分詞とは、動詞から作られて形容詞と同じ働きをする形のことで、英語では -ing で終わる現在分詞と、-ed や -en などで終わる過去分詞の2つを指します。
分詞がつかみにくいのは、名前と中身がずれているからです。「現在分詞」は現在形のことではなく、「過去分詞」も過去形のことではありません。この記事では、分詞という品詞が何を指すのかを定義から確認し、形容詞としての使い方、進行形・完了形・受動態を作る仕組み、動名詞との見分け方、そして participle という語の由来までを順に整理します。
分詞とは何か(結論)
分詞とは、動詞から作られながら、形容詞のように名詞を説明したり、be や have と組んで動詞の形を作ったりする語のことです。英語では participle と呼びます。
Cambridge Dictionary は participle を、英語では通常 ed か ing で終わり、形容詞として使われる動詞の形だと説明しています。挙げられている例は He’s sleeping. と I’ve already eaten. の2文で、この sleeping と eaten がどちらも分詞にあたります。発音は英で /pɑːˈtɪs.ɪ.pəl/、米で /ˈpɑːr.t̬ɪ.sɪ.pəl/ です。
Oxford Learner’s Dictionaries もほぼ同じ線を引いていて、動詞から作られ -ing で終わるものを現在分詞、-ed や -en などで終わるものを過去分詞としています。The past participle of ‘buy’ is ‘bought’. と The present participle of ‘carry’ is ‘carrying’. が、そこに載っている例です。つまり分詞は「動詞の変化形の名前」であり、同時に「形容詞として振る舞う品詞の名前」でもあります。
分詞は2種類ある|現在分詞と過去分詞の違い
分詞は現在分詞と過去分詞の2つに分かれます。違いは時間ではなく、名詞との関係が「している」側か「される・し終えた」側かという向きです。
| 項目 | 現在分詞 | 過去分詞 |
|---|---|---|
| 語尾 | -ing | -ed/-en など |
| 意味の向き | している(能動・進行) | される・し終えた(受動・完了) |
| 作る動詞の形 | 進行形(be+現在分詞) | 完了形(have+過去分詞)・受動態(be+過去分詞) |
| 語の例 | sleeping, carrying, boiling | eaten, bought, cooked, smoked |
名前に「現在」「過去」と入っていますが、これは時制を表す呼び方ではありません。He’s sleeping. の sleeping は現在のことを言っていますが、He was sleeping. と過去の文に置いても sleeping のままです。Cambridge の文法解説が過去分詞を「-ed形」、あるいは「-ed分詞」と呼んでいるのも、時間ではなく形と働きで捉えているからです。
分詞が形容詞として名詞を修飾する使い方
分詞は形容詞の位置にそのまま置けます。名詞の前に立てて、その名詞がどういう状態かを説明するのが、いちばん基本の使い方です。
Cambridge の文法解説には、現在分詞の例として Be careful! That’s boiling water! が挙がっています。boiling water は「沸いている湯」で、湯が自分で沸いているので能動の向きです。The Grand Canyon is an amazing place. の amazing も、その場所が人を驚かせる側にあることを示しています。
過去分詞の例は Not everyone likes smoked salmon. です。smoked salmon は「燻された鮭」で、鮭は燻す動作を受けた側になります。My dress is hand-made. や James Bond movies are always action-packed.、My Master’s degree was a taught course. も同じ組み立てで、いずれも過去分詞が名詞の状態を言い当てています。
分詞を名詞の後ろに置く場合(分詞の後置修飾)
分詞はいつも名詞の前に立てるわけではありません。語によっては、名詞の後ろに回さないと成り立たないものがあります。
Cambridge の「Adjective phrases: position」は、名詞のあとに置く -ed 形があると明記しています。Most of the issues mentioned in the documentary are not very important. が正しい形で、Most of the mentioned issues とは言いません。The difference in percentages is clear from the illustrations shown. も同じで、the shown illustrations という語順は取りません。
目安になるのは、分詞が1語で立っているか、後ろに語句を連れているかです。mentioned in the documentary のように連れがある場合、そのかたまりごと名詞のあとへ回ります。前に置けるのは smoked salmon のように分詞が1語のときだと考えると、迷う場面がかなり減ります。
分詞が進行形・完了形・受動態を作る仕組み
分詞のもうひとつの顔が、助動詞と組んで動詞の形を作る働きです。進行形・完了形・受動態は、どれも分詞なしには作れません。
| 形 | 組み立て | 例文 |
|---|---|---|
| 現在進行形 | am / are / is + 現在分詞 | He’s sleeping. |
| 現在完了形 | have / has + 過去分詞 | I’ve already eaten. |
| 受動態 | be + 過去分詞 | This book was published by Cambridge University Press. |
Cambridge の文法解説は、現在進行形を am, are, is と動詞の -ing 形の組み合わせ、現在完了形を have / has と -ed 形の組み合わせとして説明しています。受動態のほうは、能動の Cambridge University Press published this book. を組み替えた形で、動作を受けた側が文の先頭に来ます。
同じ eaten という1語が、I’ve already eaten. では完了形の一部になり、名詞の前に置けば「食べられた」という説明語になります。分詞は単独では時制を持たないので、どの意味になるかは前に何が来るかで決まります。
分詞から生まれた interesting と interested の使い分け
分詞が形容詞として定着した語には、-ing 形と -ed 形が対で存在するものがあります。この2つは意味が違うので、入れ替えると文の内容が変わります。
Cambridge の説明では、-ing の形はそれが与える効果を表し、-ed の形は人がどう感じるかを表します。The meeting was very boring. は会議そのものが退屈させる側で、I felt bored at the meeting. は人が退屈させられた側です。That was an exciting game. と We were really excited about the game. も同じ対になっています。
It was shocking to see what the storm had done to the house. と We were shocked to see what the storm had done to the house. も、主語が効果を与える側か受ける側かで形が入れ替わります。Cambridge が特に混同しやすい組として名指ししているのは、interesting と interested、boring と bored、exciting と excited、embarrassing と embarrassed の4組です。
分詞と動名詞の見分け方|同じ ing でも役割が違う
現在分詞と動名詞は形が完全に同じです。見分けるための手がかりは語形ではなく、その語が文の中で担っている役割だけです。
| 同じ -ing の形 | 文の中での役割 | 例 |
|---|---|---|
| 動名詞 | 名詞(主語・目的語になる) | I preferred travelling alone. |
| 現在分詞(進行形) | 動詞の一部 | He’s sleeping. |
| 現在分詞(形容詞) | 名詞の状態を説明する | That’s boiling water! |
Oxford Learner’s Dictionaries は gerund を、動詞の現在分詞と同じ -ing の形をとりながら名詞として働く語だと定義し、I preferred travelling alone. の travelling を例に挙げています。定義そのものが「現在分詞の形をした名詞」なので、形で見分けようとしても答えは出ません。
実際の判定は、その語を名詞に置き換えられるかで試すのが早い方法です。置き換えても文が成り立つなら動名詞、成り立たないなら分詞だと判断できます。語源も別系統で、gerund は16世紀初めに後期ラテン語 gerundium から入った語で、さかのぼるとラテン語 gerere(行う)にたどりつきます。
分詞の作り方|綴りの規則と不規則変化
規則動詞の分詞は、原形に -ing または -ed を足すだけで作れます。ただし語尾の形によって、綴りが少し変わる決まりがあります。
| 原形の語尾 | 綴りの決まり | 例(原形/-ing 形/過去分詞) |
|---|---|---|
| ふつうの形 | そのまま -ing/-ed を足す | look/looking/looked |
| -e で終わる | -d を足し、-ing では e を落とす | move/moving/moved |
| 子音+y | y を -ied に変える(-ing では変えない) | study/studying/studied |
| 母音+子音1つ(語尾に強勢あり) | 子音を重ねる | prefer/preferring/preferred |
| 母音+子音1つ(強勢なし) | 重ねない | visit/visiting/visited |
| 母音+l | 強勢に関係なく重ねる(英) | travel/travelling/travelled |
問題になるのは不規則動詞のほうです。Cambridge の文法解説は、原形・過去形・-ed形の3つをまとめて覚える形を勧めていて、sing (sang, sung) のように辞書の見出しにも併記されていると説明しています。swim は swam と swum、go は went と gone、make は made と made、put は put と put のままです。
規則動詞なら過去形と過去分詞は同じ綴りになるので、The past participle of ‘cook’ is ‘cooked’. のように迷いません。なお Cambridge は、標準的なアメリカ英語では get の過去分詞として gotten が使われる、という注記も載せています。
分詞の語源はラテン語 participium(分け持つもの)
participle は14世紀後半の英語に現れた語で、古フランス語 participle(13世紀)を経て、ラテン語 participium から入りました。participium は「分け持つこと、あずかること」という意味です。
さかのぼると participium は particeps(分け持つ)から作られた語で、particeps は pars(部分)と、capere(取る)の弱まった形 -cip- に分かれます。つまり「部分を取る」が原義で、そこから「一部を分け持つもの」という像が立ち上がります。
文法家がこの名前を選んだのは、名詞と形容詞の両方の性質を分け持つ語だからだと説明されています。ラテン語の participium 自体、ギリシャ語 metokhē(分け持つ者)を訳したものでした。Oxford も語源欄で participium を「名詞の働きを分け持つ動詞の形」と注記していて、複数の品詞にまたがるという性質が、名前そのものに刻まれていることが分かります。
分詞についてよくある質問
分詞の学習でつまずきやすい点を4つにまとめました。名前の紛らわしさと、動名詞との重なりが主な原因です。
違います。時制を表す呼び名ではありません。He was sleeping. のように過去の文でも sleeping の形は変わらず、現在分詞のままです。現在分詞と過去分詞の違いは、能動か受動かという意味の向きにあります。
規則動詞は過去形と同じ綴りなので覚える必要がありません。不規則動詞だけを、原形・過去形・過去分詞の3つセットで確認します。英英辞典は sing (sang, sung) のように見出しに3つ並べて表示するので、引いた時点で確認できます。
人がどう感じているかを言うときは -ed の形、物や出来事が人に与える効果を言うときは -ing の形です。同じ組み合わせに bored と boring、excited と exciting、embarrassed と embarrassing があります。
見分けられません。動名詞は現在分詞と同じ -ing の形をしています。判定できるのは文の中での役割だけで、名詞の位置に立っていれば動名詞、進行形の一部や名詞の説明になっていれば分詞です。
分詞のまとめ
分詞とは、動詞から作られて形容詞と同じ働きをする形で、-ing で終わる現在分詞と、-ed や -en などで終わる過去分詞の2つがあります。名前に「現在」「過去」と入っていますが時制の呼び名ではなく、違いは名詞との関係が能動か受動かという点にあります。
使い道は大きく2つです。ひとつは boiling water や smoked salmon のように名詞を説明する使い方で、語句を連れているときは the issues mentioned in the documentary のように名詞のあとへ回ります。もうひとつは be や have と組んで進行形・完了形・受動態を作る使い方です。-ing と -ed が対になる語では、-ing が与える効果、-ed が受けた感情を表します。動名詞とは形が同じなので、見分けは文の中での役割だけで行います。語源はラテン語 participium で、名詞と形容詞の性質を分け持つ語という意味が、名前にそのまま残っています。
分詞の出典
分詞の定義、発音、語法、語源は以下の英英辞典、語源辞典、および Cambridge の文法解説で確認しました。
- Cambridge Dictionary|participle
- Oxford Learner’s Dictionaries|participle
- Online Etymology Dictionary|participle
- Cambridge Grammar|Verbs: basic forms
- Cambridge Grammar|Adjectives: forms
- Cambridge Grammar|Adjective phrases: position
- Cambridge Grammar|Present continuous (I am working)
- Cambridge Grammar|Present perfect simple (I have worked)
- Cambridge Grammar|Passive voice
- Oxford Learner’s Dictionaries|gerund

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