いちばん使えるのは It’s a pleasure to meet you. です。日本語の「お会いできて光栄です」に、英語は1対1で対応する言い方を持っていません。
格上の相手には It’s an honor to meet you.、少し肩の力を抜きたいときは Pleased to meet you.。3つは同義の言い換えではなく、相手との距離で選び分ける段です。
発音は pleasure が米 /ˈpleʒər/・英 /ˈpleʒə/、honor が米 /ˈɑːnər/・英 /ˈɒnə/。honor は先頭の h を読みません。
「お会いできて光栄です」は英語で何と言う? まず結論
「お会いできて光栄です」は、初対面のあいさつであると同時に「あなたに会えたこと自体が値打ちだ」という持ち上げを含みます。英語にはこの二重の役割を1語で背負う定型句がありません。近い形が3つあり、どれを選ぶかで敬意の量が変わります。
| 英語 | 中身に近い訳 | 敬意の量 |
|---|---|---|
| It’s a pleasure to meet you. | お会いできて光栄です | 高い(初対面の定番) |
| It’s an honor to meet you. | お目にかかれて光栄に存じます | 最上位(格上・著名人) |
| Pleased to meet you. | お会いできてうれしく思います | 中くらい(きちんとした場) |
「光栄」の語感をそのまま出すなら honor。ただし honor は重い語で、相手が同じくらいの立場だと大げさに響きます。商談や紹介の場では pleasure が安全に着地します。
「お会いできて光栄です」の発音|pleasure と honor の発音記号
意味より先に音を押さえます。この2語は綴りと音がずれます。
| 語 | アメリカ | イギリス | つまずく場所 |
|---|---|---|---|
| pleasure | /ˈpleʒər/ | /ˈpleʒə/ | ea は「エ」。s が /ʒ/ |
| honor | /ˈɑːnər/ | /ˈɒnə/ | 先頭の h を読まない |
| delighted | /dɪˈlaɪtɪd/ | /dɪˈlaɪtɪd/ | de は「ディ」 |
pleasure の ea は「イー」と読みたくなりますが、発音記号は /e/。頭は「プリー」ではなく「プレ」です。真ん中の s は /ʒ/ で、vision や measure と同じ音。舌先をどこにも当てず、息を濁らせるだけで出ます。
honor は発音記号の先頭に h の音がありません。「ホナー」ではなく「アナー」。a honor ではなく an honor になるのは、綴りではなく音が母音で始まるからです。
pleasure と honor の語源|「光栄」の中身をほどく
pleasure は14世紀後半に plesire の形で英語に入りました。もとは古フランス語の plesir・plaisir(楽しみ・喜び・望み)で、さかのぼるとラテン語の placere(喜ばせる、認められる)に行き着きます。語尾が -ure になったのは、中英語で measure など -ure で終わる語につられた結果だと記録されています。
つまり pleasure の芯は「こちらが喜ばされている」。It’s a pleasure to meet you. は、あなたが私を喜ばせている、という構造の文です。へりくだりではなく、相手を主語側に置く言い方だと分かります。
honor は1200年ごろに onur の形で使われはじめ、意味は glory, renown, fame earned(栄光・名声・勝ち得た誉れ)でした。アングロフランス語 honour、古フランス語 onor を経て、ラテン語の honorem(主格 honos)=誉れ・威厳・職位・評判から来ています。ラテン語より前の出どころは分かっていません。
「勝ち得た誉れ」という芯が今も残るので、It’s an honor to meet you. は「あなたに会えたこと自体が自分の誉れになる」と言う文です。日本語の「光栄です」とほぼ同じ重さになります。
なお honor は米国式の綴りで、イギリスと英連邦では honour と書きます。発音はどちらも同じです。
「お会いできて光栄です」の丁寧さの段|5つを並べる
| 表現 | 丁寧さ | 合う場面 |
|---|---|---|
| Nice to meet you. | ふつう | 初対面全般。いちばん広く使える |
| Pleased to meet you. | 丁寧 | きちんとした場。話し言葉のフォーマル |
| It’s a pleasure to meet you. | 丁寧+あたたかい | 商談・紹介・面接 |
| I’m delighted to meet you. | 丁寧+喜びが強い | 会えたことを心から喜ぶ場 |
| It’s an honor to meet you. | 最上位 | 格上・著名人・恩人 |
Nice to meet you. と Pleased to meet you. は、辞書でも互いの言い換えとして載っています。どちらも「初めて紹介されたときの丁寧な決まり文句」で、違いは響きの硬さだけ。Pleased のほうには「話し言葉の改まった形」という札が付きます。
delighted は「とても喜んでいて幸せな」という意味。語の中にすでに「とても」が入っているので very delighted とは言いません。強めたいときは absolutely delighted にします。
迷ったら真ん中を取ってください。It’s a pleasure to meet you. は、上に対しても下に対しても失礼になりません。
初対面か再会か|「お会いできて光栄です」の時制を間違えない
同じ pleasure でも、形が変わると言うタイミングが変わります。取り違えが起きやすいところです。
| 形 | いつ言うか |
|---|---|
| It’s a pleasure to meet you. | 会った直後。紹介された瞬間 |
| It’s been a pleasure to meet you. | 別れぎわ。話し終えて帰るとき |
| It’s good to see you again. | 2回目以降。再会したとき |
meet は「初めて会う」を含む動詞です。2回目の相手に使うと「初めまして」になり、前に会ったことを忘れられたと受け取られます。再会は meet ではなく see。
別れぎわの It’s been a pleasure to meet you.(お会いできてよかったです)は、been が入ることで「会っていた時間がまるごと良かった」という形になります。席を立つときの定番です。
「お会いできて光栄です」の英語例文8本と会話例
- It’s a pleasure to meet you, Ms. Tanaka.
(田中さん、お会いできて光栄です) - It’s an honor to meet you, Professor Ito.
(伊藤先生、お目にかかれて光栄です) - Pleased to meet you. I’ve read your report.
(お会いできてうれしいです。ご報告を拝読しました) - I’m delighted to meet you at last.
(ようやくお会いできてうれしいです) - It’s a real pleasure to meet you in person.
(直接お会いできて本当にうれしいです) - It’s been a pleasure to meet you. I hope we can work together.
(お会いできてよかったです。ご一緒できればと思います) - It’s an honor to have you here today.
(本日はお越しいただき光栄です) - It was a pleasure to meet you yesterday.
(昨日はお会いできてうれしかったです)
紹介の場面をまるごと1本。名刺交換の3往復です。
- Sato:Emma, this is Mr. Nakata, our head of design.
(エマ、こちらがデザイン責任者の中田です) - Emma:It’s a pleasure to meet you, Mr. Nakata.
(中田さん、お会いできて光栄です) - Nakata:The pleasure is all mine. I’ve heard a lot about your work.
(こちらこそ光栄です。お仕事のことはよくうかがっています)
「お会いできて光栄です」と言われたときの返し方
言えるだけでは会話が止まります。返しは3つで足ります。
| 返し方 | 意味 | 使いどころ |
|---|---|---|
| The pleasure is all mine. | こちらこそ光栄です | いちばん丁寧。相手を立て返す |
| Likewise. | こちらこそ | 短く上品。仕事の場で便利 |
| Nice to meet you too. | こちらこそ初めまして | いちばん軽い。日常 |
The pleasure is all mine. は、相手の好意を受け止めて「喜んでいるのはこちらのほうです」と返す形。日本語の「こちらこそ」に最も近い響きです。
Likewise. は「あなたにも同じことを」という意味の一語。辞書にも It was very nice meeting you, Samantha. ― Likewise, Mr Thompson. という会話例が載ります。一語で返せるので流れを止めません。
「お会いできて光栄です」で間違えやすい英語
- × I’m honor to meet you. → ○ I’m honored to meet you.(honor は名詞。人が主語なら -ed)
- × 再会の相手に It’s a pleasure to meet you. → ○ It’s good to see you again.
- × very delighted → ○ absolutely delighted
- × honor を「ホナー」と読む → ○ /ˈɑːnər/(h は読まない)
- × a honor → ○ an honor(音が母音で始まるため)
いちばん多いのが1つめです。honor は「誉れ」という名詞なので、I’m honor. は「私は誉れです」になってしまいます。人を主語にするなら形容詞の honored。これだけ覚えれば足ります。
「お会いできて光栄です」を音から覚えるシャドーイング
意味を知っていても、口が動かなければ初対面では使えません。短い順に伸ばして声に出します。
- Pleasure. (プレジャー//ˈpleʒər/)
- A pleasure.
- It’s a pleasure.
- It’s a pleasure to meet you.
- It’s an honor to meet you.
- It’s been a pleasure to meet you.
4まで言えれば実戦で足ります。気をつけるのは It’s a と It’s an の切り替えだけ。pleasure は子音の音、honor は母音の音で始まるからです。
口の形は1か所だけ。pleasure の真ん中、/ʒ/ で舌をどこにも当てない。当てると「プレジ」と切れた音になります。
「お会いできて光栄です」とつながる言葉のネットワーク
| つながり方 | 語 | 意味 |
|---|---|---|
| placere(喜ばせる)の仲間 | please / pleasant / pleased / pleasing | どうぞ/感じのよい/喜んで/好ましい |
| honor の仲間 | honorable / honorary / honored / dishonor | 立派な/名誉職の/光栄に思う/不名誉 |
| 初対面の決まり文句 | Nice to meet you / How do you do? / Good to see you | 初めまして/(改まった)初めまして/会えてうれしい |
| 返しの決まり文句 | Likewise / Same here / The pleasure is all mine | こちらこそ/同じく/こちらこそ光栄です |
pleasure と please が同じ語源だと分かると、With pleasure.(喜んで)という返事もひとつながりで覚えられます。頼まれごとを引き受けるときの定番です。
「お会いできて光栄です」が使えるか試す練習問題
答えを見る前に、場面を思い浮かべて言ってください。
- 問題1 初めて紹介された取引先の担当者に「お会いできて光栄です」と言う
It’s a pleasure to meet you. ── 迷ったらこれ。上にも下にも外しません。
- 問題2 長年尊敬してきた大学教授に初めて会った。いちばん敬意の高い言い方は
It’s an honor to meet you. ── honor は「勝ち得た誉れ」が芯の語。格上の相手に使います。
- 問題3 半年前に会った相手と再会した。It’s a pleasure to meet you. でよいか
よくありません。meet は初対面の動詞です。It’s good to see you again. に替えます。
- 問題4 It’s a pleasure to meet you. と言われた。ひとことで返すなら
Likewise.(こちらこそ)。もっと丁寧にするなら The pleasure is all mine.
- 問題5 × I’m honor to meet you. を直す
I’m honored to meet you. ── honor は名詞。人が主語なら形容詞の honored にします。
- 問題6 商談を終えて席を立つとき、「お会いできてよかったです」を英語で
It’s been a pleasure to meet you. ── 別れぎわは been を入れます。
「お会いできて光栄です」のよくある質問
- Nice to meet you. だけでは失礼になりますか
失礼にはなりません。辞書でも「初めて紹介されたときの丁寧な表現」とされています。ただ誰にでも使える分だけ響きは軽くなるので、格上の相手には It’s a pleasure to meet you. が向きます。
- It’s a pleasure to meet you. の It’s は省略できますか
できます。A pleasure to meet you. でも通じます。ただしくだけた響きになるので、初対面の商談では It’s を残すほうが無難です。
- honor と honour はどちらを使えばよいですか
相手の国に合わせます。米国では honor、イギリスと英連邦では honour が標準です。発音はどちらも同じで、h は読みません。
- メールで「お会いできて光栄です」と書けますか
書けます。会う前なら I’m looking forward to meeting you.、会ったあとなら It was a pleasure to meet you yesterday.。meet の時制を、実際に会ったかどうかに合わせるのが要点です。
まとめ|「お会いできて光栄です」の英語はこう覚える
- 中心:It’s a pleasure to meet you.(迷ったらこれ)
- 最上位:It’s an honor to meet you.(格上・著名人・恩人)
- 発音:pleasure /ˈpleʒər/、honor /ˈɑːnər/(h は読まない、冠詞は an)
- 語源:pleasure ←ラテン語 placere(喜ばせる)/honor ←ラテン語 honor・honos(誉れ)
- 再会は see:It’s good to see you again.
- 返し:Likewise. / The pleasure is all mine.
「お会いできて光栄です」を英語で言えるとは、単語を1つ覚えることではなく、相手との距離に合わせて段を選べることです。まずは It’s a pleasure to meet you. を口に馴染ませ、格上の相手に会う予定ができたら honor を足してください。
出典
発音記号・語源・語義・使い分けは、以下の資料で確認しました(最終確認:2026年9月4日)。
- 出典:Online Etymology Dictionary「pleasure」(plaisir/ラテン語 placere/-ure への語尾変化)
- 出典:Online Etymology Dictionary「honor」(onur/ラテン語 honorem・honos)
- 出典:Longman Dictionary of Contemporary English「pleasure」(発音と It’s been a pleasure to meet you.)
- 出典:Longman Dictionary of Contemporary English「honour」(発音と it is an honour to do の用例)
- 出典:Longman Dictionary of Contemporary English「(I’m) pleased to meet you」(話し言葉・改まった形の札)
- 出典:Longman Dictionary of Contemporary English「delighted」(very ではなく absolutely)
- 出典:Wiktionary「pleasure」(RP・GA の発音記号)
- 出典:Wiktionary「honor」(発音記号と綴りの違い)
- 出典:Wiktionary「nice to meet you」
- 出典:Wiktionary「the pleasure is all mine」
- 出典:Wiktionary「likewise」
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