その動作が続いてきた長さを強調したいときに使われます。
In September the head teacher will have been teaching at the school for 20 years.(九月で校長はその学校に二十年教えてきたことになる)が例です。In September, she will have been living in France for a year. も同じ型で、どちらも「ずっと続けてきた」という部分に重心があります。
未来完了と未来完了進行形は、継続の用法では意味が近づきます。目安としては、状態や結果に目を向けるなら未来完了、動作が途切れずに続いてきた時間そのものを見せたいなら未来完了進行形、と分けておくと選びやすくなります。
未来完了は実際にはあまり使われない
形としては習いますが、未来完了は実際の英語での出番が多くありません。英英辞典にも、収録している言語データベースの中では比較的まれである、と注記されています。
理由は単純で、多くの場面が別の形で足りてしまうためです。「六時には着いているだろう」であれば They’ll be there by six. と未来形で言えますし、「来月で六年になる」も It’ll be six years next month. のように言い換えられます。
それでも未来完了が選ばれるのは、期限や節目を明確に示したいときです。契約や工程の話、勤続年数や記念日のように、区切りの時点が意味を持つ場面で力を発揮します。読むときに困らないよう形を押さえ、書くときは無理に使わない、という距離感が実用的です。
未来完了の perfect という用語の語源
perfect は15世紀初めの英語の語で、中英語の parfit(欠けたところがない、理想的な)を古典語の綴りに直した形です。さかのぼると古フランス語の parfit、さらにラテン語の perfectus に行き着きます。
perfectus は動詞 perficere(成し遂げる、仕上げる、完成させる)の過去分詞です。per(完全に)と facere(作る、行う)に分解でき、facere は印欧祖語の *dhe-(置く、据える)にさかのぼります。つまり語の芯にあるのは「やり終えた」という意味です。
文法用語としての perfect、つまり動作が完了していることを表す時制の呼び名として使われるようになったのは1500年ごろとされています。日本語で「完了形」と訳しているのは、この本来の意味をそのまま写した訳語です。「完璧」という日常の意味のほうが、あとから「完全に仕上がっている」という含みから広がったものになります。
未来完了についてよくある質問
主語が I か we のときは shall have も使えますが、will よりも改まった響きになります。疑問文で shall を使う形は文法解説でも「まれ」と注記されるほど出番がなく、通常は will を選んでおけば足ります。
時を表す接続詞のあとでは、未来のことであっても will を使わないという規則があるためです。as soon as I get to the office のように、従属節の側は現在形になります。未来完了を含む文でも同じです。
結果や状態に目を向けるなら未来完了、続けてきた時間の長さを強調したいなら未来完了進行形が向きます。継続を表す場面では意味が近づくため、どちらでも通じることが多くあります。
実際に使う頻度は高くありませんが、読むときに出会うので形は押さえておく価値があります。will have に過去分詞という並びを見たら、未来のどこかに基準点があると読み替える、と覚えておけば足ります。
未来完了のまとめ
未来完了は will have に過去分詞を続けた形で、未来のある時点に立ってそこまでを振り返る言い方です。否定は won’t have、疑問は will を前に出すだけで、主語による形の変化はありません。
用法は、その時までに終わっている完了、その時までの回数を数える経験、その時まで続いている継続の三つに分かれます。どれも by や for のような時を示す語句と組んで初めて意味を持ちます。実際の英語では出番が多くない形ですが、期限や節目を正確に示したい場面では代わりのきかない言い方です。
未来完了の出典
未来完了の形・用法・発音、および perfect の語源は以下の英英辞典・英文法解説・語源辞典で確認しました。
- Cambridge Dictionary Grammar|Future perfect simple (I will have worked eight hours)
- Cambridge Dictionary Grammar|Future perfect continuous
- Cambridge Dictionary Grammar|Conjunctions: time
- Cambridge Dictionary|future perfect
- Oxford Learner’s Dictionaries|the future perfect
- Online Etymology Dictionary|perfect

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