サステナブルは、その状態をこの先も続けていけることを指す言葉です。日本語では「持続可能な」と訳され、環境や社会の話題でよく使われます。
この記事では、サステナブルの意味をラテン語の語源からたどり、エコやSDGsとの関係、この語が現在の意味を持った年、英語 sustainable の発音と使い方までを整理します。もともとはまったく別の意味だったことも見ていきます。
サステナブルとは何か(結論)
サステナブルとは、ある状態や活動を、この先も続けていけることを指す語です。今だけ成り立つのではなく、先まで保てるかどうかを問う言葉です。
辞書の語義は二つあります。ひとつは「一定期間続けることができる」。もうひとつは「環境への損害がほとんど、あるいはまったくない」です。日本語で使われるのは主に後者ですが、英語では前者の意味も同じくらいよく出ます。
この二つは別々のものではなく、つながっています。環境を壊す方法は、資源が尽きた時点で続けられなくなる。だから「続けられる」と「環境を壊さない」が同じ語で表されます。
サステナブルの語源は「下から支える」
sustainable は動詞 sustain に -able が付いた形です。sustain はラテン語の sustinere にさかのぼり、sub-(下から)と tenere(保つ)が合わさっています。
直訳すると「下から支えて保つ」です。倒れそうなものを下から支えて、その状態を続けさせる、という絵になります。sustainable は「そうやって支え続けられる」という意味です。
tenere は英語の中に広く残っています。maintain(手で保つ)、contain(一緒に保つ)、retain(後ろへ保つ)、tenant(土地を保つ人)。どれも「保つ」が芯にあり、sustain もその一員です。
サステナブルが今の意味になった年
sustainable が英語に現れたのは1610年代ですが、当時の意味は「耐えられる、我慢できる」でした。現在この語義は使われていません。
1845年には「擁護できる、支持しうる」という意味が記録されます。議論や主張について、根拠があって支えられる、という使い方です。裁判で異議が認められることを sustained と言うのは、この流れに沿っています。
現在の「一定の水準で続けていける」という意味が記録されるのは1965年です。sustainable growth(持続可能な成長)という言い方も同じ年に現れています。環境の文脈で広く使われるようになるのは、そこからさらに二十年ほど後のことです。
サステナブルとエコの違い
日本語では並べて使われがちですが、指している範囲が違います。整理します。
| 語 | 指しているもの | 範囲 |
|---|---|---|
| サステナブル | 続けていけること | 環境・経済・社会 |
| エコ | 環境に配慮していること | 環境のみ |
| エシカル | 倫理的に正しいこと | 労働・人権など |
| リニューアブル | 再生できること | 資源・エネルギー |
サステナブルのほうが広い語です。環境だけでなく、事業が採算を保てるか、働き方が続けられるかにも使われます。「この働き方はサステナブルではない」という言い方は、環境の話ではありません。
サステナブルの発音とアクセント
sustainable の発音は英米ともに /səˈsteɪ.nə.bəl/ です。強く読むのは二音節目の stain の部分で、ここだけがはっきり「ステイ」と鳴ります。
先頭の su は弱く曖昧に読みます。「サ」ではなく、口をほとんど開けない短い音です。日本語の「サステナブル」のように先頭をはっきり読むと、別の語に聞こえることがあります。
名詞の sustainability は音節が増えますが、強く読む場所の考え方は変わります。/səˌsteɪ.nəˈbɪl.ə.ti/ で、bil が山になります。-ity が付くと強勢が後ろへ動く、英語によくある型です。
サステナブルを使った英語の例文
開発について言う例です。The government promotes sustainable development.(政府は持続可能な開発を推進している)。sustainable development は最も定着した組み合わせです。
続けられないと言う例です。This level of spending is not sustainable.(この支出の水準は続けられない)。環境とは関係のない、家計や経営の話です。
衣類について言う例です。She only buys sustainable fashion.(彼女は環境に配慮した衣類しか買わない)。sustainable fashion は近年よく使われる組み合わせです。
サステナブルと組み合わせて使う語
sustainable は名詞の前に置いて使う形容詞です。よく出る組み合わせを並べます。
| 組み合わせ | 意味 | 分野 |
|---|---|---|
| sustainable development | 持続可能な開発 | 国際、政策 |
| sustainable growth | 持続可能な成長 | 経済 |
| sustainable fashion | 環境に配慮した衣類 | 消費 |
| sustainable energy | 持続可能なエネルギー | 資源 |
sustainable growth が1965年に記録されているのは示唆的です。成長を続けたいという願いと、続けられるのかという疑いが、同じ語の中に同居しています。
サステナブルの名詞形と動詞形
同じ語族に、名詞 sustainability と動詞 sustain があります。三つまとめて押さえると使い分けが楽になります。
sustain は「支える、維持する、持ちこたえる」という動詞です。The bridge can sustain heavy loads.(その橋は重い荷重に耐えられる)のように、物理的な支えにも使われます。
sustainability は「続けていける性質」という名詞です。企業の報告書などで頻繁に出ます。日本語では「持続可能性」と訳され、カタカナの「サステナビリティ」もそのまま定着しています。
サステナブルとSDGsの関係
SDGs は Sustainable Development Goals の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。この語の中に sustainable が入っています。
sustainable development という組み合わせ自体は、SDGs より前から使われていました。将来の世代が必要とするものを損なわずに、今の世代の必要を満たす開発、という説明が定着しています。
日本語のサステナブルが環境の意味に偏っているのは、この語をSDGs経由で知った人が多いためだと考えられます。英語での用法はもっと広く、続けられるかどうかを問うあらゆる場面で使われます。
サステナブルはなぜ環境の語になったか
1965年の時点では、sustainable は経済の語でした。成長を続けられるか、という問いの中で使われています。
その問いを突き詰めると、資源の話にたどり着きます。石油も森林も漁場も、使う速さが再生する速さを超えれば、いつか尽きる。尽きれば経済も続かない。経済の問いが、そのまま環境の問いになりました。
語源に戻ると理由が見えます。sustain は「下から支える」です。何が支えているのかを問えば、答えは資源と環境になる。環境の語になったのは意味の飛躍ではなく、支えの正体をたどった結果です。
サステナブルのよくある間違い
一つ目は、環境の意味だけで使うことです。英語では家計、事業、働き方など、続けられるかを問うあらゆる場面で使われます。範囲を狭く覚えていると、聞いたときに意味を取り違えます。
二つ目は、名詞のように使うことです。sustainable は形容詞なので、単独では文の中で名詞になりません。名詞が必要なときは sustainability を使います。
三つ目は、発音です。先頭の su を強く読むと通じにくくなります。強いのは二つめの stain だけで、あとは軽く添える。この一点だけ意識すれば伝わります。
サステナブルについてよくある質問
和製英語ではありません。英語の sustainable をそのまま取り入れた語です。ただし日本語では環境の意味に偏っており、英語での幅広い使い方とは範囲がずれています。
品詞が違います。サステナブルは形容詞で名詞を修飾し、サステナビリティは名詞で「続けていける性質」そのものを指します。英語では sustainable と sustainability です。
本当です。1610年代には「耐えられる」という意味で、1845年には「擁護できる」という意味で使われていました。現在の「続けていける」という意味は1965年に記録されています。
maintain は状態をそのまま保つこと、sustain は下から支えて持ちこたえさせることです。sustain には負荷や困難に耐えるという含みがあり、重さを支える場面でも使われます。
サステナブルのまとめ
サステナブルとは、その状態をこの先も続けていけることを指す形容詞です。ラテン語の「下から支えて保つ」に由来し、1610年代には「耐えられる」という別の意味を持っていました。
現在の意味が記録されたのは1965年で、当初は経済の語でした。環境だけでなく、事業や働き方が続けられるかにも使えます。範囲の広さを知っておくと、英語で聞いたときに取り違えずに済みます。
サステナブルの出典
sustainable の定義・語源・発音は以下の英英辞典と語源辞典で確認しました。

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