MENU

コンプライアンスとは?意味と語源|法令遵守との違い・英語 compliance の発音と使い方

コンプライアンスは、決められた規則やルールを守ることを指す言葉です。日本の会社では「法令遵守」と訳されることが多く、社内研修の名前としてもよく見かけます。

この記事では、コンプライアンスの意味を語源からたどり、英語の compliance との重なりとずれ、似た言葉との使い分け、発音までを一度に整理します。日本で「コンプライアンス違反」と呼ばれるものが英語ではどう表されるのかにも触れます。

目次

コンプライアンスとは何か(結論)

コンプライアンスとは、外から定められた決まりに従うことです。法律、業界の規則、社内の規程、契約で交わした約束。どれも自分で決めたものではなく、外側にある基準です。その基準に自分の行いを合わせる状態を指します。

日本の会社で使われるときは、法律を守ることに加えて、社会から見て後ろ指をさされない行いをすることまで含める場面が増えました。法律には触れないが批判される、という領域まで守備範囲に入っているのが日本語の特徴です。

大事なのは、コンプライアンスが「守る側の態度」を指しているという点です。規則そのものではありません。規則があることと、それに従っていることは別で、後者だけを指す言葉です。

コンプライアンスの語源

英語の compliance は、動詞 comply に名詞をつくる語尾 -ance が付いた形で、1640年代に「従うこと、他人に譲る性質」という意味で使われ始めました。comply 自体はさらに古く、もとをたどるとラテン語で「満たす」を表す語につながります。

相手の求めを満たす、という発想が出発点です。ここから「求めに応じる」「言われたとおりにする」という意味が育ち、やがて法律や規則という非人間的な相手にも使われるようになりました。

語尾の -ance は、動詞から状態や行為を表す名詞をつくる部品です。同じ形の語に assistance、resistance、performance があります。この部品を知っておくと、初めて見る語でも「もとになった動詞は何か」を推測できます。

ビジネスで使うコンプライアンスの意味

仕事の場面でコンプライアンスと言えば、会社が法律や規則を破らずに事業を進めている状態を指します。「コンプライアンスを徹底する」「コンプライアンス研修」「コンプライアンス部門」といった形で使われます。

英語でも同じ使い方があります。金融や製薬の会社には compliance department という部署が実在し、規制を守れているかを社内で点検する役目を負っています。日本語の使い方は、この業界用語を輸入したものです。

ただし日本語では、対象が法律の外へ広がりました。社内の人間関係、言葉づかい、休日の振る舞いまで「コンプライアンス的にどうか」と言われることがあります。これは英語の compliance にはあまり無い広がり方です。

英語の compliance とカタカナのコンプライアンスの違い

英語の compliance には、日本語ではあまり意識されない意味がもう一つあります。人が言うとおりに従う、という素直さ・従順さの意味です。辞書には「誰かが言うこと、望むことを何でもする行為」という語義が載っています。

この意味で使うとき、compliance はほめ言葉とは限りません。自分の考えを持たずに言いなりになっている、という含みが出ることがあります。日本語のコンプライアンスが基本的に良いこととして語られるのとは、温度が違います。

医療の分野にも独自の使い方があります。患者が処方どおりに薬を飲めているかを compliance と呼ぶ用法です。日本の医療現場でも「服薬コンプライアンス」という形で使われており、こちらは英語とそのまま重なります。

コンプライアンスと似た言葉の使い分け

日本語では、コンプライアンスとガバナンス、内部統制、倫理がまとめて語られがちです。ただし指しているものは別々で、混ぜると議論がぼやけます。

言葉 指しているもの 言い換え
コンプライアンス 決まりに従っている状態 法令遵守
ガバナンス 組織を統べる仕組みそのもの 企業統治
内部統制 社内で誤りを見つけて直す手続き 社内の点検体制
倫理 法律の外にある善悪の基準 道義・モラル

関係を一言で言うと、ガバナンスという器の中に内部統制という仕組みがあり、その仕組みが働いた結果としてコンプライアンスが保たれます。倫理はその全体を外側から支える基準です。

コンプライアンスの発音とアクセント

compliance の発音は、英米ともに /kəmˈplaɪ.əns/ です。強く読むのは真ん中の plai の部分で、カタカナで書くなら「カンプライアンス」に近い形になります。

日本語の「コンプライアンス」は平らに読まれるため、そのまま話すと通じにくくなります。直すべき点は二つで、一つ目は先頭の com を弱く短く読むこと、二つ目は plai を「プライ」とはっきり伸ばして山をつくることです。

語尾の -ance は「アンス」ではなく、口をほとんど開かない曖昧な音です。力を入れずに「ンス」と流すと自然に近づきます。強く発音する場所が一か所だけ、という英語の性質がここにも出ています。

コンプライアンスの品詞と派生語

compliance は名詞です。動詞、形容詞、副詞の形もそろっているので、まとめて覚えると文をつくるときに迷いません。

形 品詞 意味
comply 動詞 (規則などに)従う
compliance 名詞 従っていること
compliant 形容詞 従っている・素直な
non-compliance 名詞 従っていないこと

動詞 comply は前置詞 with とセットで使うのが決まりです。comply with the rules の形で覚えます。comply the rules とは言えないため、ここは形ごと記憶したほうが早く身につきます。

コンプライアンスを使った英語の例文

名詞で使う例です。The company said that it had always acted in compliance with environmental laws.(その会社は、常に環境関連の法律に従って行動してきたと述べた)。in compliance with は「〜に従って」という決まった言い方です。

点検する側の立場から言う例です。It is the job of the inspectors to enforce compliance with the regulations.(規則が守られるようにするのが検査官の仕事だ)。enforce compliance で「守らせる」という意味になります。

従順さの意味で使う例です。They give orders and they expect absolute compliance.(彼らは命令を出し、完全に従うことを求める)。ここでのコンプライアンスは法律とは関係がなく、人に従うことを指しています。

コンプライアンス違反は英語で何と言うか

日本語の「コンプライアンス違反」をそのまま compliance violation と訳しても通じますが、英語では別の言い方のほうがよく使われます。中身によって語を選び分けるためです。

規則に従っていないという事実を指すなら non-compliance が最も近い語です。法律に触れる行為なら violation や breach、社内規程を破ったのなら misconduct が選ばれます。日本語が一語でまとめている部分を、英語は分けて表します。

この違いは、翻訳のときに読み手の受け取り方を変えます。social media misconduct と書けば個人の行いの話ですが、regulatory violation と書けば会社が制裁を受ける話になります。どの語を選ぶかで、責任の所在まで変わります。

日本でコンプライアンスが広まった背景

この語が日本の会社で広く使われるようになったのは、企業の不祥事が続けて表に出た時期と重なります。法律を守るだけでは足りず、社会からどう見えるかまで含めて管理する必要がある、という意識が広がったためです。

その結果、日本語のコンプライアンスは英語よりも広い範囲を指すようになりました。法律、業界の自主規制、社内規程、社会通念。この四段構えを一語で背負っているのが、日本での使われ方です。

言葉が広がりすぎると、何を守ればよいのかがぼやけます。会話の中で使うときは「どの段の話をしているのか」を添えると、意味が締まって伝わりやすくなります。

コンプライアンスのよくある間違い

一つ目は、動詞にして「コンプライアンスする」と言う形です。英語では comply という動詞が別にあるため、名詞に「する」を付ける形は英語には対応しません。日本語として使う分には通じますが、英語に直すときは comply with に置き換えます。

二つ目は、compliance を数えられる名詞として扱うことです。基本は数えない名詞で、a compliance や compliances という形は通常使いません。数えたいときは compliance issues のように別の語を添えます。

三つ目は、前置詞の取り違えです。in compliance with が正しい形で、in compliance to とは言いません。動詞の comply も with を取るため、この語は with とセットだと覚えておくと両方まとめて片づきます。

コンプライアンスについてよくある質問

Q. コンプライアンスと法令遵守は同じ意味ですか

法令遵守はコンプライアンスの中心にある部分ですが、同じ広さではありません。日本語のコンプライアンスは、法律に触れないが社会から批判される行いまで含めて語られることが多く、法令遵守より一回り広い範囲を指します。

Q. コンプライアンスは和製英語ですか

和製英語ではありません。英語の compliance がそのまま使われています。ただし英語には「人の言うとおりに従う素直さ」という意味もあり、日本語ではその面がほとんど使われないという違いがあります。

Q. コンプラと略しても問題ありませんか

日本語の会話では広く通じます。ただし英語には compla のような略し方が無いため、英語で話すときは compliance と最後まで言う必要があります。略語は日本語の中だけの習慣です。

Q. compliant と complaint は関係がありますか

別の語です。compliant は「従っている」、complaint は「苦情」で、意味も語源も違います。綴りが一文字違いなので取り違えやすく、書き言葉では特に注意が必要です。

コンプライアンスのまとめ

コンプライアンスとは、外から定められた決まりに従っている状態のことです。英語の compliance をそのまま取り入れた語で、動詞 comply に -ance が付いた形が出発点になっています。

日本語では法令遵守に加えて社会通念まで含む広い語になり、英語では従順さや服薬の話にも使われます。発音は真ん中の plai を強く読み、動詞は必ず with を取る。この二点を押さえておけば、読むときも話すときも迷いません。

コンプライアンスの出典

compliance の定義・語源・発音は以下の英英辞典と語源辞典で確認しました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次