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動名詞とは?意味と語源、文の中で置ける4つの場所|-ing を名詞にする英文法

動名詞とは、動詞に -ing を付けた形が、文の中で名詞と同じ働きをするもののことです。英語では gerund と呼びます。

動名詞でつまずく場所はほぼ決まっています。「enjoy のあとは -ing なのに hope のあとは to なのはなぜか」「stop crying と stop to buy はどう違うのか」「同じ -ing なのに現在分詞と何が違うのか」の三つです。この記事では、動名詞の定義と語源を押さえたうえで、動詞ごとの型と意味の変わり方を一つずつ整理します。

目次

動名詞とは何か(結論)

動名詞とは、-ing で終わる、動詞から作られて名詞のように使われる語です。

Cambridge Dictionary は gerund を「動詞から作られ、名詞のように使われる -ing で終わる語」と定義しています。Oxford Learner’s Dictionaries はもう一歩ふみこんで、「動詞の現在分詞の形をした名詞(つまり -ing で終わるもの)」としています。二つの辞書に共通しているのは、形は動詞から来ているのに、文の中での役目は名詞だという点です。

ここが動名詞の急所です。cook は動詞ですが、cooking にした瞬間に「料理すること」という名詞のかたまりになり、主語にも目的語にもなれます。I always enjoy cooking. の cooking は enjoy の目的語で、名詞と同じ場所に立っています。動詞の顔と名詞の役目を同時に持っているので、動詞のように目的語を従えたまま、名詞として文にはめこめます。

動名詞という名前の語源

gerund は1510年代の英語に記録された語で、後期ラテン語 gerundium にさかのぼります。

もとをたどるとラテン語の gerundum(成し遂げられるべき)で、これは gerere(担う、運ぶ)という動詞から作られた形です。Century Dictionary は「古い文法家によれば、gerund は本来『何かをすること』または『何かをする必要があること』を表したので、この名が付いた」と説明しています。

ラテン語の gerund は、不定詞の主格以外のすべての格に使われる動詞的名詞でした。この呼び名が、英語では -ing で終わる動詞的名詞に当てはめられた、というのが gerund という用語の来歴です。日本語の「動名詞」も、動詞から来て名詞として働くというこの二面性をそのまま訳した名前になっています。

余談として、gerund-grinder という語が1710年に記録されています。意味は「ラテン語文法の教師」、転じて「衒学者」です。動名詞が当時のラテン語教育でどれだけ反復練習の的だったかがうかがえます。

動名詞と現在分詞は同じ -ing でも働きが違う

形が同じでも、名詞の位置に立てば動名詞、それ以外の働きをしていれば現在分詞です。

Oxford の定義が「現在分詞と同じ形をした名詞」と言っているとおり、動名詞と現在分詞はつづりの上では区別がつきません。区別できるのは、その語が文の中でどの役目を担っているかだけです。

形 文の中での働き 置かれる場所の例
動名詞 名詞 主語、動詞の目的語、補語、前置詞のあと
現在分詞 形容詞・進行形の一部 be動詞のあと、名詞の修飾、知覚動詞のあと

判定の手順は単純です。その -ing を「〜すること」という名詞のかたまりに置きかえて文が成り立つなら動名詞、成り立たないなら現在分詞です。目的語や補語の位置に入っているかどうかを先に見れば、迷う場面はほとんど残りません。

動名詞が文の中で置かれる4つの場所

名詞として使われる以上、動名詞が入れる場所は名詞が入れる場所とまったく同じです。

一つ目は主語です。Working in London means leaving home at 6.30. の Working in London は文全体の主語で、「ロンドンで働くこと」というかたまりが主語の座に入っています。この文には動名詞が二つあり、うしろの leaving home at 6.30 は means の目的語です。

二つ目は動詞の目的語、三つ目は補語、四つ目は前置詞のあとです。We haven’t finished eating yet. の eating は finished の目的語にあたります。前置詞のあとに動詞を続けたいときは、名詞の形にする必要があるので動名詞しか使えません。to 不定詞をそこに入れられないのは、前置詞の後ろが名詞の席だからです。

動名詞だけを目的語に取る動詞

動詞によっては、あとに続けられるのが動名詞だけで、to 不定詞を置くと誤りになります。

Cambridge Grammar が「通常 to 不定詞ではなく -ing 形が続く」動詞として挙げているのは次の語です。admit、avoid、can’t help、consider、deny、dislike、enjoy、fancy、feel like、finish、give up、imagine、involve、keep (on)、mind、miss、practise、put off、risk、can’t stand。

I always enjoy cooking. は正しく、I always enjoy to cook. は誤りです。同じく We haven’t finished eating yet. に対して We haven’t finished to eat. は成り立ちません。She keeps changing her mind about the wedding. も、keep のあとは -ing に固定されます。

この一覧を眺めると、やめる・避ける・楽しむ・思い浮かべるといった、すでに頭の中にある行為を扱う動詞が多いことが分かります。ただし例外もあるので、規則で覚えるより一覧ごと覚えるほうが速く済みます。

不定詞だけを目的語に取り、動名詞を置けない動詞

逆に、あとに to 不定詞を直接続けられる動詞の一覧も決まっています。

Cambridge Grammar は afford、agree、arrange、ask、begin、choose、continue、decide、demand、fail、forget、hate、help、hope、intend、learn、like、love、manage、mean、need、offer、plan、prefer、pretend、promise、refuse、remember、start、try、want を挙げています。

I can’t afford to go on holiday.、It began to rain.、She hopes to go to university next year.、My mother never learnt to swim.、Did you remember to ring Nigel? がその例です。前の一覧と見比べると、hope や decide のように、これから起きることに向かう動詞がこちら側に多く含まれています。

あとに来る形 代表的な動詞 例文
動名詞のみ enjoy、finish、avoid、mind、keep I always enjoy cooking.
to 不定詞のみ hope、decide、afford、refuse、manage She hopes to go to university next year.
両方(意味が変わる) stop、try、remember、mean、go on She stopped crying./We stopped to buy some water.

動名詞と不定詞で意味が変わる動詞

go on、need、remember、try、mean、regret、stop、want の八語は、どちらの形も取れますが意味が変わります。

stop が分かりやすい例です。She stopped crying as soon as she saw her mother. は「泣くのをやめた」で、やめた対象が動名詞で示されています。一方 We stopped to buy some water at the motorway service area. は「水を買うために立ち止まった」で、to 不定詞のほうは目的を表します。

try も同じです。I tried searching the web and finally found an address for him. は「試しにウェブで探してみた」で、実際に検索はしています。I tried to email Simon but it bounced back. は「メールを送ろうとした」で、こちらは達成できていません。

go on では、He went on singing after everyone else had finished. が「歌い続けた」、She recited a poem, then went on to sing a lovely folk song. が「詩を朗読し、そのあと歌に移った」です。mean は Working in London means leaving home at 6.30. が「結果としてそうなる」、I didn’t mean to make you cry. が「そのつもりはなかった」となります。

動名詞の意味上の主語は目的格で置く

動名詞が表す行為を、文の主語とは別の人がする場合は、動名詞の直前にその人を置きます。

Cambridge Grammar によれば、can’t stand、dislike、imagine、involve、mind、miss、put off、risk といった動詞では、-ing 形の前に新しい主語を立てられます。We just couldn’t imagine Gerry singing in public. では、歌うのは we ではなく Gerry です。

ここで押さえるべきは形です。この新しい主語が代名詞のときは、目的格(me、him、her、us、them)を使います。主格を置くのではない、という一点だけ覚えておけば、この構文で形を誤ることはなくなります。

知覚動詞のあとの動名詞と原形不定詞

feel、hear、notice、overhear、see、watch のあとは、-ing 形と to のない不定詞の両方が使えます。

この二つは交換可能ではなく、focus が違います。-ing 形を使うと、その動作や出来事が進行中であることに焦点が当たります。to のない不定詞を使うと、動作そのものに焦点が移ります。

なお、この位置の -ing は名詞の席に立っているわけではないので、厳密には動名詞ではなく現在分詞として扱われます。形が同じために動名詞と混同されやすい代表例で、前の章の判定手順(名詞のかたまりに置きかえられるか)を当てると区別できます。

let と make のあとに動名詞は置けない

let と make は、能動態では to のない不定詞だけを取ります。

Let me show you this DVD I’ve got. と They made us wait while they checked our documents. のとおり、どちらも目的語(me、us)を先に置き、そのあとに原形が続きます。They made us to wait という形は誤りです。

help はこの二つと違い、to のない不定詞と to 不定詞のどちらでも成り立ちます。She helped me find a direction in life. と Everyone can help to reduce carbon emissions by using public transport. はどちらも正しい形です。ちなみに後者の by using は前置詞のあとの動名詞で、本記事で扱ってきた用法にあたります。

動名詞と不定詞の使い分けを機械的に決める手順

迷ったときは、前に立っている語が何かを見るだけで、ほとんどの場合は決まります。

第一に、直前が前置詞なら動名詞です。前置詞のあとは名詞の席なので、to 不定詞は入れません。第二に、直前が動詞なら、その動詞が動名詞側の一覧か不定詞側の一覧かを見ます。第三に、両方取れる八語(go on、need、remember、try、mean、regret、stop、want)に当たったときだけ、意味を確かめて選びます。

主語の位置と補語の位置では、動名詞と to 不定詞のどちらも立てられますが、Working in London means leaving home at 6.30. のように、主語に動名詞を置く形は日常的によく現れます。文頭で「〜すること」と言いたいときは、まず動名詞を候補にすると自然な文になります。

動名詞の発音

gerund の発音記号は /ˈdʒerənd/ で、強勢は第一音節に置かれます。

Cambridge Dictionary は英音を ˈdʒer.ənd、米音を ˈdʒer·ənd と示しており、英米で差がありません。Oxford Learner’s Dictionaries も英音・米音ともに /ˈdʒerənd/ を掲げています。

先頭は「ガ」ではなく /dʒ/ です。ラテン語 gerundium の g は硬い音でしたが、英語に入る過程で軟音化しており、カタカナで近づけるなら「ジェランド」になります。第二音節の母音は弱く曖昧に落ちるので、「ジェ」を強く、あとを軽く添えるつもりで発音すると通じます。

動名詞についてよくある質問

Q. 動名詞と現在分詞はどう見分けますか

形では見分けられません。文の中の働きで判定します。その -ing を「〜すること」という名詞のかたまりに置きかえて文が成り立てば動名詞、成り立たなければ現在分詞です。主語・目的語・補語・前置詞のあとという名詞の席に入っていれば動名詞にあたります。

Q. 前置詞のあとに to 不定詞を置けないのはなぜですか

前置詞のあとは名詞が入る席だからです。動詞の意味を保ったままそこに入れる形は動名詞しかありません。help to reduce の to は前置詞ではなく不定詞の to なので、この制約とは別の話になります。

Q. stop のあとは動名詞と不定詞のどちらが正しいですか

どちらも正しく、意味が変わります。She stopped crying. は「泣くのをやめた」で、やめる対象を動名詞で示します。We stopped to buy some water. は「水を買うために立ち止まった」で、to 不定詞が目的を表します。stop は go on、need、remember、try、mean、regret、want と並ぶ、意味が変わる八語の一つです。

Q. 動名詞の前に人を置くとき、代名詞は主格ですか目的格ですか

目的格です。me、him、her、us、them の形を使います。imagine、mind、risk、dislike、can’t stand、involve、miss、put off などの動詞では、-ing の前に別の主語を立てられます。

動名詞のまとめ

動名詞とは、動詞に -ing を付けた形が名詞として働くものです。現在分詞とつづりは同じで、区別できるのは文の中の役目だけ。主語・目的語・補語・前置詞のあとという名詞の席に立っていれば動名詞です。

実際に使うときの分岐は三つに畳めます。前置詞のあとなら動名詞、動詞のあとならその動詞が enjoy 型か hope 型かを見る、両方取れる八語のときだけ意味で選ぶ。意味上の主語を立てるときは代名詞を目的格にし、let と make のあとには原形を置きます。名前の由来であるラテン語 gerundum は「成し遂げられるべき」という意味で、動詞の中身を持ったまま名詞として扱うというこの品詞の性格が、呼び名にそのまま残っています。

動名詞の出典

動名詞の定義、動詞ごとの型、語源、発音は以下の英英辞典、語源辞典、および Cambridge の文法解説で確認しました。

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