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ステレオタイプとは?意味と語源は印刷の版|偏見・先入観との違いと英語 stereotype の発音

ステレオタイプは、ある集団や物事について多くの人が持っている、型にはまった見方のことです。「男性はこうだ」「あの国の人はこうだ」といった、実際を確かめずに当てはめる決めつけを指します。

この記事では、ステレオタイプの意味を印刷技術に由来する語源からたどり、偏見・先入観との違い、英語の stereotype が動詞にもなること、発音までを整理します。この語が今の意味を持つようになった年まで記録されている点にも触れます。

目次

ステレオタイプとは何か(結論)

ステレオタイプとは、ある種類の人や物について固定された考えのことです。多くの場合、実際とは合っていない単純化された像を指します。

単なる分類とは違います。分類は観察にもとづいて区別することですが、ステレオタイプは観察の前に答えを決めてしまう点が特徴です。目の前の相手を見ずに、頭の中の型を当てはめています。

辞書にも「特に誤っている考え」という但し書きが付いています。中立の語ではなく、批判的に使われる語だということです。日本語のステレオタイプも同じで、ほめ言葉として使われることはまずありません。

ステレオタイプの語源は印刷の版

stereotype は1798年に印刷の技術用語として英語に現れた語です。ギリシャ語の stereos(固い、立体の)とフランス語の type(活字)を合わせて作られました。

当時の印刷は、一文字ずつ活字を並べて版を組んでいました。同じページを何度も刷るたびに組み直すのは大変なので、組み上がった版をまるごと金属の一枚板に写し取る技術が生まれました。この一枚板が stereotype です。

一度作れば何度でも同じものが刷れる。手間が省ける代わりに、中身を変えることができない。この性質が、そのまま比喩として使われるようになりました。1850年ごろには「変化せずに繰り返される像」という意味が記録されています。

ステレオタイプが今の意味になった年

人や集団についての単純化された思い込み、という現在の意味は1922年に記録されています。ジャーナリストのウォルター・リップマンが著書『世論』の中で使ったことが出発点とされています。

人は世界のすべてを直接見ることができないので、頭の中の像を頼りに判断している。その像は単純化されていて、しばしば実際とずれている。この指摘に、印刷の版という比喩がぴたりと当てはまりました。

語の来歴が記録に残っている、めずらしく素性のはっきりした語です。印刷所の道具の名前が、百年余りで社会を語る言葉になった。技術の語彙が抽象概念に転じる例として、よく引き合いに出されます。

ステレオタイプと偏見・先入観の違い

日本語には近い言葉が並んでいて、混ぜて使われがちです。何を指しているのかを分けて整理します。

言葉 指しているもの 英語
ステレオタイプ 集団についての固定した像 stereotype
先入観 見る前に持っている考え preconception
偏見 根拠なく抱く否定的な感情 prejudice
差別 その感情にもとづく扱いの差 discrimination

この四つは段階の関係にあります。頭の中に像がある状態がステレオタイプ、そこに嫌悪などの感情が加わると偏見、実際の行動に出ると差別です。段が上がるほど、他人に及ぶ害が大きくなります。

ステレオタイプは動詞としても使える

英語の stereotype は名詞だけでなく、動詞としても使えます。辞書にも名詞・動詞・形容詞の三つが載っています。

動詞の意味は「決めつける」です。Women are often stereotyped as being emotional.(女性は感情的だと決めつけられることが多い)のように、受け身で使われることがよくあります。

日本語では「ステレオタイプ化する」という形にしますが、英語では stereotype だけで動詞になります。名詞をそのまま動詞に使える語なので、to stereotype someone という形をそのまま覚えておくと便利です。

ステレオタイプの発音とアクセント

stereotype の発音は、英米ともに /ˈster.i.ə.taɪp/ です。強く読むのは先頭の ster の部分で、カタカナで書くなら「ステリオタイプ」と最初に山が来ます。

日本語の「ステレオタイプ」との差は真ん中です。「レ」ではなく「リ」に近い音で、しかも弱く読みます。ste-ri-o-type と四つに割って、最初だけを強く読むのが英語のリズムです。

形容詞の stereotypical になると、強く読む場所が移ります。/ˌster.i.əˈtɪp.ɪ.kəl/ で、真ん中の tip が山になります。語尾が変わると強勢が動く例で、-ical で終わる語に共通する動き方です。

ステレオタイプを使った英語の例文

型に当てはまらないと言う例です。He doesn’t fit the national stereotype of a Frenchman.(彼はフランス人という国民的な型には当てはまらない)。fit the stereotype で「型どおりだ」となります。

型に従うことを拒む例です。I refuse to conform to the stereotypes that society imposes.(社会が押しつける型に合わせることを、私は拒む)。conform to the stereotype は「型どおりに振る舞う」です。

種類を言う例です。racial stereotype(人種についての型)、gender stereotype(性別についての型)。前に分野を表す語を置いて、何についての型なのかを示すのが定番の形です。

ステレオタイプの語族と関連語

stereo という部品は他の語にも使われています。まとめて見ると、意味のつながりが見えます。

語 意味 stereo の働き
stereotype 固定した型 固い
stereo 立体音響 立体の
stereoscope 立体視の装置 立体の
cholesterol コレステロール 固い(胆汁中の固形分から)

ステレオ音響の stereo と同じ部品だというのは、言われないと気づきにくい点です。ギリシャ語の stereos は「固い」と「立体の」の両方を意味しており、語によってどちらの面が使われたかが分かれました。

ステレオタイプはすべて悪いものか

辞書の語義には「特に誤っている考え」と書かれており、批判的な語であることは確かです。ただし、なぜ人がこの型を作るのかを知っておくと、扱い方が変わります。

人は、初めて会う相手や初めて行く土地について、手持ちの情報だけで判断しなければならない場面があります。そのとき頭の中の型が働きます。処理を省くための仕組みであって、悪意から生まれるものとは限りません。

問題になるのは、目の前の事実を見ても型を書き換えないときです。印刷の版と同じで、一度作ると変えにくい。型があること自体ではなく、更新しないことが害を生みます。この見方を持っておくと、自分の中の型にも気づきやすくなります。

stereotypical という形容詞も一緒に覚えておきます。a stereotypical image(型どおりの像)のように使い、名詞の stereotype より文の中で使いやすい形です。批判の響きは名詞と同じく残ります。

似た働きをする語に typecast があります。俳優が同じ役柄ばかり当てられることを指す動詞で、He was typecast as the villain.(彼は悪役の型にはめられた)のように使います。こちらも印刷の型を意味する cast から来ています。

ステレオタイプのよくある間違い

一つ目は、ほめる意味で使うことです。「彼はステレオタイプな日本人だ」と言うと、批判に聞こえます。良い意味で典型だと言いたいときは typical を使います。

二つ目は、偏見と同じ意味で使うことです。ステレオタイプは頭の中の像、偏見はそこに乗る否定的な感情です。指しているものが違うため、置き換えると議論がずれます。

三つ目は、綴りです。stereotype の真ん中は e で、stereo-type と区切れます。stero や sterio と書き間違える例が多いので、ステレオ音響と同じ綴りだと覚えておくと安全です。

ステレオタイプについてよくある質問

Q. ステレオタイプと典型はどう違いますか

典型は実際の観察にもとづく代表例、ステレオタイプは観察の前に決めてしまった型です。英語では typical と stereotypical で使い分けられ、後者には批判の響きがあります。

Q. ステレオタイプは和製英語ですか

和製英語ではありません。英語の stereotype がそのまま使われています。ただし英語では動詞としても使える点が、日本語との違いです。

Q. ステレオタイプとステレオは関係がありますか

語源は同じで、どちらもギリシャ語の stereos に由来します。ステレオ音響は「立体の」、ステレオタイプは「固い」という面が使われました。同じ部品から出た別の枝です。

Q. アンコンシャスバイアスとの違いは何ですか

アンコンシャスバイアスは、自分では気づいていない偏りのことです。ステレオタイプはその中身にあたる型を指します。型が無自覚に働いている状態がアンコンシャスバイアス、という関係になります。

ステレオタイプのまとめ

ステレオタイプとは、ある集団や物事についての固定された、しばしば実際とずれた見方のことです。1798年の印刷技術に由来し、一度作ると変えられない金属の版が語の出発点でした。

1922年に社会を語る言葉として使われ、今の意味が定着しました。英語では動詞にもなり、発音は先頭を強く読みます。型があること自体ではなく、事実を見ても更新しないことが問題だという見方を持っておくと、この語を正しく使えます。

ステレオタイプの出典

stereotype の定義・語源・発音は以下の英英辞典と語源辞典で確認しました。

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