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イノベーションとは?意味と語源|発明との違い、英語 innovation の発音と可算・不可算

イノベーションは、新しいやり方や仕組みを持ち込んで、これまでの形を変えることを指す言葉です。日本語では「革新」と訳されます。

この記事では、イノベーションの意味をラテン語の語源からたどり、発明との違い、この語がかつて「元に戻すこと」を意味していたこと、英語 innovation の発音と使い方までを整理します。訳語の「技術革新」が範囲を狭めてしまっている点にも触れます。

目次

イノベーションとは何か(結論)

イノベーションとは、新しい考えや方法のことであり、またそれを生み出して使うことでもあります。名詞ひとつで「新しいもの」と「新しくする行為」の両方を表します。

辞書の語義も二つに分かれています。ひとつは可算名詞で「新しい考えや方法」。もうひとつは不可算名詞で「新しい考えや方法を作り出して使うこと」です。a technological innovation なら前者、the importance of innovation なら後者です。

重要なのは、技術に限られないという点です。仕組み、売り方、働き方、制度。既にある形に新しいものを持ち込んで変えることなら、どれもイノベーションと呼べます。

イノベーションの語源は「中を新しくする」

innovation は後期ラテン語の innovationem にさかのぼります。動詞 innovare の名詞形で、in-(中へ)と novus(新しい)が合わさった語です。

novus は英語の中にたくさん残っています。novel(新しい、小説)、novice(新入り)、renovate(改修する)、nova(新星)。どれも「新しい」が芯にあります。

注目すべきは in- が「中へ」だという点です。外に新しいものを作るのではなく、既にある中に新しいものを入れる。イノベーションが「既存のやり方を変えること」を指すのは、この構造から来ています。

イノベーションはもともと「元に戻すこと」だった

15世紀半ばの英語に現れた innovacion の意味は、「回復、更新」でした。今の意味とはかなり違います。

もとのラテン語 innovare には「変える」と「新しくする」の両方の意味がありました。このうち「新しくする」は、傷んだものを元の状態に戻すことも含みます。建物を修復する、契約を更新する、といった意味です。

現在の「既にある仕組みに新しいものを持ち込むこと」という意味が記録されるのは1540年代です。同じ renovare 系の語である renovate が「改修する」の意味に留まったのに対し、innovate は「新しくする」の側へ大きく振れました。

イノベーションと発明の違い

日本語で混ざりやすい語を整理します。指しているものが違います。

語 指しているもの 英語
イノベーション 新しいものを持ち込んで形を変えること innovation
発明 今まで無かったものを作ること invention
改善 今あるものを少しずつ良くすること improvement
改革 制度や組織を作り変えること reform

発明は物が生まれた時点、イノベーションはそれが世の中で使われて形が変わった時点を指します。作られただけで誰も使わなければ、発明ではあってもイノベーションにはなりません。

イノベーションの発音とアクセント

innovation の発音は /ˌɪn.əˈveɪ.ʃən/ です。強く読むのは三音節目の va の部分で、ここだけがはっきり「ヴェイ」と鳴ります。

先頭の in- にも軽い山があります。辞書の記号で下に付いている印は、第二強勢と呼ばれるものです。in を軽く、va を強く、と二段になっているのが英語のリズムです。

動詞の innovate になると、強く読む場所が先頭へ移ります。/ˈɪn.ə.veɪt/ で、in が山です。名詞と動詞で強勢の位置が変わるので、両方の形を音でも分けて覚えておく必要があります。

イノベーションを使った英語の例文

技術について言う例です。The company is known for technological innovations.(その会社は技術革新で知られている)。可算名詞として複数形になります。

性質として言う例です。Innovation is essential for growth.(成長には革新が欠かせない)。この場合は不可算で、冠詞も複数形も付きません。

分野を示す例です。the latest innovations in computer technology(コンピュータ技術における最新の革新)。in で分野をつなぐのが定型の形です。

イノベーションの可算と不可算の使い分け

この語でつまずきやすいのが、数えられるかどうかです。意味によって変わります。

使い方 意味 例
可算(an / -s が付く) 新しい考えや方法そのもの a major innovation
不可算(冠詞なし) 革新すること、革新性 a culture of innovation

具体的な「もの」を指すなら数えられ、性質や活動を指すなら数えられません。この区別は information や development など、他の -tion 名詞にも同じように当てはまります。

イノベーションの動詞形と形容詞形

同じ語族に innovate(動詞)、innovative(形容詞)、innovator(名詞)があります。まとめて押さえると使い分けが楽になります。

innovate は「新しいものを取り入れる、革新する」という動詞です。We must innovate to survive.(生き残るには革新しなければならない)のように、目的語なしでも使えます。

innovative は「革新的な」という形容詞で、実際の会話では innovation より使用頻度が高い語です。an innovative approach(画期的な取り組み)のように、人にも方法にも使えます。

innovator は「革新を起こす人」を指す名詞です。-or が付いて行為者を表す形で、actor や inventor と同じ作りをしています。組織を語る文章では、an innovator in the field(その分野の先駆者)のように使われます。

イノベーションと「技術革新」という訳語

日本語ではイノベーションを「技術革新」と訳す例が多く見られます。この訳は、語の範囲を狭めてしまっています。

英語の innovation に技術を意味する部分はありません。技術の話をしたいときは technological innovation と、前に語を足します。足さないかぎり、技術に限定されていないということです。

売り方を変える、届け方を変える、組織の作りを変える。どれも innovation です。訳語につられて技術の話だけを探すと、この語の指す範囲の大半を取りこぼします。「革新」とだけ訳すほうが原語に近い言い方です。

イノベーションが嫌われた時代

現在のイノベーションは肯定的な語ですが、長いあいだ警戒される言葉でした。新しいものを持ち込むこと自体が、危うい行いと見られていたためです。

既にある秩序に手を加えるという構造が、その理由です。in-(中へ)が示すとおり、この語は外に新しいものを作るのではなく、いま動いている仕組みの内側を触ります。うまくいっている場合ほど、触ることは損に見えます。

評価が反転したのは、変化しないほうが危ういと考えられるようになってからです。周りが変わるなかで同じ形を保てば、相対的に取り残される。同じ行いが、危険から必要へと読み替えられました。語の意味は変わらず、置かれた状況の見方が変わった例です。

イノベーションのよくある間違い

一つ目は、発明と同じ意味で使うことです。発明はものが生まれること、イノベーションはそれが使われて形が変わることです。段階が違います。

二つ目は、可算と不可算の混同です。「革新性が必要だ」と言いたいのに an innovation と書くと、具体的な新製品ひとつを指してしまいます。性質を言うなら冠詞なしです。

三つ目は、強勢の位置です。名詞は三つめの va、動詞は先頭の in が山になります。名詞のつもりで動詞の読み方をすると、聞き手が形を取り違えます。

イノベーションについてよくある質問

Q. イノベーションは和製英語ですか

和製英語ではありません。英語の innovation をそのまま取り入れた語です。ただし日本語では「技術革新」と訳される例が多く、技術以外にも使える英語の範囲より狭く受け取られがちです。

Q. イノベーションと発明の違いは何ですか

発明は今まで無かったものを作ること、イノベーションはそれが世の中で使われて既存の形が変わることです。作られただけで使われなければイノベーションとは呼びません。

Q. 昔は「元に戻すこと」だったというのは本当ですか

本当です。15世紀半ばの英語では「回復、更新」の意味で使われていました。現在の「新しいものを持ち込むこと」という意味が記録されるのは1540年代です。

Q. innovative と creative はどう違いますか

creative は新しいものを思いつく力、innovative はそれを実際に持ち込んで形を変えることを指します。頭の中で終われば creative、世の中が変われば innovative という違いです。

イノベーションのまとめ

イノベーションとは、新しい考えや方法、およびそれを生み出して使うことです。ラテン語の「中を新しくする」に由来し、15世紀には「回復、更新」を意味していました。

現在の意味は1540年代からで、技術に限られません。可算と不可算で指すものが変わり、名詞と動詞で強勢の位置も変わります。この二点を押さえておけば、英語でも正確に使えます。

イノベーションの出典

innovation の定義・語源・発音は以下の英英辞典と語源辞典で確認しました。

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