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ファクトとは?意味と語源はラテン語 factum(なされたこと)|fiction・opinion との違いと英語 fact の発音

ファクトとは?意味と語源はラテン語 factum(なされたこと)|fiction・opinion との違いと英語 fact の発音

ファクトとは、起きたことや存在することが知られているもののうち、とくに証拠があるもの、あるいはそれについての情報があるものという意味です。

英語の fact をそのままカタカナにした語で、語源はラテン語の factum、つまり「なされたこと」。

この記事では、ファクトの意味を英英辞典の語義から整理し、factum から faciō「する、作る」へさかのぼる語源、feat との二重語という関係、fiction と opinion という二方向の反対語、in fact や a fact of life といった決まった言い方、そして true fact が重言とされる理由までを順に見ていきます。

根拠にしたのは Cambridge Dictionary・Oxford Learner’s Dictionaries・Wiktionary の記述だけです。

目次

ファクトとは何か(結論)

ファクトとは、起きたことやあるとされていることのうち、とくに証拠があるもの、または情報が得られているものを指す言葉です。

Cambridge Dictionary は fact を名詞 [ C or U ] とし、学習レベルを A2 と示しました。

定義は「something that is known to have happened or to exist(起きたこと、または存在することが知られている何か)」で、そこに「especially something for which proof exists, or about which there is information(とくに証拠があるもの、あるいはそれについての情報があるもの)」が続きます。

例文は「すべてのファクトが分かるまで、決定は下されない」。

もう一つは「その件についてのファクトを、私は全部知っているわけではない」です。

証拠の有無が語義そのものに書き込まれている点が、この語の芯になります。

ファクトをケンブリッジはどう示しているか

Cambridge Dictionary はこの語の使い方を、組み合わせの形ごとに見出しにして並べています。

fact about something は「〜についてのファクト」、the fact that… は「〜というファクト」、know for a fact は「確かなこととして知っている」。

the fact that の例文は「君が僕の車を使ったことに怒っているんじゃない、ただ先に聞いてくれなかったというそのことなんだ」です。

know for a fact の例文は「彼はナタリーが嘘をついていることを、確かなこととして知っていた」。

さらに「ファクトとフィクションを分けるのは、ときに難しい」という例文も載っています。

American Dictionary の項の定義はもっと短く、「something known to have happened or to exist(起きたこと、または存在することが知られている何か)」です。

ファクトは数えられる名詞にも数えない名詞にもなる

ケンブリッジの品詞表示は [ C or U ] で、数えられる名詞としても数えられない名詞としても使えることを示しています。

数えられるときは a fact・two facts・the facts のように形が変わり、数えられないときは fact or fiction のように無冠詞で立ちます。

Oxford Learner’s Dictionaries はこれを語義ごとに分け、第一の語義に [countable]、第二の語義に [uncountable]、第三の語義に [singular] の札を付けました。

同辞典はこの語に OPAL W・OPAL S の印を添え、分野の分類を Scientific research(科学研究)としています。

その分類の中での水準表示は a1。

ケンブリッジの学習レベル表示は A2 で、見出しの語義そのものに付いています。

項目辞書の記述
品詞名詞([ C or U ]=数えられる場合と数えられない場合がある)
レベルA2(Cambridge)/a1(Oxford の Scientific research 内)
語義ごとの札[countable]・[uncountable]・[singular](Oxford)
発音/fækt/(イギリス英語・アメリカ英語ともに)
対になる語fiction(作り物)・opinion(意見)
関連語fashion・faction・factor・factorial・factory・factotum
二重語feat
ほかの品詞間投詞(これから言うことを確かなものとして示す前置き=Wiktionary)

ファクトの語義はオックスフォードでは三つに分かれる

Oxford Learner’s Dictionaries は fact の語義を三つ立てています。

第一は [countable] で「真実だと知られていること、とくに証明できるもの」。

第二は [uncountable] で「作られたものではなく、真実であるもの」。

第三は [singular] で「現に存在する特定の状況を指すときに使う」です。

第一の語義の例文には「その報告は hard facts(証明できる情報)に基づいている」と「非難を始める前に、自分のファクトを正しくしておきなさい」が並びます。

第二の語義の例文は「その物語はファクトに基づいている」と「この説明はファクトか、それともフィクションか」。

ファクトの語源はラテン語 factum

Oxford Learner’s Dictionaries の語源欄は、この語を15世紀後半のものとしています。

説明は「ラテン語 factum から、facere『する』の中性の過去分詞」。

Wiktionary はもう一段分解しました。

古フランス語 fact からの借用で、その元がラテン語 factum「行い、なされたこと、功績など」です。

同辞典は、中世ラテン語では「状態、条件、事情」の意味でも使われたと記しています。

さらに factum は factus「なされた、作られた」の中性形であり、factus は faciō「する、作る」の完了受動分詞だとしました。

ファクトの語源が示す「置かれたもの」という向き

faciō までさかのぼると、この語の芯は「する」です。

Wiktionary は語根を印欧祖語の *dʰeh₁-「置く、据える」と記しました。

つまりファクトとは、なされて、そこに置かれたもの。

だから英語の fact は、誰かが作った話ではなく、現に起きて残っているものを指します。

同辞典はこの語を feat(功績)の二重語だとしています。

fact と feat は同じラテン語 factum から、別の道を通って英語に入った兄弟なのです。

ファクトはもとは「行い」、のちに「犯罪」を指した

Oxford Learner’s Dictionaries は語源欄の続きで、もとの意味を「an act(行い)」と記しています。

のちに「a crime(犯罪)」の意味になり、それが before the fact・after the fact という言い方の中に生き残りました。

いま使われている語義のうちいちばん古い「truth, reality(真実、現実)」は、16世紀後半からのもの。

Wiktionary も法律の用語としての「不正な行い、犯罪となる行い」を obsolete(廃れた)としつつ、決まった言い方の中では例外だと注記しています。

その例文は「彼は事後の共犯者になっていた(an accessory after the fact)」です。

古フランス語・中フランス語では、のちに faict・fait という形へ変わっていったと同辞典は記しました。

ファクトの英語 fact の発音は /fækt/

Cambridge Dictionary はイギリス英語・アメリカ英語ともに /fækt/ と示しています。

Oxford Learner’s Dictionaries の表記も /fækt/ で、二つの地域で違いはありません。

Wiktionary も /fækt/ とし、韻を -ækt と記しました。

つまり act・pact・tact の語尾と同じ響き。

母音は /æ/ で、口を横に開いて出す音です。

一音節の語なので強勢の位置に迷うことはなく、語尾の /kt/ を二つ続けて出し切るところだけが要点でしょう。

ファクトの反対はフィクションとオピニオン

Wiktionary は反対語を語義ごとに分けて挙げています。

「現に起きたこと」という語義の反対は fiction(作り物)、「客観的なもの」という語義の反対は opinion(意見)です。

Oxford Learner’s Dictionaries の例文にも「ファクトとオピニオンを区別することが大切だ」が載っています。

同辞典は fact or fiction という形も例に挙げ、「ネス湖の怪獣はファクトかフィクションか」という例文を添えました。

Cambridge Dictionary の例文も「ファクトとフィクションを分けるのは、ときに難しい」。

英語の fact は、作り話と意見の両方に対して線を引く語なのです。

ファクトはウィクショナリーでは九つの語義に分かれる

Wiktionary は fact の語義を九つ立てています。

現に起きたこと、現に実在するもの、さらに解釈するための土台となる具体的なもの、多くの専門家が合意した基本的な現実についての客観的な一致、ある話題についての情報、ここまでが現代の語義。

残りはデータベースの専門語と、廃れた三つの語義です。

「多くの専門家が合意したもの」という語義の例文は「地球が太陽のまわりを回っているというファクトを疑う余地はない」。

ファクトが「解釈の土台」として立てられている点は、日本語のビジネス用語の使い方とも重なります。

土台を示してから結論を言う、という順番。

その土台を指してよく使われるのがエビデンスの意味と語源です。↓

ファクトはデータベースの専門語でもある

Wiktionary は六つ目の語義に databases(データベース)の札を付けました。

定義は「データウェアハウスの中で、粒度がいちばん細かい段階にある個々の値、または測定値」。

派生語の一覧にも fact table が入っています。

集計の元になる一行一行を指す語で、複数形で使われる形。

同辞典は、ある話題についての情報という語義の例に「足し算のファクトには 2 + 2 = 4 や 3 + 4 = 7 が含まれる」を挙げました。

一つの語が「真実」も「数えあげの素」も指すのは、芯に「なされて置かれたもの」があるからでしょう。

ファクトと一緒に使う英単語

Cambridge Dictionary は fact とよく組む語として accomplished・arithmetical・brute の三つを挙げています。

accomplished fact の例文は「その件はすでに既成のファクトという様相を帯びていた」。

arithmetical fact の例文は「そこに議論の余地はない、単純な算術上のファクトだ」です。

brute fact の例文は「それは単純で、むきだしのファクトだ」。

Oxford Learner’s Dictionaries のコロケーション欄は、形容詞に important・interesting・relevant、動詞に be aware of・have・know、fact を主語にする動詞に remain を挙げました。

前置詞は after the fact・apart from the fact・despite the fact、決まった言い方は (as) a matter of fact・facts and figures・the fact of the matter です。

ファクトの決まった言い方 in fact と as a matter of fact

Cambridge Dictionary は as a matter of fact を B1 の表現とし、in (actual) fact も同じ意味だとしています。

意味は「いま言っていることを強める、または前に言ったことと逆である、あるいは違うことを示すために使う」。

例文は「私は働いていない、じつは、仕事をしたことが一度もない」です。

同辞典の文法欄は、In fact を discourse marker(談話標識)だと記しました。

Oxford Learner’s Dictionaries は as a matter of fact に二つの使い方を立て、一つは「いま言ったことに、相手が興味を持つだろうことを付け足す」、もう一つは「相手の言ったことに反対する」としています。

反対の例は「『じゃあ、もうすぐ出て行くんでしょうね』『いや、じつはもう二年いることになったんだ』」。

ファクトを含む慣用句 a fact of life と facts and figures

a fact of life は「避けられない、好ましくない何か」という意味です。

Cambridge Dictionary の例文は「髪が薄くなるのは、避けられないことのひとつだ」。

Oxford Learner’s Dictionaries の例文は「病気は人生のただの現実だ」と「何もせずに何かが手に入ることはない、それが現実だ」です。

facts and figures は「正確で詳しい情報」を指し、例文は「決める前に、すべてのファクトと数字を見せてほしいと頼んだ」。

the facts of life は性と赤ちゃんの生まれ方についての話で、とくに子どもに伝えるときの言い方だと両辞典が記しています。

in point of fact は「その場で何が本当かを言う」ための言い方、Is that a fact? は相手の話に驚いたときや信じていないときの返しです。

ファクトからできた言葉はファクトチェックだけではない

Wiktionary の派生語の一覧には、fact check・fact checker・fact-checking が入っています。

Cambridge Dictionary も「fact のもっと多くの意味」として fact-check・fact-checking・fact-finding・fact sheet・material fact・brute fact・non-fact を並べました。

同じ一覧にある factoid・alternative fact・alt-fact・anti-fact・pseudofact・counterfact・unfact は、どれも fact に語や接頭辞をくわえて作られた形。

facts don’t care about your feelings や facts on the ground のような言い回しも載っています。

Wiktionary は参考文献に、2017年の Merriam-Webster の記事「Conway: ‘Alternative Facts’」を挙げました。

語がどう増えたかを見ると、ファクトという語そのものが争点になってきた経緯が見えてきます。

ファクトに true を付けると重言になる

Wiktionary は使い方の注記で、true fact という組み合わせを有名な重言(pleonasm)の例として挙げています。

理由は「ファクトはすべて真実であり、真実でないものはファクトではない」から。

同辞典は、強めようとして自然に出てしまう言い方だと認めつつ、よく練った文章では形容詞を削ったほうが書き手の信用のためになるとしました。

皮肉として使うときだけは、この原則を曲げてもよいとも添えています。

重言を避けるという判断は、筋道を立てて書くための作法です。

どの語を削るかは、文の筋がどう通っているかで決まる。

その筋そのものを指す言葉がロジックの意味と語源です。↓

ファクトは日本語では事実・現実・実情に分かれる

Wiktionary の訳語欄は、語義ごとに日本語を分けています。

「現に起きたこと」と「解釈の土台」には事実(じじつ)、「現実になったもの」には現実(げんじつ)、「ある話題についての情報」には実情(じつじょう)が当てられました。

Cambridge Dictionary の日本語訳も「事実」「現実」の二つを並べています。

間違いやすい点の一つ目は、数え方。

[ C or U ] なので、fact or fiction のように無冠詞で使う形も正しいのです。

二つ目は true fact という言い方で、強めたいときは hard facts のほうが辞書の例文に沿っています。

ファクトについてよくある質問

Q. ファクトの語源は何ですか

ラテン語の factum、つまり「なされたこと」です。

Oxford Learner’s Dictionaries の語源欄は、この語を15世紀後半のものとし、「ラテン語 factum から、facere『する』の中性の過去分詞」と記しています。

Wiktionary はさらに、factum が factus「なされた、作られた」の中性形であり、factus は faciō「する、作る」の完了受動分詞だとしました。

語根は印欧祖語の *dʰeh₁-「置く、据える」です。

もとの意味は「行い」で、のちに「犯罪」を指し、いまの「真実、現実」の語義は16世紀後半からのものだと同欄は書いています。

Q. ファクトとフィクションはどう違いますか

Wiktionary は「現に起きたこと」という語義の反対語として fiction を挙げています。

fact は作られたものではなく現に起きたもの、fiction は作られたものです。

Oxford Learner’s Dictionaries の第二の語義は「作られたものではなく、真実であるもの」で、例文に「この説明はファクトか、それともフィクションか」が載っています。

Cambridge Dictionary の例文も「ファクトとフィクションを分けるのは、ときに難しい」。

なお同じ Wiktionary は、「客観的なもの」という語義の反対語には opinion(意見)を置いています。

Q. true fact という言い方は正しいですか

Wiktionary は使い方の注記で、true fact を有名な重言(pleonasm)の例だとしています。

理由は「ファクトはすべて真実であり、真実でないものはファクトではない」からです。

同辞典は、強めようとして自然に出てしまう言い方だと認めつつ、よく練った文章では形容詞を削ったほうが書き手の信用のためになると記しました。

強めたいときに辞書の例文が使っている形は hard facts です。

Oxford Learner’s Dictionaries はこれを「証明できる情報」と説明しています。

Q. in fact と as a matter of fact は同じ意味ですか

Cambridge Dictionary は as a matter of fact の項に in (actual) fact も同じ意味だと添えています。

意味は「いま言っていることを強める、または前に言ったことと逆である、あるいは違うことを示すために使う」です。

同辞典の文法欄は、In fact を discourse marker(談話標識)だと記しました。

ただし Oxford Learner’s Dictionaries は as a matter of fact に二つの使い方を立て、相手の言ったことに反対する用法では synonym actually(actually と同義)と添えています。

同辞典には in point of fact という別の言い方も立っていて、こちらは「その場で何が本当かを言う」ために使います。

ファクトのまとめ

ファクトとは、起きたことや存在することが知られているもののうち、とくに証拠があるもの、それについての情報があるものという意味です。

語源はラテン語 factum で、faciō「する、作る」の完了受動分詞 factus の中性形。

もとの意味は「行い」、のちに「犯罪」で、いまの「真実、現実」は16世紀後半から使われています。

英語で使うときに押さえておきたいのは、[ C or U ] なので無冠詞でも複数形でも立つこと、発音はイギリス英語もアメリカ英語も /fækt/ であること、そして true fact は重言とされることの三つでしょう。

反対語は二方向にあり、作り話に対しては fiction、意見に対しては opinion が置かれます。

\辞書で引いた言葉/

日本語と英語でずれるビジネス用語を、同じ英英辞典で確かめられます

語源・発音記号・例文つき

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ファクトの参考文献

fact の定義・語法・発音・語源は以下の英英辞典と辞書で確認しました。

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バイアスとは?意味と語源も同じ英英辞典で調べています。↓

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