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不定詞とは?意味と三つの用法|動名詞との違い、原形不定詞と否定形の作り方

不定詞は、英文法でいちばん最初につまずく人が多い項目です。名詞のようにも形容詞のようにも副詞のようにも働き、しかも見た目は to と動詞の原形が並んでいるだけ。何が「不定」なのかも説明されないまま進むことが多い項目です。

この記事では、不定詞の名前の由来から始めて、三つの用法、動名詞との違い、to が付かない形まで、順番に整理します。

目次

不定詞とは何か(結論)

不定詞とは、動詞の原形をそのまま使い、主語や時制の影響を受けない形のことです。英語では to と動詞の原形を並べた to go、to eat のような形を指します。

「不定」という名前は、主語によって形が定まらないという意味です。ふつうの動詞は He goes. のように主語に合わせて形が変わり、時制でも goes と went に分かれます。ところが不定詞は、主語が誰でも、時がいつでも、to go のまま変わりません。定まらないから「不定」です。

形が変わらない代わりに、不定詞は動詞の働きを失います。文の述語にはなれず、名詞・形容詞・副詞のいずれかの役を担います。動詞の意味を持ったまま別の品詞として働く、というのが不定詞の正体です。

不定詞の名前の由来

英語では infinitive と呼びます。in(〜でない)と finite(限定された)を合わせた語で、限定されていない形という意味です。日本語の「不定詞」は、この infinitive をそのまま訳したものです。

対になる語が finite verb(定形動詞)です。主語と時制で形が定まる、ふつうの動詞のことを指します。文には必ず定形動詞が一つ必要で、不定詞はその席に座れません。

この対比を知っておくと、なぜ I to go. が文にならないのかが分かります。定形動詞がないため、文の骨組みが立たないからです。I want to go. なら want が定形動詞で、to go はその目的語として働いています。

不定詞の三つの用法

不定詞は、文の中でどの品詞として働くかで三つに分けられます。形は同じなので、働きで見分けます。

用法 働き 日本語の目安 例
名詞的用法 主語・目的語・補語になる 〜すること I like to read.
形容詞的用法 名詞を後ろから説明する 〜するための something to eat
副詞的用法 動詞や文全体を説明する 〜するために I came to see you.

見分け方の順番は決まっています。まず、その不定詞を取り除いて文が成り立つかを見ます。成り立たなければ名詞的用法です。成り立つなら、直前に名詞があるかを見ます。あって、その名詞を説明していれば形容詞的用法、なければ副詞的用法です。

不定詞の名詞的用法

名詞的用法は、不定詞が名詞と同じ場所に入る使い方です。主語、目的語、補語のどれにもなれます。日本語では「〜すること」と訳せる場面が中心です。

主語になる例が To learn a language takes time.(言語を学ぶには時間がかかる)です。ただし英語は頭が重い文を嫌うため、実際には It takes time to learn a language. と、it を前に置いて不定詞を後ろへ送る形がよく使われます。

目的語になる例が I want to go home.(家に帰りたい)です。want、hope、decide、plan、promise といった動詞は、目的語として不定詞を取ります。これから先のことを表す動詞が多いのが特徴です。

補語になる例が My goal is to finish it today.(私の目標は今日それを終えることだ)です。be動詞のあとに置いて、主語が何であるかを説明しています。

不定詞の形容詞的用法

形容詞的用法は、不定詞が直前の名詞を後ろから説明する使い方です。日本語では「〜するための」「〜すべき」と訳せます。

I have a lot of work to do.(やるべき仕事がたくさんある)では、to do が work を説明しています。Give me something to drink.(何か飲むものをください)では、to drink が something を説明しています。

注意したいのは語順です。日本語は「飲むもの」と前から説明しますが、英語は something to drink と後ろから説明します。-thing で終わる語に形容詞が付く場合も同じで、something cold to drink のように、形容詞が先、不定詞が後ろという順になります。

不定詞の副詞的用法

副詞的用法は、動詞や文全体を説明する使い方です。最も多いのが目的を表す用法で、「〜するために」と訳せます。

I went to the store to buy milk.(牛乳を買うために店へ行った)が典型です。目的をはっきりさせたいときは in order to や so as to を使い、in order to buy milk のように書きます。意味は同じで、形式が整うぶん改まった文書に向きます。

目的以外の使い方もあります。I was glad to hear the news.(その知らせを聞いてうれしかった)は感情の原因、He grew up to be a doctor.(成長して医者になった)は結果を表しています。どれも「〜するために」では訳せないので、感情や結果を表す文脈かどうかで判断します。

不定詞と動名詞の違い

「〜すること」を表す形には、不定詞のほかに動名詞があります。to read と reading です。どちらを使うかは動詞によって決まっており、両方使える動詞でも意味が変わることがあります。

後ろに取る形 動詞の例 時間の向き
不定詞だけ want, hope, decide, plan, promise これから先のこと
動名詞だけ enjoy, finish, mind, avoid, give up すでにあること・進行中
両方(意味が同じ) like, love, begin, start 差はほとんどない
両方(意味が変わる) remember, forget, try, stop 下の説明を参照

意味が変わる組み合わせが要注意です。remember to call は「電話するのを忘れずにいる」、remember calling は「電話したことを覚えている」。stop to smoke は「たばこを吸うために立ち止まる」、stop smoking は「たばこをやめる」。不定詞はこれから、動名詞はすでに、という向きの違いがそのまま出ています。

to が付かない不定詞

不定詞には、to が付かない形もあります。原形不定詞と呼ばれ、決まった動詞のあとで使われます。

一つ目は使役の動詞です。make、let、have のあとでは to を付けません。She made me wait.(彼女は私を待たせた)が正しい形で、made me to wait とは言いません。

二つ目は知覚の動詞です。see、hear、feel、watch のあとも to を付けません。I saw him leave.(彼が出て行くのを見た)となります。to を付けたくなるところですが、この型では不要です。

三つ目は助動詞のあとです。can go、will go、must go のように、助動詞のあとは常に動詞の原形です。これも広い意味では原形不定詞にあたります。

不定詞の否定形と意味上の主語

不定詞を否定するときは、not を to の前に置きます。I decided not to go.(行かないことに決めた)が正しい形です。to not go という順にはしません。

不定詞の動作を誰がするのかを示したいときは、for を使います。It is important for you to be on time.(あなたが時間を守ることが大切だ)の for you が、to be の動作をする人を表しています。

人の性質を評価する形容詞のときだけ、for ではなく of を使います。It is kind of you to help me.(手伝ってくれてありがとう)が例です。kind、nice、silly、careless など、その人がどういう人かを言う形容詞のときにこの形になります。

不定詞を使った例文

三つの用法を並べます。I hope to see you again.(また会えることを願っています)は名詞的用法で、hope の目的語です。I have no time to rest.(休む時間がない)は形容詞的用法で、time を説明しています。I stood up to answer the phone.(電話に出るために立ち上がった)は副詞的用法で、目的を表しています。

動名詞との対比です。I remembered to lock the door.(ドアに鍵をかけるのを忘れずにいた)と I remembered locking the door.(ドアに鍵をかけたことを覚えていた)。同じ動詞でも、後ろの形で内容が変わります。

原形不定詞の例です。Let me know.(知らせてください)。My parents let me stay out late.(両親は私が遅くまで外にいることを許した)。let のあとは常に原形です。

不定詞のよくある間違い

一つ目は、to のあとに原形以外を置く間違いです。to going、to went とは書けません。to のあとは必ず原形です。ただし to が前置詞として働く look forward to のような形では、後ろに動名詞が来ます。この to は不定詞の to ではないためです。

二つ目は、否定の not の位置です。not は to の前に置きます。I told him not to come. が正しい形で、I told him to not come. は避けられます。

三つ目は、使役や知覚の動詞のあとに to を付けてしまう間違いです。make、let、have、see、hear のあとは原形です。help だけは to があってもなくても使えるという例外があります。

不定詞についてよくある質問

Q. 不定詞と動名詞はどちらを覚えるべきですか

どちらか一方ではなく、動詞ごとに組み合わせで覚えます。want to、enjoy -ing のように、動詞と後ろの形をひとかたまりにして入れるほうが実用的です。規則から導くより早く身につきます。

Q. to 不定詞と原形不定詞はどう見分けますか

前にある動詞で決まります。make、let、have、see、hear、watch と助動詞のあとは原形、それ以外は to を付けるのが基本です。数が限られているので、原形になる側だけを覚えれば足ります。

Q. 「to 不定詞の分離」は間違いですか

to と動詞のあいだに副詞を入れる形のことで、to really understand のような書き方です。かつては避けるべきとされましたが、現在の辞書や用法解説では自然な英語として扱われています。改まった文書では避ける人もいます。

Q. 不定詞に時制はありますか

不定詞そのものは時制を持ちませんが、to have finished のような完了の形を使うと、述語動詞より前のことだと示せます。時制ではなく前後関係を表す仕組みです。

不定詞のまとめ

不定詞とは、主語や時制で形が変わらない動詞の形です。to と原形を並べた形が中心で、名詞・形容詞・副詞のいずれかとして働きます。文の述語にはなれません。

見分けるときは、取り除いて文が成り立つかをまず見ます。成り立たなければ名詞的用法、成り立って直前の名詞を説明していれば形容詞的用法、それ以外は副詞的用法です。動名詞との使い分けは動詞ごとに覚え、否定の not は to の前。この三点を押さえれば、不定詞で崩れることはなくなります。

出典

英語の infinitive の定義・用法は以下の英英辞典で確認しました。

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